Episode_06 魚人族との邂逅と魚を狩る者
ども!お久です!黒音です!
いやぁストック&ネタがないのは辛いですね(T_T)
結末だけ思いついて間が思いつかないという何ともいいがたい今日この頃…( = =) トオイメ
というわけでクレラビ第6話!
突如現れた魚人族!艦長はどう出るか!?
〜 航空母戦艦「シナノ」 艦首甲板 〜
異世界アークフィア、そのどこまでも続く大海原を1隻の巨大な軍艦が航行していた。
その艦の艦首に1人、タバコをくわえ軍服を身にまとった10代の少年がつまらなそうに遠くを眺めていた。(この世界の成人年齢は15歳なので喫煙は合法であり、タバコも少なからず存在するが気になっていた銘柄は無かった)
「はぁ〜退屈だな……ルミナレア王国があるアリーディク大陸まで後数日だっけか?なにか楽しい事はねぇのかなぁ……」
特殊部隊「ブラッド・ラグーン」がルミナレア潜入作戦を発動し抜錨して4日、現在のところ目下ルミナレア王国があるアリーディク大陸に向かって絶賛航行中のオレは大いに退屈していた。
だってマジでやることねぇんだもんシカタナイネ(白目)
とまぁそんな事を言いつつも、さっきから何度もやっているM9の分解整備をまたやり始めた。
分解作業をし始めてから少しして乗組員の1人がこちらへ向かって走ってきた。
ん?なんか慌てているな。
「イルバーナ艦長!左舷側海上に人影です!!」
「は?何言ってんだムルヴィオラ少尉?海の上に人影?艦影じゃないのか?」
「違いますよ!本当に人影です!」
海上に人影だって?そんな事あるわけn……くぁwせdrftgyふじこlp!?!?
声にならない声をあげながら驚くオレ。
その視線の先には冗談などではなく、本当に集団の人影がこちらに向かって進んでいた。
「ファッ!?何じゃありゃ!?マジで人影やん!?」
「だから言ったじゃないですか!しかしあれは何なのでしょう?初めてみましたよ!?」
そんなんオレかて初めて見たわい!!
しかし海に人影、そしてここはファンタジー世界と来た。
その手の小説を読んでいたオレは考えた。
そう、少し考えりゃ分かることだった。この状況を説明出来るモノは十中八九一つしかないのだ。
「艦長!!見張り観測員より報告、「アレは魚人族です!
間違いありません!」との事です!」
「あ〜やっぱりか。よくよく考えりゃここファンタジー世界だもんな、そりゃ居るよなぁ魚人族くらい」
「あ!そうでした!忘れていましたがこの当たりは魚人族の縄張りです!この世界の人間は大抵必ず避けて通るんですよ!!」
納得していたオレはムルヴィオラ少尉の一言に耳を疑った。
縄張り意識があるとか聞いてないんですがそれは!?
「おいこらそれを先に言えよ!?めっちゃ重要な事じゃねぇか!!」
「す、すみません艦長!」
全く、戻ったら説教しなきゃならんな!
