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武器縛りな地雷原の糸生活!  作者: 1011
第一章 彼の長い一日プレイ
9/25

友人とアイテム作成

ヒロイン登場です(´・ω・`)

「PK死すべし。慈悲はない。お前らの寿命もあと数時間!金もアイテムも全部追い剥いでやるわー!いいか?殺していいのは殺される覚悟のあるやつだけなんだよ!ハハハハハ!!」

「お前ほんとにゲームだと性格変わるよな。あとサイト巡りとかした後も。取り敢えず落ち着け?な?」


俺のことをよく理解しているこいつは俺に落ち着くように言う。


「…ふう。すまない。サイト巡りした後に性格が変わるのはどんどん頭の中でアイデアが出てくると興奮してテンションがおかしくなってな。ゲーム内はそれを実践できる唯一の場所だからワクワクが止まらなくなる。だけどゲームだといつもそうだと思うなよ?それをここまで表に出すのはお前とあいつの前だけだからな?」

「!…ああクソ、喜ぶべきなのか悔しがるべきなのか…」

「?」


何をこいつはそんなに悔しがってるんだ?


このさっきから話してる言葉遣いに似合わず青髪で可愛いやつは『水沢 涙』。ゲームでは『ティア』でプレイしている。家がお隣さんなのだが子供の頃親が家に居ないときにちょくちょく水沢家に預けられてきたからその頃からの付き合いだ。学校は一貫制の女子校に通ってるのだが他の女生徒から『お姉様』の呼び名で呼ばれてるらしい。女子校だから言葉遣いとかでいじめられてなくてよかった…


ゲームを始めたのは俺がVRで暴れ出した時期に『俺もお前らと一緒に遊ぶ!』と言ってから。それからは色々なゲームで一緒に遊んでいる。腕前はそこそこ良い。所謂ゲーム慣れはしていないが運動神経が良いのでVRでは結構良い動きをする。もう一人の親友には『お前にとっての良い動きってトップレベルだからな?なんでお前らあんな頭おかしい動きできるの?』と言われたが結局その親友も同じことができるから冗談なのだろう。


そんな親友『速水 隼人』は涙曰くまだやってなかった課題の消化にて夕飯以降ログインしてないらしい。あいつ今日までにやっとけよ…


「んで縛也…違ったチェイン。俺はPKKをするって聞いたが何すんだ?」

「あれ?集まろうって連絡した時言ってなかったか?ちょっとPKKするためのアイテムを作るからそれの実験台になってほしいんだ……なんだよその反応は。なんで逃げんだよ。」


そんないきなり逃げられたらショックだよ?ショックの余りつい追いかけたくなるじゃないか。


「お前の自作するアイテムは基本危険だからに決まってんだろ。俺はまだ死にたくないぞ。」

「そんなことはない。今考えてる物だってHPを減らしたり状態異常を与えたりするものじゃないし。」

「…ほんとか?」


疑り深いな。生意気にも学習しおってからに。


「ああ本当だ。」

「…分かった、その言葉信じるからな。」

「よし、んじゃ材料買いに行くぞ。」


だがやはりチョロいな。


そうして一緒に材料の買い出しに行く。行き先は魔法具店だ。






「何買うんだ?」

「えっとー。お、あったこれだこれ。」

「?これって確か…」


魔法具店に着き商品を物色してると目当ての物が見つかった。


――――――――――――――――――――――――――

『魔力譲渡機』

――――――――――――――――――――――――――


「利用価値が無い…所謂ゴミアイテムだったよな?」

「名前だけ見るとあたかも使えそうな名前だから地雷アイテムとも言われてるよ。」


そう、俺が愛してやまない地雷だ。このアイテム、見た目は一面のみ穴の空いた箱で効果だが箱の中に突っ込んだものへ箱に触れているものの魔力が移動するという効果だ。何だか聞いていると使えそうに聞こえるが実はこの箱、めっちゃ変換効率が悪いのである。


具体的には変換効率が10%である。100あげても10しかMPが回復しないのである。ゴミだ。


また魔力の移動はプレイヤーだけではなくアイテムでもできるのだが魔力のあるアイテムは基本高いしそんなに内蔵されてるMP量が無いのでMPポーションの方が安上がりという本末転倒ぷり。魔力のないアイテムに魔力を込めるという使い方も検討されたが箱から出すと込められた魔力はすぐ消えてしまった。


もう本来の使い方は諦め敵のMPを吸うのに使ってはどうだろうと案が出されたが箱が衝撃に弱いせいで投げつけて当てるだけでバラバラに壊れる。もちろんグローブの様に手につけて殴ってもペシャンコだ。そんな検証もありこの箱の評価は結論、要らないという結果に終わってしまったのだった。


「そんな箱を使ってアイテムを作る。」

「嫌な予感しかしねぇ…」


安心しろ、説明した通り"HP"が減ることは無さそうだろ?


