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ペンギン三兄弟

ペンギン三兄弟 〜 44話 火中の栗は拾えない の巻

作者: たかはら りょう

ペンギン三兄弟


チャン・・・性格は几帳面。声がいいが顔がデカい。

    サングラスをかけている。つぶあんが大好き。


ドン・・・体はちっちゃいが、器用に何でもこなす。

     収集癖あり。


ゴン・・・ド天然。普通のことが超不器用。

     日々体を鍛えてる。ゴジラが大好き。


ダミオ・・・近所の猫。鳴き声がダミ声。


ペンギン三兄弟、チャン、ドン、ゴン。

今日も仲良く暮らしています。


秋も深まる寒い日

3羽は、買い物に出かけていました。

ふと見ると、1件の店の前に人だかりができています。


チャン「なんだろう」

ドン「栗つめ放題って書いてあるよ」

ゴン「おもしろそう」

ドン「ここは几帳面なチャンの出番だな」

ゴン「いっぱい詰めてきてよ」


チャンは、栗をひとつずつ取って袋に丁寧に詰めていきました。


ドン「いっぱい詰めたね」

ゴン「さすがチャンだな」

チャン「あー満足満足。きっちり詰めるのって気持ちいいな」


3羽は気分良く家に帰ってきました。


ドン「ねえ見て見て、庭がすごいことになってる」


3羽が庭をのぞくと、枯れ葉や落ち葉が庭いっぱいに広がっていました。


ゴン「うわあ、すごーい」

ゴンは庭にかけていき、落ち葉の上でぴょんぴょんと飛び跳ねました。

ゴン「ねえ、いい音がするよ、サクサクして気持ちいいよ」


チャンとドンも、まねして落ち葉の上でぴょんぴょんと飛び跳ねました。


サクサク、カサカサ、ジャリジャリ


落ち葉を踏むと、気持ち良い音がしました。


ドン「この踏み心地もいい感じ」


チャン「落ち葉集めて、たき火でもしようか」

ドン「いいね、やきいも作ろうよ」

ゴン「やきいも食べたーい」


3羽は、竹ぼうきで庭を掃き、庭の真ん中に落ち葉の山を作りました。


ドン「じゃあイモをいれるよ」

ドンはさつまいもを3つ落ち葉の下に入れました。

チャン「じゃあ火をつけるよ」

チャンはチャッカマンで新聞紙に火をつけ、落ち葉の山にのせました。


火はやがて落ち葉にも広がって大きくなっていきます。

パチパチパチ

落ち葉の焼ける音が聞こえてきます。


ゴン「冷たい乾いた空気に、落ち葉焚き。燃える落ち葉の下で美味しく焼けていくやきいも。秋だね〜」


3羽は、たき火にあたりながら、秋の余韻に浸っていました。


そのときです!


バチ、バチ、バアーン!

と爆発音が響きました。


チャン「うわあ、なんだ!」


バンッ、バンッ!

ババババーン!

大きな爆発音とともに、何か黒くて小さなものが、たき火の中から次々に勢いよく飛び出してきました。


ドン「うわあ、あぶない、逃げろ〜」


3羽は急いで、縁側から部屋の中へ駆け上がりました。


バン、バン、バババン!

バン、バン、ババババーン!


チャン「あれってもしかして」

ドン「チャンが持ってた栗じゃない?」

ゴン「チャン、栗をたき火に入れたの?」


チャン「入れたつもりはないんだけど、いつのまにか落ち葉の中に落としちゃったかも」


ゴン「バッカだなあ」

ドン「あぶないから、おさまるまでじっと待つしかないよ」


そして、栗の爆発がひとしきり続いたあと、

やっと静けさがやってきました。


3羽は恐る恐るたき火に近づいていくと、

たき火の周りには、無惨に爆発した栗のかけらが散らばっていました。


そのとき

「ギャ〜オ」

と声がしました。


チャン「あのダミ声は」

ドン「ダミオじゃないか」

ゴン「ひさびさの登場だな」


近所に住んでいる猫のダミオがやってきました。

ニャー、ニャー、ニャーオ

見ると、ダミオだけでなく、

多種多様な猫たちが集まってきました。

散らばった栗に近づいて

クンクン匂いをかいでいます。


チャン「焼き栗のいい匂いに、猫たちが集まってきちゃったよ」

ドン「にぎやかになったね」

ゴン「みんな好きなだけ栗食べていってね」


猫たちは、それぞれ猫舌で苦戦しながらも

思わぬごちそうに喜びました。


猫に囲まれて、3羽も同様に、

あつあつの焼き芋に格闘したのでありました。


おわり


栗をそのまま焼くとあぶないよ

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