Episode_02 オレ、何故か艦長になる。
どうもお久しぶりです!
黒音でございます。
書いてるうちに何故かちがう方向に向かってしまった……orz
ですが安心して下さい!元に戻しますから!!\(^o^)/
という訳で絶望弱者第2話!
ゆっくりしていってね!!
※主人公の階級を元帥から大佐に降格させました。
後々考えてみたら最初から元帥なのはぶっ飛びすぎだと感じたので(;・∀・)
「おいおいマジかよ…!冗談キツイぜ……」
魔王アルヴェルト・イフリーディアが映し出した勇者の映像。そこに映る2人をオレは冷や汗をダラダラかきながら凝視していた。
「この2人のせいで、我が魔王国軍は深刻な被害を追うことになった。先のナギーラ平原沖海戦がいい例になるな。」
「そうね。お父様の言う通り先の海戦も含め、今までの海上防衛戦も虚しく勇者のおかげで、我が海軍は全体の三分の二が壊滅したわ。けど、その他にも過去数回に渡りお父様を殺害する為、王城も何度か攻め込まれているの。その度にロイヤルガードや近衛七魔将率いる暗黒騎士団が勇者と交戦、これをやっとの思いで撃退出来たものの、すでに数人の近衛兵や暗黒騎士団が戦死してまったのよ…… 」
oh......ナンテコッタイ、既に深刻なダメージ食らってるじゃないっスかヤダー。
まぁ現状はなんとなく分かったからいいか。
それより問題は対抗手段とアイツらの帰る手段だ。
現在のオレの服装は、通っていた高校の制服のまま。
防御力のヘッタクレもないただの制服だ。それに武器も無いからこのまま戦闘でもしたらオレは確実に死ぬということだ。
武器も無ければ防具も無い、それにこういう話ではよく能力があるものだ。
武器や防具は調達できるかもしれないが能力は別物だ。
それに能力の効果次第では綾香達を無傷で倒せるかもしれない。
そしてアイツらの帰る手段。これはまずアイツらがどうやってこちらの世界に来たのかを知らねばならない。
まぁコチラに来てる時点で召喚されてるのは確定なんだが如何せんオレが召喚ばれた魔法陣とは違う可能性もあるからな。
それらを含めて自分の能力をどうにかして確かめなくては……。
「なぁちょっといいかアル、この世界はステータスなる物は存在するのか?」
悩んだ結果アルに聞くことにした。
うんやっぱこの世界の人間から聞く方が早いよな!
「ん?ああそれなら「アレ」を使えば分かるぞ。アリス、すまないが持ってきてくれないか?」
「かしこまりました、すぐにお持ちしますね」
アルに紅茶と思われる飲み物を注いでいたメイドは、アルの言っていた「アレ」を取りに行く為に退室した。
数分後、戻ってきたメイドの手には澄んだ水色の水晶があった。
「コレは時歴探晶と言ってな。手を乗せれば自分の性能が分かる代物だ。原理に関しては聞いてくれるなよ…。」
「へぇ?そりゃ凄いな!原理のことは了解した。ではちょいと失礼して……」
手を乗せてから30分後、自分のスペックがだいたい分かったがオレの能力……考え方によってはえらくチートだぞ!?
「ユウト?どうしたの?」
「いや……ちょっと自分の性能に引いてた所だ……」
そう、オレは自分の能力を見て思わず自分で引いてしまっていた。
ちなみにオレのステータスを簡単に記すとこんな感じになる。
名前:黒瀬裕兎
種族:人間・???
能力:「 世界情報干渉 」「万物変換」
スキル
ガンスリンガー:EX
剣豪:A
機械弄り:A+
女神の加護:A-
語言理解:B
称号:異世界人・???
いやなんちゅう能力だよオイ!!
アレか!?神はオレに世界征服でもしろというのか!?
だが…………
「いける…!多分これならやり方次第ではアイツらだけでも元の世界に戻せる筈だ!」
「そうだな、確かにこの能力なら奴らを葬れるかも知れないな。救世主ユウトよ!君をこれよりイフリーディア魔王国海軍に配属する、なお階級は大佐だ。それと着任に伴い艦艇も2隻ほど寄贈しよう」
「What!?」
いや待って!?海軍に配属されるのは別に構わないがなんで階級がいきなり大佐からなんだ!?
