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サクラとアルルの物語  作者: 黒翔
第2章 戦禍
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悲しき戦い 前編

スズミヤ卿率いる騎馬武者達は国境付近に陣を構えていた。

そこに忍びの騎馬が駆け戻ってきた。


「なに、アドリス殿が謀殺されたと?!」

スズミヤ卿は思わず声を上げた。

「は、シルグムント国内は浮足立ち混乱状態です」


武者たちに動揺が広がる。

「我が君、事が敵に知れるとこの機に乗じられまする!」


スズミヤ卿は目を閉じ少し考えて言った。

「この変事、恐らく妖魔軍の仕業。既に敵は総攻撃を始めておろう」

「くっ・・・!」


スズミヤ卿は闘斧を手に取り言った。

「斥候隊はまだ戻らぬか?」

「は、恐らく妖魔軍に手にかかったものかと・・・」

「これより斥候隊を救出する!その後にエンドアへ向かうのだッ!」

「御意ッ!!」


スズミヤ卿の力のある声が武者たちの動揺を吹き払った。


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暗黒の炎を眺めながら、メリュジェーヌは想いにふけっていた。


(なぜあのようなことをなさったんですの?)

(わしは指示などしておらん。誰かが勝手にやったことだ)

(え・・・お父様ではないんですの?)


 いったい誰がこんなことを・・・謀殺のような下衆な手段を使うなんて――

メリュジーヌは憂鬱そうに溜息をついた。


「お嬢様ァ~。エンドアの結界を突破しまし・ター!」

オークが下品な笑みを浮かべながらメリュジェーヌへ言った。

「お嬢様の魔力をもってすれば共和国の騎士団なんぞ屁のカッパ、ゲヘヘ~」


メリュジェーヌは卑下した目でオークを一瞥すると、エンドアへ向かって歩き始めた。


 自分のやっていることは正しいのだろうか?――

人間の力では決して消えることのない暗黒の炎に向かいながら、メリュジェーヌは自問を続けていた。



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