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サクラとアルルの物語  作者: 黒翔
第2章 戦禍
7/18

星空

満天の星空の下、パドメはひとり佇んでいた。

そこへ女神の神鞍を身に着けた巨大な蒼竜が寄り添った。


「妖魔ドモガ国境ヘ攻メ込ミ始メタヨウダ」

「そうですか、アルルさん」

パドメは悲しそうに微笑んだ。


「心配ありません。明日にはお兄様達が来てくれるでしょう」

「漆黒の騎士団...カ」

アルルは憂鬱そうに首を振った。


「ナァ、パドメ」

アルルは気になっていたことを聞いてみた。

「女神ノ巫女ノアンタガ、何故竜騎士ナンカニナッタンダ?」


パドメは竜騎士の指輪を眺めながら微笑んだ。

「女神ウルディアの御心だから・・・私には巫女としてこの地を守る義務があります」



いかに戦時下といえ――

 いかにパドメの魔力が欲しいからといえ――

 このような無垢な少女をも戦火に巻き込むとは――


人間とは・・・愚かな・・・



アルルはゆっくりと体を回すと、人間の青年に姿を変えた。

「オ嬢様、私ト踊ッテイタダケマセンカ?」

「まぁ」

パドメは驚いてアルルを眺めた。


「くすくす・・貴方って器用ね」

「サァ、オ嬢様、手ヲ・・・」

「わ、きゃ・・」


二人の姿を満天の星たちが優しく照らしだした。



――せめてこのひと時が

 

アルルは思った。


――せめてこのひと時が、少しでもゆっくりと流れてゆきますように・・・

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