――――――――――――――――――――――――――

『魔力譲渡機』×11     500×11=5500W

『ミニ魔力譲渡機』×20 250×20=5000W


10500-10500=0

――――――――――――――――――――――――――


一文無しになっちまったが後悔はない。後でPKからたんまりと貰うからな。


「なあこれ材料って言ってたけどどうすんだ?バラすのか?」

「そうじゃないけど…まあ見ててくれ。」


それでは材料を紹介しよう。材料は先程購入した魔力譲渡機11個に事前に鉄塊から作っておいた新しい鉄糸だ。そして使うスキルはこれ今まで出番の無かった《合体》だ。これを使って魔力譲渡機を糸と合体し魔力譲渡機の串団子のようになる。


さてここで質問だがOWAMというゲームは自由度が高いがそれと同時に情報が細かいという特徴がある。さながらどこぞのMとNの場所を入れ替えて読まれる言語のように。そして思い出してほしい。《念動力》や《合体》、《変形》の発動条件には『触れた物質』と説明には書かれてないこと、また《魔力伝導》は魔法を触れた物質から出すスキルではなく『魔力を流す』スキルだということに。正直本当にできるかは分からない勘に近いものだったがその勘により俺は賭けに勝った。《魔力伝導》により、糸の先の魔力譲渡機を《変形》する事ができたのだ!


(どうだオラァっ!《魔力伝導》はいらない子だぁ?絶対初期スキルの中なら最強格だぞこれ。)


『《魔力伝導》は『触れた〜』という説明がついていなければ物質を通してスキルを発動できるかもしれない。』という情報を掲示板に流せば一瞬で要らないスキル扱いしてた奴らは手の平を返すだろう。だがわざわざ情報を流す?そんなメリットのない事なんてしない。情報は力だ。精々隠させて頂きますよ…


よし、確認は終わったし作業再開だ。俺は《魔力伝導》で糸を通して魔力譲渡機に《変形》を発動させていく。ヨシヨシ、複数対象への発動もできるな。《変形》を発動した後はこれも《魔力伝導》づてに《念動力》で亀の甲の様な少し縦に長い六角形にしていく。糸の端っこに付けたやつだけは曲線を描いたギロチンの様な見た目にしてこいつには口を作ってあげる。歯には返しが付いていてギザギザだ。


「最後に全ての魔力譲渡機の形状を《固定化》にして《変形》発動したまんま…っと、よし!完成だ!」


モチーフは蛇。鎖や伸びた蛇腹剣を彷彿とさせるフォルムだ。その尻尾の先には2つの指輪のうちの一つに繋がっている。因みにもう一つの方は俺が今まで使っていた糸と繋がっている。


この指輪は鉄塊を《変形》と《念動力》で指輪の形にし、糸と《合体》させたものだ。おっ、どうやら《合体》を使ったからアイテム名を設定できるみたいだな。なら…


「命名『ニーズヘッグ』、命名『操糸の指輪』」


世界樹に巻き付き樹液を啜る蛇などこれほどぴったりな名前は無いだろう。さて、それじゃぁ…


「ティア、待たせたな。もう、良いか?」

「!!!い、いきなりそんな事言うんじゃねえ!」

「え?お、おう、そうか…ご、ゴメンな…?」

「クソッ、惚れた弱みとはいえいきなりあんないい声を耳元で囁かれたらドキッとするに決まってんじゃねえか…」

「そいつぁ狙ってた事だからな。こんな経験無いから緊張したが成功したってんなら良かったよ。」

「っ!?お前わざとかよっ!質悪いぞ!」

「そんなわかりやすい態度とってバレないと思ってたら、好きなのが俺にバレてたと分かり、『お願いだ!俺が告白するまで待ってくれ!』って俺に返事を保留にさせておいて、結局まだ告白できてないお前が悪い。」

