小さな女の子
あらすじ:無人島に行くところから
立ちはだかった女の子は10歳ぐらいにしか見えない。
びっくりして声も出ない俺たちを気にもかけず話しかけてきた。
だが謎の少女の発言はさらに驚かされるものであった。
「あなたたち、なんでこの島に来たの?調査しに来た人たちには見えないけど~?」
「あなたこの島の子なの?お父さんとお母さんはいるの?」
そういうと姫奈は堂々と言葉を続ける。
「なんでこの島に来る人間は同じことを言うのかしらね~。」
ん?なんか違和感を覚えるな。
この場に居てはいけない、俺の中の何かが、あるいは外かもしれないが、とにかくそう言っている。
「まあいいわ、ちょうどリソースが足りてないところだったし、あなた達でいいわ~」
少女がそう言い終わると、急に眠気に襲われ、その場に倒れこんでしまった。
暗闇の中、どこからか声が聞こえる。
「次はあなたの番ね、名前はなんていうの~?」
俺は『阿良々木空々』と答えようとしたが、声が出ない!
「くうとくんっていうのね、よろしくね~。」
「それと今は声は出せないけどちゃんと伝わるから安心してね~」
舌が動かない。というかこの暗いのは瞼も開けられないからか。次は俺?そういえば他の3人はどうなったんだ?
「ほかの子たちも同じように送り出してきたから安心して頂戴ね~。」
どうゆうことなのかさっぱりわからない。これでどう安心しろというのか。しかし、俺の心を読み取っているようだし、おそらく人間以上の存在であろう。正直不安しかないが、とりあえず信用するしかないか。
「君だけはまともで良かったわ、他の子って下心しかないんだもん」
確かに、それは思ったんだがあえて言わなかった。
「さて、くうとくん、君はある世界に旅立ってもらおうと思います~」
ある世界?旅立つ?ていうかお前は何者だ?
「あなた達で言う異世界の管理者をしてるんだけど、ちょっと問題が発生したんですよ~」
問題?
「そうなのよ!それで向こうに何人か送り込んだんだけど、解決には至らず、状況は日々悪化するばかりなの~」
つまり、俺にそれをどうにかしろと?
「そう、正常化して欲しいのよ~もちろんただ行ってもらうだけでは死ぬだけだわ~」
なんか物騒な話だな。ラノベとかでチート能力をあげるとかそんなとこか?
「チートって意味は分からないけど、向こうに送る人って力をあげるとみんなそう言うのよね~」
という事はそれだけ強い力という事か。他の3人にも力を?
「そりゃあもちろんあげたわ~。使いこなせるかは当人次第だけどね~。」
とりあえずどんな力なのか聞いておこうか。
「簡単に言うと3つの力をあげています~」
3つなのか。なんだろうな。
「1つは異世界言語能力、どのような種族とでもお話しできる能力ね」
まあ、これは必要だろうな。
「2つ目は、成長上限無効の能力ね」
上限無効ってことはどれだけでも成長できるってことか
「3つ目は能力付与のアクセサリーね」
ん?なぜアクセサリー?
「送り込む世界によって必要な能力が違うのよね~」
「だから通常の習得過程を飛ばして、必要な能力をすぐ身に付けれるほうが便利でしょ~?」
なるほど一理ある。
「ただし、24時間以上手元から離れるとそれ以上付与することができなくなるので注意してね」
なんだその制約は?
「不正利用防止ってことで納得してね~」
「一度でも付与したら手元から離れても無効にはなならないから安心してね~」
まあ理由は分かった。で、転移してからまずは何をすればいいんだ?
「そこそこ安全なところに飛ばしておくからあとは自分で考えてね~」
何その無責任な発言。チュートリアルないの?
「じゃあいってらっしゃい~」
せめてヒントの一つや二つと訴えようとしたら、まぶしい光が差し込み、すべてが白に溶けていく。
光が収まると、そこは石造りの町並み。人気のない石畳の裏路地の隅でへたり込んでいた。
そして服屋のおっちゃんに出会い、今に至るのであった。