ダンジョン後半戦と実験タイム
おかしい…かなり難しいダンジョンを用意した筈なのに攻略がトントン拍子で進むから描写することが少ない…(´・ω・`)
「…控えめに言って鬼畜かな?」
中ボス倒して11階。そこにはメラメラ火の玉にドロドロヘドロ、胞子がいっぱい詰まってそうなキノコが闊歩しておりました。絶対に素手で殴ったらやばい…一番この制限下で強い『拳使い』をこれみよがしにメタってきやがったぞそれで良いのか運営よ。
火の玉やヘドロ…『ファイヤドローン』と『ポイズンゴーレム』っていうのかコイツら。は核の魔石を引っこ抜くか割ることで死ぬし、キノコ…『パラライズ・マッシュルーム』は普通のモンスターと同じ様に倒せるから詰んではないけど素手で倒そうとするとかなりの被害を被るよな…
これは本当に一握りの人しか攻略できないな。逆にここまで難しいと報酬に期待が募る。
そんなふうにワクワクしながらキノコは離れてから笠を切り落とし、火の玉とヘドロは核に糸を巻き付けて引っこ抜いていくことで倒していく。
「魔石は魔道具の電池みたいな物だけど多分《魔力操作》で魔力を引き出せるよな。高価なMPポーションの代わりにできそうだから今のうちに集めておこう。」
…今思いついたけど直接魔力を吸ったらどうなるんだろう?思いたったら吉日。早速試してみよう。…実験対象は火の玉。魔石に糸を接続。《魔力伝導》でパスを形成。《魔力操作》で吸収!
…あっ火が消えた。倒したっぽい。どうやら魔石を内蔵してるモンスターは魔石の魔力が無くなることで死ぬっぽい。それじゃ逆に魔力を注ぎ込んだらどうなるんだ?
ということで実験続行。対象は同じく火の玉。パスを形成までは一緒。今度は魔力注いでみる…魔力がいっぱいいっぱいだから注げないな。なら魔力を吸って同じ量の魔力を注いでみよう。お?動きが止まった。けど消えてない。いつもはフヨフヨしててこっちを認識したら向かってきてたんだが…ってあれ?フヨフヨしてこっち向かって来た。
もしかして…頭の中で試しに右に進む火の玉をイメージしてみる。…頭の中でイメージした通りに火の玉が動いた。おいおい、いいのかこれ。途端にここの敵の3分の2が味方になったぞ。あっ、でもこれ《並列思考》無いと火の玉動かしてる間集中してなきゃいけないからろくに動けなくなるな。ならバランスは取れてるか。いくら《並列思考》があってもレベル分までしか意識は割けないから万能でもないしな。でもいつか使えそうな仕様だから覚えておこう。それじゃ実験協力ご苦労さま、そしてさようなら。
そして火は絶えた。
「おお!初宝箱!」
13階目にして遂に初めて宝箱を見つけた!まあ『看破の眼鏡』が痺れ薬を塗った針と天井からスタンバっている火の玉かヘドロの魔力を捉えていたんで離れてから糸で宝箱を開けてすぐ閉めて落ちて来た『ポイズンゴーレム』の核を引き抜いて罠解除をしたんですけどね。罠も性格悪いなぁ…
「さてさて中身は何かな〜?」
オープン!
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『《毒魔法》のスキルオーブ』
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毒魔法?掲示板とかサイトでは見たことないな。…うん、習得してみたところ無から毒を作ったり手持ちの毒を合成して効果を合わせたり強化したりすることができるらしい。《調合》で良くね?と思うことなかれ。基本毒系の状態異常はその毒の威力と対象のCONで決まるが《毒魔法》でできた毒は術者のMATと対象のMDFで決まる。つまり毒が効きづらいタンク職やモンスターにも効きやすい毒が作れるのだ!魔力を空気中で固めて毒を作ったり毒を圧縮したりするからこのダンジョンから出ないと使えないがな!