「〜〜〜〜〜〜!!!」


おうおう、顔真っ赤だな。このまま恥ずか死しそうだ。さて、今のうちに…


「ニーズヘッグ!」


《念動力》でニーズヘッグを操作しティアに巻き付ける。


「うお!なんだこれさっきの箱とは思えないぐらい硬え!えっ!?ちょっと待ってなんか凄い勢いでMPが減っていくんだけど!?」


うむ、実験は成功の様だ。毎秒20MP程無くなってるいって…ん?《魔力伝導》の分で減ってたMPが回復してる?毎秒1MPて事はティアの奪った魔力の半分か。確かに《魔力伝導》で流した魔力はロス半分で回収することもできるがこれは予想外だったな。


因みにMPの吸われる速さについては魔力譲渡機一つで毎秒2MPだから頭の部分以外の計10個の魔力譲渡機に触れているティアの状態なら確かに毎秒20MPの計算となる。その吸ったMPは変換効率10%という効率の悪さで毎秒2MPずつ糸に魔力が込められ、《魔力伝導》の変換効率50%によって俺にMPが渡るときには毎秒1MPの回復量になると。しめて変換効率5%か。棚ぼたで得られるMPとしては上々か?毎秒20MP吸われるってだけで凶悪だしな。


「よし、実験は終わったしアイテム作成を続けるか。」

「もう俺のMP全部無くなったんだけど…」


ティアのキャラは近接型だからMPはそんなに高いわけではないがそれでもハイペースでレベルを上げてたせいでちょうど100ある。まあ序盤なら近接の付与魔法も一つ二つぐらいで十分だからこんなものだろう。それも5秒で無くなったわけだが。


このゲーム結構近接もMP必要だからなー。ニーズヘッグはかなりの戦力になるだろう。それじゃぁもう一種類MP吸収を加速させる物を作りますか。え?ティアを放置していいのかって?ニーズヘッグに巻き付かれてるのと服装のせいで2つの大きな恵みの象徴が潰れて谷間を覗かせてるんだぞ?そのままにするに決まってるだろ。じゃけんアイテム作りましょうね〜


同じく鉄塊を《合体》、《変形》、《念動力》で指輪を4つ作りまして〜。ニーズヘッグと同じ要領でミニ魔力譲渡機5個ずつの串団子〜。ただこの時糸の先にはミニ魔力譲渡機は付けないっと。後は同じく《変形》と《念動力》でミニ魔力譲渡機を縦に長い六角形にして完成!


「命名『ウロボロス』」


これの役割は相手の手や体に巻き付いて糸の先を一周して自分の糸自身と結合。手錠のようにしてMPを吸収し続けてもらうことだ。


幸い《変形》は『2つ以上に別れない』という仕様のため合体した糸の先は《変形》で切り取る事ができる。こうなると絶対に切れないという性質が無くなるが今度は『体に食い込んでる糸をどうやって切る?』という問題になる。


フッフッフ。これで準備はバッチリだ。待ってろよPK。第1陣が第2陣に負ける屈辱を味わってもらうからよ。お前らのアイテムと金を有効活用してやるよ…


「(ニタァ…)」

「(ああ、あの顔絶対悪い事を考えてる顔だ…)」

段々キャラが生き生きとしてきました。


プレイヤーのMPについて

第1陣のMPですが近接が150、後衛が300(パラメータは100、200)程度です。これで後衛のMP足りるの?という気になりますが杖の特殊能力で魔法の消費MPが軽減されるのと高価ですがMPポーションがあるので一応足ります。

またトップランカーとなると高レベルの生産職が居るので強い杖や防具、アクセサリーによってMPは近接が200、後衛が400(パラメータは125、250)程度、これに金の暴力によるMPポーション、そして杖のMP軽減があるのでそれ以上の継戦能力となります。


強化魔法と付与魔法

強化魔法や付与魔法などは創作魔法でしか存在しません。そのため近接職もMPのパラメーターは結構重要です。そして違いですが、

強化魔法はパラメータ変化

付与魔法は特殊状態を

を与えるものとなっています。強化魔法がバフ・デバフ、付与魔法がリジェネや透明化に状態異常といったところでしょうか。なのでパラメータを下げる魔法でも強化魔法と呼ばれます。また物質にはパラメータが無いので強化魔法は使えません。そしてOWAMの仕様で『物質に魔力が込められている、もしくは付与魔法が付与されていると脆くなる。』になってるため《魔力伝導》や『魔法戦士』というスタイルは地雷扱いとなってしまいました。


逆に言えばその仕様がなければ《魔力伝導》で武器をぶつけあった時に不利な付与を相手の武器に与えるといったことができるのでここまで不人気になることはなかったはずです。

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