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【完結】選択式小説 幼馴染み  作者: 望月ナナコ
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プロローグ

私達は幼馴染みで同じ団地に住んでいる。上の階には春斗、下の階には冬斗、三人が集まる時は真ん中にある私の家が多い。


小さい頃は毎日のように三人で遊んでいたけど、高校入ってからはお互いいろいろ忙しくてすれ違いが続いていた。


三人揃って長い時間一緒にいれる時間は本当に久しぶりだ。


小さい頃は泣き虫でいっつも私に泣きついていた春斗はすっかりお調子者に育ってしまった。頼りないイメージだったのに時が経ちいつの間にか身長も越され、すらっとしたスポーツ万能系男子に成長済み。


昔から可愛い顔だったけど最近は更に磨きがかかりうちの高校にもファンが多い。小さい頃から一緒にいる私でもふとした瞬間にはドキっとする事がある。身近にいる中では確実に一番イケメンだけどまあどちらかというと可愛い弟って感じ。中学校ではサッカー部のエースでわりと有名だったらしい。この春から私と冬斗と同じ高校に入学が決まっていた。


『でも、そういえばなんでうちの高校に入ってきたの?サッカーで推薦入学の話もあったんだよね?』


『っな、なんだよ、迷惑なのか。いいじゃん別に。家から近いし何かと便利だろ。』


『迷惑なんかじゃないけど、もったいないんじゃないかと思って。』


『・・・・・。』


そんな他愛もない話をする私達をじっと見つめる冬斗。


『・・・どうしたの?』


『別に。』


すぐに教科書に目を戻されてしまった。


冬斗は昔から口数少なかったけど、それも年々加速している気がする。


・・・にしてもサラサラ黒髪メガネ男子が勉強している様っていうのは。


『お前何冬斗の事見つめてんだよ!』


『え、いや、そんなんじゃないけど。なんか・・・。』


『なんか、何?』


『なんか、ちょっと絵になるっていうか、萌えな感じっていうか・・・。』


『萌だって、冬斗、良かったな!』


『・・・・・。』


・・・あ、無視された。心なしか少し冬斗の顔が赤くなった気もしたけど、まあ気のせいだよね。いつもおしゃべりな私達の話を静かに聞いてくれ側にいてくれる。何考えてるかわかんない時もあるけど成績は学年一で私も受験の時にかなりお世話になった。小さい頃に転んで足を擦り剥き泣きじゃくる私を優しくなだめてくれた事があり、実は初恋の人だったりもする。


・・・でも今は好きっていうより頼れるお兄ちゃんに近いかな。


そんな事を考え冬斗を見つめ続ける私をじっと見つめる春斗がこの後どんな行動に出るか、この時の私は知る由も無かった。


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