オレ新人なのに階級が大佐とかおかしいだろ!?
とまぁこうしてぶっ飛んだ階級を背にオレは、元の世界に帰るまでの間イフリーディア魔王国海軍所属の軍人と言う立ち位置になった。
それから数日後。
オレは寄贈された2隻の軍艦の艦長になり、今は潜水艦「I-401」の乗務員の練度向上を目的としてオレ達とは別の海域を担当する艦隊と演習を行っていた。
そしてオレが乗艦し指揮しているこの艦艇。そうだ、艦名を見てわかる通り旧日本海軍の「潜特型伊号400型潜水艦の2番艦伊401」だ。
実はイフリーディア海軍の所有する全軍艦は、軒並み旧日本海軍の軍艦と現代艦で構成されていた。
アルいわく、「転生者の中に前世で艦船の設計をしていた者が居てそれをほかの転生者と協力して建造していったのではないか」との事だった。
これを聞いた時オレは心底驚いたと同時に元の世界にいた時にやっていた某艦隊育成戦略シュミレーションブラウザゲームを思い出し、少し感動を覚えていたのだがそれはまた別のお話。
「ああ、イ401か〜。そういや艦〇れで大型で狙って引いたのに着任したのがあきつ丸っていうなんとも言い難い気持ちになってたなぁ……」
って、んなこったァどうでもいいんだよ←
そろそろ相手を捕捉できる海域に着くはずだ。
「艦長、一時の方向に感あり。艦種は重巡洋艦2、軽巡洋艦2、駆逐艦2の哨戒艦隊ですね」
「分かった。総員対艦戦闘準備! 本艦はこれより、イフリーディア海軍第7艦隊所属の哨戒艦隊との演習に突入する!戦闘演習だからといって気を抜くなよ!!」
『了解!!』
そして演習は始まった……
~ ルミナレア王国・郊外 ~
「一匹そっち行ったよ龍司くん!」
「ああ!任せろっ!」
コチラに向かってくるゴブリンを切り倒し次の敵を見据えながら剣を構えた。
オレは坂本龍司、少し前まで普通の高校生だった。
オレと一緒にいる女の子、夏目綾香も同じだ。
オレ達は数週間前、魔王を倒す勇者として召喚されこの世界にやって来た。
オレはよく知らないが黒瀬の奴なら「異世界転移系小説にありがちな展開」とでも思っていたはずだ。
今頃元の世界のアイツは何をやってるのだろうか。
「これで全部かな?」
綾香が最後のゴブリンを倒したのでこの辺りのゴブリンはほぼ狩り尽くしたと思う。
「うーん、依頼の分の討伐は終わってるよ〜?」
「うっし!んじゃギルド行って報酬貰ってから帰るか!」
ギルドからの依頼でゴブリンを狩っていたオレ達は冒険者もやっている。
その為変える間際にギルドへ寄り、依頼の成功報告と報酬を貰いに行くのがほぼ日課になっていた。
「そうだね帰ろっか♪もぉお腹すいちゃった〜!」
「おいおいまた飲み過ぎないでくれよ?部屋の後始末大変なんだからな?」
この世界に来てオレ達の生活はガラリと変わった。
この世界では飲酒の年齢制限が存在せず誰でも酒が飲めるのだ。
その為ことある事に酒場に立ち寄り2人で(主に綾香が)酒を飲んでいた。
「ごめんね?お酒を飲んでると嫌な事とか忘れられるからつい飲んじゃうの」
「……そうか、ならせめて飲む量を減らしてくれよ?」
絢香はおそらく黒瀬の事を心配しているのだろう。
「うん!気を付けるね…」
彼女が浮かべたその笑顔はオレには何かをこらえているように見えた。
果たしてオレ達は元の世界に帰ることが出来るのだろうか?
その答えは魔王を倒すその日まで誰にも分からないだろう。
To Be Continued?