導き
――・・・クラ
(う・・ん・・)
――サクラ
(ん・・・え?)
サクラが目を上げると、そこに純白の聖衣をまとった美しい女性が微笑んでいました。
(あなた・・・だれ?)
――私は名はウルディア。
(ウ・ウルディア?)
――西へ向かいなさい。そこに貴女の助けを待つ人達がいます。
(わ、私の助け・・・?)
――貴女には闇を拭う力がある。戦乱で家族を失い、苦しみ、悲しみ、救いを求める人達を救うのです。
(ちょっと待って!私に・・・私に人々を救えというの?)
――大丈夫、貴女は選ばれし者。この世界に平穏をもたらす力を与えられた者
(わ、私はただの女の子で・・・そ、そんな大それた力なんかあるはずがなくて・・・)
――行きなさい。我が下僕も貴女の力となるでしょう。
(ま、待って、ウルディア!貴女は何者なの?)
――私は世界の理を司るもの・・・私は貴女自身。
(待って!いったい何が・・・)
「サクラッ!」
アルルの声に、はっとサクラは顔を上げました。
目の前には西方国への支援船が出港の汽笛を上げていました。
「ホラ、船長ガ挨拶ヲシテイルゾ」
アルルの声の先で船長が敬礼をしています。
「オ前モ挨拶ヲシナイトマズイダ・・・」
「・・・私シルグムントへ行く」
「ハ?」
「アルル、あなたも行かなきゃいけない!」
「オ、オィドコヘ・・・」
サクラはアルルの手を取ると、出向しかかった船へ飛び乗りました。
「わ、我が君、たたた大変です」
家臣たちが大慌てでスズミヤ卿の元へやってきました。
「サクラがシルグムントへ向かったと?」
落ち着いた声でスズミヤ卿は言いました。
「あなた、今シルグムントは・・・」
后は心配そうにスズミヤ卿を見上げました。
「導きの力に抗えなかったのだろう・・・。ジュドウの軍をシルグムントへ向かわせろ」
「はッ!」
「サクラ・・・何事もなければよいのですが」
后は不安げにつぶやきました。
翌朝、ジパングの軍隊がサクラの後を追いシルグムントへ向かうのでした。




