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How to use utakata.

作者: 星降夜

好評だったら、連載にします。

好評じゃなかったら、空気の冒険者キャラの過去設定にします。一応空気のやつと同じ世界です。

泡沫という言葉を皆様はご存知でしょうか?


そうです。泡沫というものは、あなたの思っているように、泡の如く消えることを言います。今日はそんな呪われた言葉に愛された少年についてを描いていきたいと思います。

神魔歴419年。ある1人の少年が生まれた。その少年の体には泡のようなあざがあった。

俗に言う紋章というものである。

人口の約0.1%に発現する紋章。それは呪われたものでもあれば、祝福されたものでもあるという。


これは、そんな紋章の中でも呪われた紋章に目覚めた少年の話である。

その少年の名前を仮にU君としよう。


少年が物心ついた時から、何かがおかしかった。日常の些細な物事が消えていくのだ。これは、幼少期の少年を見続けた侍女に聞いた話である。


Q.「最初から何かがおかしかったのですか?」


A.「はい。ある日、U様のお気に入りだったおもちゃが消えました。私はその時見たんです。U様の紋章が光り、次の瞬間消えたところを。その瞬間U様は泣き始めました。私は思いました。「気付いていないんだな」と。


Q.「なるほど。それは奇妙ですね。他にはどんなことがあったのでしょうか?」


A.「本当に奇妙なのはここからです。U様はそれからどんどんものを消していきました。生まれてから半年経つまでは、無機物でした。そこからが悲劇の始まりでした。U様にじゃれついたのです。奥様の愛犬が。」


Q.「ふむ。それでどうなったのですか?」


A.「消えました。」


Q.「消えた⁉︎無機物だけではなかったのですか?」


A.「私もそう思っていました。酷くなっていったのはそれからです。奥様は愛犬が消えたと気付いた瞬間、困惑なさっているご様子でした。」


Q.「それはそうでしょうね。私もそうなると思います。それで?」


A.「そうして、お屋敷にいた愛玩動物(ペット)や、お屋敷に入り込んだ野生動物が、消えていきました。奥様も旦那様も不思議に思ったのでしょう。動物がそう簡単に消えるわけがないのですから。」


Q.「ふむ。まだ続きがあるのでしょう?お願いします。」


A.「はい。そして、まず奥様がU様をあやしに行ったときです。奥様が帰ってこないのを不審に思い、私はU様のお部屋へ向かいました。」


Q.「それで?」


A.「そこに残っていたのは、奥様の愛用していた、真紅のドレスだけでした。」


Q.「なるほど、ついに動物だけでなく、人まで消すようになってしまったのですか?」


A.「はい。そうです。私は旦那様に今までのことを伝えました。すると旦那様は、泣きながら、愛用の剣を取り出しました。国を守るためなら、息子も殺すつもりだったのでしょう。私は止めようとしましたが、同時にこうも思いました。「これまでの恐ろしい出来事は全てU様が引き起こしたこと。U様が居なくなれば、全て戻るのは?」と。」


Q.「なるほど。そう思っても仕方はないでしょう。私もそう思ってしまいます。それで?」


A.「その日、お屋敷内にいた全ての人が行方不明になりました。いや、U様を除く全ての人です。その時私は運良く食材の買い出しに出ていました。」


Q.「何があったのでしょうか?」


A.「実際に見ていないのでわかりませんが、恐らく、殺意に反応し、U様の紋章の力が増幅したのでしょう。その中には私の恋人もいました。一緒にこの家で、旦那様達を支えながら、生きていこうと。誓い合いました。」


Q.「おつらかったでしょう?」


A.「はい。これで以上になります。」

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