という半分冗談は置いといて、どうしたものか。
知らなかったとはいえオレ達は魚人族の縄張りを実質侵してしまった事になる。さて、どう切り抜けようかねぇ……。
「観測員より連絡!「魚人族からの発行信号です!内容は『航行中ノ大型軍艦二ツグ、直チニ停船セヨ。』です!」との事です!どうしますか?」
ぎ、魚人族が発行信号ねぇ( ̄▽ ̄;)
何か凄く場違い感が否めないがそれはこちらも同じなので気にしないことにしよう。
それよりも停船宣告か、こりゃどう考えてもこちらに非があるんだ、停船するしかないだろう。
「仕方ない。非があるのはこちらだ、停船しよう。機関室に連絡!機関一時停止!窯の火はギリギリまで小さくしろ!ただし絶対落とすなよ!」
「了解!『機関室へ通達!機関を一時停止せよ!窯の火はギリギリまで小さくしろ!ただし絶対に落とすな!』」
「「「「了解!」」」」
命令を出してしばらくすると艦は緩やかに速度を落としやがて停止した。
やがて複数の魚人族が警戒しながら艦に乗艦し、族長と思われる女の魚人族が艦長と話がしたいと言ってきたため大人しく前へ出た。
「アンタがこの艦の艦長かい?」
「はい。私がこの艦の艦長、ユート=K=イルバーナです。この度は貴方達魚人族の縄張りに侵入してしまい申し訳ありません。」
「ふむ、律儀なヤツだなイルバーナ艦長。アタシはシンディ、この魚人族の族長だ。
単刀直入に聞こう、アンタ異世界人だね?」
自己紹介と共に縄張りに侵入した事を謝ったオレは彼女の言葉に驚かされた。
魚人族ゆえなのか観察力が凄まじいのを実感するね。
「…!?ええ、そうですが何故それを?」
「なに、簡単な事さ。アタシ達の縄張りに入ってはいけないのを、この世界の人間はよーく知ってるからね」
「なるほど、そういう事ですか。ここに忘れてるやつもいましたが、どうりでウチの乗組員が皆震え上がってるわけですね。まぁ貴女達が何をしたかまでは分かりませんが。」
まぁ大体は察しがつくが、恐らく拷問まがいの事をして持っている情報を聞き出して口止めって所だろうな。
やり方はどうあれ、自分の一族が危険にさらされるような事を避ける為ならそれも一つの手段だということだ。
「それはそうだろう、なんせ我々の縄張りを侵した人間はそれ相応の対応をして来ているからね」
「仲間を守る為に、ですね?」
「ああそうだ。太古の昔から人の間では魚人狩りなんてモノがあるからね」
なんてこったい魚人狩りなるものがあるのか。違法奴隷がまだ出回ってるくらいだから当たり前なのかもな。
それを踏まえると警戒心が以上に強い事にもうなずけるな。
「なるほど、違法奴隷として売り払う為に魚人狩りをしてるということですか。」
「その通りだよ。おかげでアタシ達魚人族は元々の人口の半分を切ってしまったんだ……」
シンディ族長は消え入りそうな声でそう言った。その手は血が出るほどに固く握りしめられていた。
「…シンディ族長、一つ提案があります。聞いてくれますか?」
「何だ?まさかこのままアタシ達を捕らえるなんて思っているのではあるまいな?……」
まぁまず疑われるだろうとは思ったがそうなるか、相当酷い目にあってきたようだ。
しかしオレ達はそんな事はしない。
「確かに貴女達は種族の半分を失い、それでもなお狙われているかも知れません。ですがオレ達はそんな事はしませんよ、提案の内容ですがオレ達が貴女達魚人族を国に迎えたいと思うのですがどうしますか?」
「……それは本当か?」
「ええ、本当です。どうしても信用出来ないというのならオレを殺してもらっても構いません」
結構危ない博打に出たがそれで信用して貰えるなら安いもんだな。
実際のところシンディ族長は迷っていた。
「なっ…!?」
「「「「艦長!?」」」」
「さぁどうしますか?このまま自分の仲間が奴隷にされて売られていくのをただ指を加えて見ていますか?それとも最後まで足掻きたいですか?」
「…アタシは、アタシ達は!!」
とその時、シンディ族長の言葉を遮って襲撃のブザーが鳴った。
『CICに通達!前方に艦影あり!ガレオン型木造船です!ジョリーロジャーが確認出来たため海賊船と思われます!いかが致しましょう!?』
それもそのはず、その海賊船は魚人族にとって死神と同等に思えるほどの存在だった。
「ぎ、魚人狩りだ……!!」
「魚人狩り…?」
その光景は魚人族にとって、悪夢の再来なのであった……。
To Be Continued?