7/18
星空
満天の星空の下、パドメはひとり佇んでいた。
そこへ女神の神鞍を身に着けた巨大な蒼竜が寄り添った。
「妖魔ドモガ国境ヘ攻メ込ミ始メタヨウダ」
「そうですか、アルルさん」
パドメは悲しそうに微笑んだ。
「心配ありません。明日にはお兄様達が来てくれるでしょう」
「漆黒の騎士団...カ」
アルルは憂鬱そうに首を振った。
「ナァ、パドメ」
アルルは気になっていたことを聞いてみた。
「女神ノ巫女ノアンタガ、何故竜騎士ナンカニナッタンダ?」
パドメは竜騎士の指輪を眺めながら微笑んだ。
「女神ウルディアの御心だから・・・私には巫女としてこの地を守る義務があります」
いかに戦時下といえ――
いかにパドメの魔力が欲しいからといえ――
このような無垢な少女をも戦火に巻き込むとは――
人間とは・・・愚かな・・・
アルルはゆっくりと体を回すと、人間の青年に姿を変えた。
「オ嬢様、私ト踊ッテイタダケマセンカ?」
「まぁ」
パドメは驚いてアルルを眺めた。
「くすくす・・貴方って器用ね」
「サァ、オ嬢様、手ヲ・・・」
「わ、きゃ・・」
二人の姿を満天の星たちが優しく照らしだした。
――せめてこのひと時が
アルルは思った。
――せめてこのひと時が、少しでもゆっくりと流れてゆきますように・・・




