4. 幽閉された王族たち
4. 幽閉された王族たち
王城の奥、陽光が特別に設計させた塔――その内部は、厳重かつ静寂に包まれていた。ここには、わずか数日で併合された五か国の王族が並んで幽閉されている。かつて誇り高く、国民から敬われた王たちは、今や牢獄の中でひとまとめにされ、囚人同然となっていた。
王族たちは互いに視線を交わし、怒りと恐怖を押し隠すこともできず、言葉を発した。
「貴様……本当に人なのか?」
「化け物を使い、国を滅ぼすとは! 一体何者だ!」
塔の奥、冷たい光の中で立つ陽光は、感情の動きなど微塵も見せず、静かに答えた。
「化け物ではない。これは古代の知恵。私が選ばれ、私が使う。お前たちは過去の遺物だ」
その声には、王としての威厳と冷徹さが宿っていた。王族たちの怒声や抗議は、塔の外で整列する五万の鋼鉄兵士を前に、無力さをさらけ出すだけであった。兵士たちは一切の表情を変えず、槍や剣を握ったまま、命令に忠実であることのみを示していた。その冷たい瞳が、王族たちに無言の圧力をかける。
「貴様……一国の主として、何をした! 私たちの民は!?」
「抵抗すれば国民が苦しむ……貴様は悪魔か!」
陽光は微動だにせず、ただ静かに王族を見下ろす。彼にとって、怒声や恐怖は何の意味も持たなかった。知識と戦略によって生まれた鉄の軍団は、絶対的な力を象徴しており、王族たちの感情はもはや届かない存在であった。
「お前たちは過去の支配者に過ぎぬ。私が新たな秩序を築く。それに逆らうことは無駄だ」
王族たちはなおも叫ぶが、背後に並ぶ五万の鋼鉄兵士の圧倒的な存在が、彼らの体を震えさせる。兵士たちの槍先が冷たく光り、全員が静止して見えるその姿は、王族たちに反抗の余地を一切残さなかった。
ある王は、かろうじて声を絞り出した。
「お前……人の心を持たぬ者を従わせ、国を滅ぼすとは……!」
陽光は静かに答える。
「心は人のためにある。鋼の子らは忠誠のみを持つ。民を守るために使う。お前たちの時代は終わった」
塔の中の空気は凍りついた。王族の視線は、憎悪と恐怖、そして理解不能な感覚が混ざり合う。彼らは知っていた――もはや戦う力はなく、この無機質な秩序に逆らうことは不可能であることを。
陽光は目を閉じ、心の中で次の戦略を描いた。王族の幽閉は単なる拘束ではない。彼らを生かしておくことで、従属の象徴とし、併合した国民に絶対的な権力を示す装置となる。逆に殺せば、反発と混乱を生む可能性があった。理性と冷徹さの判断により、彼は生かす道を選んだのである。
王族たちは怒声を上げ続けるが、誰一人として動くことはできない。塔の窓から外を見下ろすと、広大な王城前の広場に整然と並ぶ鋼鉄兵士たちが見える。まるで生きた壁のように整列し、王族たちに無言の警告を送る。その秩序の象徴は、怒りや絶望を凌駕する威圧感を放っていた。
陽光は静かに塔を後にする。背後の王族たちは、幽閉されたまま、その冷徹な視線を感じ続けることになる。外の世界では、鉄の軍団が秩序を守り、民衆の生活を破壊せず、ただ王の意思を体現していた。
――かつて栄華を誇った王たちは、今や力の象徴の前に無力である。
――そして、この秩序と力こそが、王国の新たな未来を形作る礎となる。
塔の中で、王族たちは沈黙の重さを初めて実感した。怒りも恐怖も、鉄の軍団の存在の前では無力に等しい。彼らの支配の時代は終わり、王国の秩序は、鋼鉄の忠誠により新たに築かれつつあった。




