Galaxy of the Tank-top
レビュー執筆日:2021/1/27
●「バリエーションのある楽曲」と「コミカルな歌詞」を充分に楽しめる、エンタメ性の強いアルバム。
【収録曲】
1.Tank-top in your heart
2.ヤバみ
3.DANCE ON TANSU
4.眠いオブザイヤー受賞
5.気をつけなはれや
6.Universal Serial Bus
7.ハッピーウェディング前ソング
8.ドローン買ったのに
9.ベストジーニスト賞
10.メロコアバンドのアルバムの3曲目ぐらいによく収録されている感じの曲
11.とりあえず噛む
12.サークルバンドに光を
13.肩 have a good day -2018 ver.-
3人組バンド・ヤバイTシャツ屋さんの2ndアルバム。前作では曲調の幅がやや狭いように感じられましたが、今作では、デスボイスを交えたハードな演奏が特徴的な『Tank-top in your heart』だったり、ヒップホップの要素を取り入れた『眠いオブザイヤー受賞』だったり、アコースティックサウンドを聴かせる『ドローン買ったのに』だったりと、楽曲のバリエーションが増えたように思えます。
彼らの特徴であるコミカルな歌詞に関しては、前作ではいわゆる「あるあるネタ」が多かったような気がするのですが、今作ではあまり見られず、その代わりに、単なるダジャレを曲にしたような『DANCE ON TANSU』や、「ノリで入籍してみたらええやん」と無責任にも程がある『ハッピーウェディング前ソング』、「ジーパン音頭だ!」という奇妙なフレーズが冒頭から飛び出す『ベストジーニスト賞』と、良い意味での「下らなさ」を前面に押し出したものが増え、個人的には、ユーモアの度合いがさらに増したように思えました。
その中でも私が一番笑ってしまったのが最後に収録されている『肩 have a good day』。バラード調でアレンジが妙に壮大だったり、そのくせに歌詞のテーマが「肩幅が広い人に対する偏見」というふざけたものだったり、途中で口笛のソロが入ってきたり、最後には良い事を言った風にまとめたりと、色々と突っ込み所が満載で、ある意味、様々な「ネタ」が並んだこのアルバムを締めるのにふさわしい曲になっているように感じられます。
「バリエーションのある楽曲」と「コミカルな歌詞」という二つの面からリスナーを楽しませる姿勢を充分に感じられる本作。最初から最後まで面白い「ネタ」が詰まった、非常にエンタメ性の強いアルバムになっているのではないでしょうか。
評価:★★★★★