未定
門をくぐるとそこは想像以上の光景が広がっていた。
校舎が豪華なのはびっくりしたがそれよりも18mはある魔道力ターミナルに驚いた。
本で見たことはあったが、こんなに大きいとは。
魔道力ターミナルは学院の全てで、電気やガスの概念がない。要は学院に暮らすにあたって魔力以外必要ないということだ。
だからこそ、魔力適正が高い程楽に過ごせるというわけだ。
使えないのなら去れと言われているようなもんだなこれは。
っと隣の彼女も同じような顔で驚いた顔をしている。
「ハイ、あなた達!!時間ギリギリよ!」
と手をパンパンと叩きながら女性が近づいてきた。
『「すみません!?」』またかぶった。
「まあ、確かに初めて見る人にはびっくりよねえ。」
「魔道力ターミナルは学院のマザースポットだから、あなた達の生活の基礎ね」
「あんなに凄い力を感じるとは思いませんでした。」
僕は素直に気持ちを言ってみた。
「力?あら?あなた達まだ魔道力リスト貰ってないわよね?」
女性が不思議そうに尋ねてくる。
「魔道力リスト!?まだ門をくぐっただけですので初めて聴きました」
「んっ~、まあいいか。それより今日の入学式はあなた達いれて3名だからしっかりね。」
そうか、3名か。
やはり魔力の適正というものは難しいのだろうなあ。
特に日和の国は魔道師が少なく統べる権力争いは1歩後退しているという。
魔道師になるとはそれほど大変なことなのだと実感した。
15の国から成り立っているこの世界は力の均衡がとれるように話し合いの場を設けたり各国が技術提供をしていたが
ある国、ラスミア王国とアダマルカ王国の不仲により技術提供という親交がなくなってしまったことから
それぞれの国が競争という言葉に操れるかのように
魔道の最高の力を求めるようになってしまった。
17あった国が侵攻により15に減ってしまうことが起きた。
魔道第2国災害と呼ばれ今でも、再度起きるのではないかと
心配されている。
そうならないよう条約ができ、不可侵とされているが
世界は不穏な空気が流れている。
「ねぇ、君!」
「は、はいっ!」
「見てくださいよ!あの方、ベルナール・フィリア様ですよ!」
彼女はとても嬉しいのか涙している。
「ベルナール様というとあの5人の英雄といわれる治療師の最高魔道師ですよね!?」
「はいっ!私はあの方に昔助けられたことがありました。とても聡明な方で誰にでも優しいフィリア様に感動を覚えあの方ようになりたいと強く思い、この道を進もうと思いました。」
「僕も応援するからね」
彼女ならきっと成れるだろう。そう思う。
っと喋りながらに3階への階段を長い渡り廊下を進む。
そこにはⅢ-2と書かれたプレートがある。
「着いたわよ、ここがあなた達の学舎よ。」
ちょっと緊張するなあ~。
「皆さんおはようございます。今日からの入学生を紹介するわ、二人とも入ってきて。」
いざ、行かん!
『わ~、可愛い、美人』とか『カッコいい』『タイプ♡』
など聞こえる。
「皆様方、本日からご一緒に勉強させていただきます神川愛香です、どうぞ、宜しくお願い致します。」
真っ直ぐで綺麗な姿勢を保ちながら一礼をする
彼女はとても美しかった。
んっ!?彼女の名前、今知ったよ!
みんなは神川さんに歓声をあげる。
僕の番だ。
「神川さんと同じく、今日から一緒に勉強します霧崎ハルトです。よろしくお願い致します。」
まあ、無難には言えたはずだっ!?
パチパチと拍手があるのを聞くとホッとするな~。
「さて新しい仲間も来たことだし、皆さんで軽く模擬戦をして交流を深めましょうか」
『お~いいね』『やりましょう』
いきなり模擬戦かあ、でも楽しみだ。
「なら霧崎君の相手は誰にしようかしら」
「俺がいこう」
そう言ったのは身長が185cmぐらいの
体型が細いが、いや、これはかなりの締まった筋肉だ。
名前は「アイゼル・エリックだ、よろしく頼む。」
握手を求めて来たので快く手を差し出す。
間違いない、彼は強い。
-------アイゼル・エリック--------
こいつは、強い。
強さを隠せる程に強い。
おれは騎士を目指すために、たくさんの猛者と闘い、力と技術を高めてきた。
だから相手の強さを感じとることが本能でわかる。
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「アイゼル・エリックさんよろしくお願い致します。」
僕は自分の魔道力はまだわからないから武術でいくしかない。だけど自信はある。
「模擬戦は一撃当てたら勝ちよそれでは始め!」先生が手を挙げる。
僕は目を閉じ、右手は空気をつかむように、左手は手のひらをみせる。
『アイツは魔力を使わないのか?なのに威圧がある。』
アイゼルは思った。
しかし騎士ならば進むのみ!