「これは大当たりだな。」
ダンジョンから出たらPKから貰った『アサシンスネークの毒』や他にもいっぱいあるPKの戦利品の毒でとびっきりの物を作ろう。
oh…なにあれ…
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『グリム・リーパー』(25)
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横に見える数字は年齢とかではなくレベルだ。今までの敵のレベルは『レギオン・ウルフ』以前の階層の敵とどっこいどっこいだったのにここにきていきなりのこれだ。これつまり…
(FOEってやつなんだろなぁ…)
しかもただ強いだけならまだ良いが問題は《物理無効》を持っているレイス系の敵である可能性が高いということだ。ここはまさしく触らぬ神に祟りなしなのだろうが…生憎とこちら危機感も何もない攻略で大変暇なのである。そこに投じられた一石。放置するはずがない。レッツ攻略!できなくても緊迫感のある鬼ごっこが始まるだけだ!
(それではまず《物理無効》の有無の確認から……あっ、糸すり抜けた。レイス系だわこれ。あ、こっち見た。)
「うおーーーー!!!逃げろーーーーー!!!」
「ヴアアァァ!」
あれっ?思ったより遅い…うおっ!鎌から斬撃飛ばしてきた!魔力使わないスキルなのかよそれ!
「フッ!」
ガキン!
でも範囲の広い攻撃は糸で防げる!って、いきなり速くなった!?斬撃を飛ばすのに溜めが必要だっただけかよ!もう追いつかれたぞ!
「フッ、ハッ、ホッ、ダァ!」
ガキン!ガキン!ガキン!ガガキン!
AGL高いお陰で防げてるけど攻撃早いわ!だけどもうそろそろ…
「ヴ?ヴァァ?」
「よっしゃぁ!魔力で構成されたモンスターだからもしかしてと思ったが賭けに勝ったぁ!」
早速役に立った乗っ取り仕様!核も核と体の結合も他のモンスターよりしっかりしてたから割ったり抜き取ったりはできなかったけどこんな強い魔物が仲間になるんだったら儲けもんよ!
「でも魔力量多かったからか時間がかかったな。他のダンジョンとかだったら魔法も使ってきたんだろうな。」
まあ物理が効かないから凶悪度ではここのダンジョンの方が高いけど。
『称号『死神を従えし者』を取得しました。《死神の魔眼》を取得しました。』
「やったぜ。」
成し遂げたぜ。早速確認じゃー。
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『死神を従えし者』(レイス系リーパー族のモンスターを従えた者の称号、《死神の魔眼》を取得する。MAT+5)
《死神の魔眼》(使用者のMATの10分の1以下のMATの敵を視界に入れて発動。対象は行動不能になる。)
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やっぱり魔法型だったのか…てかやべえ。何がヤバイって魔法使えないダンジョンに一定以上のMATが無いと確実に死亡する敵を配置する運営がやべえ。どんだけここのダンジョン攻略させたくないんだよ。
ただ逆に考えればそんな敵を味方にできたと考えればとても心強い。一度魔力を注いだらパスを切ってもそのままなのも素晴らしい。こいつを引き連れてたら街に入れなくなるからね。
それじゃ強敵も攻略しましたしこのままダンジョンも攻略しますかね。
「違う。そうじゃない。」
俺はボス階層らしき扉とその前に置かれた宝箱から出てきた11階から20階までの地図を見てそう言葉をこぼした。
(また階戻って宝箱取りに行かなきゃいけないじゃないかーー!!)
あると分かってる宝箱を無視するという選択肢はその者には無かった。
このOWAMの世界の魔力の設定や挙動、性質などが細かい理由ですが開発者の一人が『考察班や検証班にも活躍の場を与えたい!』という理由からかなりしっかりとしてます。その知識を使う事でプレイの幅が広くなり攻略にかなり関係してくるレベルでしっかりとしてます。魔力関係のスキルが不人気だったりそもそも取得が難しかったりするせいでほとんど解明されていませんが…
なので運営の想定としてはこんなにも主人公のみが無双する予定ではなかったんですよね。プレイヤー全員がこれらの知識を知っていた場合、今行ける4番目の街よりも更に2つ先の街にまで行けてます。運営も予想より進捗が遅れててびっくりしてます。そんななか一人突き進んでいく主人公…頑張れ運営。もうすぐイベントで想定してたバランスがぶっ壊されるかもだけど頑張るんだ。




