覚醒 前編
古の神獣「蒼竜」
竜族の中でも比類なき魔力を有し、その知性をもって獰猛な人間をも懐柔し、
共存の道を切り開いた聡明なる種族であった。
しかし人間の欲望は尽きることなく、奪い合い、戦いの果てついには竜族を
戦争の道具として使い始めた。
多くの竜族は人間と共に戦い、傷つき、死んでいった。
元々長寿である蒼龍は、100年に一度しか子を生まないため、
たちまちその数は激減し
―― そして絶滅した。
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「ベルフェゴールの令嬢が亡命してたとは」
「お陰で話が早かったです、博士」
プロ・クーンとガームベルはソフィアを連れ、反乱軍の拠点へ急いだ。
「ソフィア様。生き残った評議員はおられるのですか」
「分かりません。ほとんどの人達は・・・」
ソフィアは惨劇を思い出し、細い肩をわななかせた。
「ソフィア様が先導に立って下さったら、生き残った者たちも蜂起しましょう」
小走りに進みながらプロ・クーンが浮かない顔で言った。
「・・・あのブルードラゴン、気になるからして」
「アルルのことですか」
「知っているのか?ガームベル」
「妹と共に戦っていた魔竜です」
「魔竜・・・うーん」
森を抜けると、古代遺跡に巧妙に隠された秘密の拠点が現れた。
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「ふふふ、ワクワクしますわ」
マリナが楽しそうに笑った。
「この先は警備が厳重ですのでお気をつけ下さいまし」
その危機感の無さに、メリュジェーヌは憮然とした表情で返した。
「ほーら、メリュちゃん。イライラしないー」
サクラが茶化して言った。
「べ、別に苛ついてなんかいませんのよ」
そんな二人のやりとりを見ながらアルルは物思いに浸っていた。
(何故みんな争うのだろう?こんな少女達を駆り立て・・・)
ドクン!
その時アルルはデジャブを感じ息を飲んだ
この感覚・・・ どこかで
―― くすくす・・貴方って器用ね
金髪の神々しい少女がアルルに優しく微笑みかける
パ・・・ドメ・・?
アルルは忘れていた、どす黒いものがこみ上げてくるのを感じた。
「ルルル・・・」
「どうしたの?アルル」
サクラがただならぬ殺気に気付く。
かつて感じたことのある凄まじいに殺気にメリュジェーヌは息を呑んだ。
(小さくなっているけど・・・このドラゴン、もしかして・・・)
その時、突然ウーヌスの兵がサクラ達を取り囲んだ。
「動くな!貴様ら、クラウンフィールドの者か」
ウーヌス兵が魔導銃の銃口をこちらに向けた。
「ええ、この竜の鱗から作った廃病の新薬を売りに来ましたの」
少しも動じず、マリナは微笑みながら言った。
「なに、廃病の新薬だと?」
「ビジネスですので、どなた様にもお売りしますわ。少しお高いですけど」
「それは助かる。おい!こいつらを本部へ連れて行け」
サクラ達は、ウーヌスの兵に引き連れられ、妖魔国のウーヌス本部へ向かった。
「お陰で、護衛付きの安全な旅になりましたわ。ふふふ」
マリナはサクラ達にウィンクした。
(あのときのブルードラゴンが生きていたなんて・・・)
アルルを見ながら、メリュジェーヌはかつての忌まわしい出来事を思い出していた。