「いぐぞ、槍聖滅殺」
アイゼルが放つ槍は一瞬で10m離れているハルトの眼前に現れた。
「あぶない!」神川愛香が叫ぶ。
しかしハルトはまだ動かない。
当たる、あと30cmのところでハルトが動いた。
「空間操術・槍握」ハルトは空間をつかむように構えた右手で本当に空気をつかむように、空間をねじ曲げるように
手首を捻る。
槍は位置をはずされ、アイゼルに向かって帰っていく。
アイゼルは驚愕した。いやこの場にいた皆が驚いた。
魔力ばかりが力と思って勉強してきたのだが、
今目の前で魔力を使わずに闘う人間がいるのだ。
アイゼルは帰ってくる槍を掴むために飛んだ。
ハルトはまた右手で空間を上に曲げた。
槍はアイゼルに向かっていく。
「空間操術だと!?初めて聞いた、これは魔力ではなく技だ。避けることができないのなら受けるのみ!!」
アイゼルは槍を受けるため構えた。
自分の槍ぐらい取れずに騎士といえるか!
しかし槍は勢いを弱め、空中で止まった。
ハルトは考えていた。
彼は逃げるということはしないだろう。
しかしこれは模擬戦だ、致命傷はまずい。
アイゼルは「一撃当てたらのはずだ」
「あなたの槍はさっきみてわかった、自分を傷つけるために投げていなかったよ、本当は倍以上速いでしょ?だから僕も当てない。」
アイゼルは思った。アイツはそれさえも見抜いたか。
完敗だ。
今までに相手にしたことのないタイプだった。
ハルトとアイゼルは共に笑顔で握手を交わした
「霧崎よ、初めて闘うタイプだったがとても興奮したぞ。自分の先を見つめ直すことができる、ありがとう。」
「いえ、僕はそんなつもりでは!?」
ハルトは、照れながら言う。
アイゼルはニカニカしながら「そうか、お前は闘う時と性格がかわるのか。」
「闘う時は集中してしまってあまり考えたことがないですね!?」
疑問形になってしまった。
「始め!」先生の声が聞こえる。
隣りでは神川さんが闘うのか。
相手は誰だ?
「ああ、あいつか、秋芳 凛と言ってな、忍者の末裔だ。」
アイゼルが教えてくれた。
秋芳家といったら暗殺などを得意としていると聞く。
神川さんは大丈夫だろうか。
神川視点--------
「あなたは治療師になりたいんだよね?」
「はい、皆さんのお力になりたいのです。」
「そう、治療師はこの国では片手しかいない高位の術師よ、それに戦闘の役には立てない。治癒能力がなければ、あきらめることになるでしょうね。」
「わかっています。治癒能力は少しですがあります。努力をしますです。」
「なら良かった。実は私は忍者なの、暗殺専門のね。治癒能力があるなら本気でやれる。いくよっ!」
視界から消えたのです。
それに音も。
シュッ、シュッ、キラリとひかる刃物が後ろから飛んでくる。
「音が急に!?後ろですか!?」
手をつき、横に飛ぶ。
「細いナイフですか。」
地面に二本のナイフが刺さっている。
「初見でよく避けたわね。」
「ギリギリでした。」
危なかった。
あと少し気付くのが遅かったら一緒で勝負はついていた。
「2回目はどうでしょうね。」スっと消える。
また消えたのです。
考えるのです私!
彼女の性格からして真正面からはこないと思っていいはず。
多分また·····
秋芳視点--------------
神川さんは戦闘慣れしていない。
だから虚をつくのは簡単ね。
私は負けない!
ナイフを再度背後から投げる。
シュッシュッ、神川を目がけて飛んでいく。
バチッ!と甲高い音がなる。
今度はさっきより速く投げたから避けることはできないはず。
3本のナイフは正面·上·後ろからの攻撃だから判断に迷えば当たる。
私の勝ちよ。
そう思ったが。
えっ!?
ナイフが3本ともあの娘の周りに落ちてる!
どうして、どういうことよ!
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視点終わり。
周りの生徒も何が起きたのかわからず動揺している。
「私は確かにプリーストになりたいです。」
その声に凛は我にかえる。
「でも、守るだけにはなりたくないです、私自身がそれを許さないです。」
まさか、あの娘。
「あなた、エレメントリムーバブを使えるの!?」
「はい、プリーストとアークウィザードを目指しています!」
エレメントリムーバブル?
なんだろう。
「あー、エレメントリムーバブルは魔術の中の風の属性に位置してるんだ」
アイゼルがそう言った。