登場人物解説
本編読了後にお読みください。
登場人物解説
橘 美弥 (たちばな みや)
BLゲームに転生してしまった女の子。役割としてはゲーム本編に存在しないはずの〝メイン攻略キャラの姉〟という存在。ゲーム主人公と幼馴染。同高校に進学。
色素薄めで肩下までの長さの髪と柔らかな茶色の瞳。弟とはあんまり似ていない。
前世のことは、ゲーム以外あんまり覚えていない。ところどころ「あ、これ知ってる」「これ食べたことある」とデジャウを感じる程度。どうせなら数式とか覚えてたら良かったのに! と常日頃思っている。そんな彼女の成績は中の上くらい。数学が苦手。
運動はちょっと苦手な方、インドア派なので体力はあまりない。
高校では友達の誘いで新聞部に入る。が、あまり活動は真面目にやらない様子。どちらかっていうと図書委員会の仕事のほうが楽しい。趣味は読書。
性格はツッコミ体質、冷静沈着。割と大人しめ。物事を一歩引いたところから見るのが好き。でも直情的で思い込んだら一直線なところがあり、周りが見えなくなることも。
高校生になる前に記憶を思い出し、ゲームの世界という現実に理解が追い付かず、自分自身の存在理由すら分からなくなり家出を決行。トキヤに連れ戻される。
本人も自覚しているが、トキヤをはじめ家族に深い親愛を抱いている。
トキヤを良いルートに導こうと必死なので、周囲の思惑には気付いていない、というか気付く余裕がない。
前世の影響からかBLモノは好き。腐女子であることを自覚中。のめり込むほどではないが、友人ときゃっきゃするくらいは好き。好みはオヤジ×素直少年。普段は年上らしい包容力と余裕のある態度で翻弄するけど、ふとした時に見せる弱気な態度とか萌ゆるよねっ! 的な。
叶野 トキヤ (かのう ときや)
ゲーム主人公。黒髪、釣り目、いつも不機嫌そうな表情の高校一年生。
複雑な家庭事情でひねくれた性格、との設定ではあるが、本編では美弥のいる影響からか割と素直に育っている。ひねくれた、というよりもただ単に照れ屋なだけかもしれない。
皮肉屋で基本は無口。でも美弥のせいでツッコミ役。
両親の通夜の時に救ってくれた美弥に深く感謝していて、それ以上の気持ちを持っているが素直に言えない。けれども〝好きな子はいじめる〟気質ではないため、一応周囲に分かる程度には特別扱いしてきたのだが、当の本人はまったく気づかず。あまりの不憫さ&本人の隠れヘタレ気質に同中学出身の悪友たちから〝叶野トト〟なるものが流行り、いつになったらくっつくのか日々観察されている。ちなみに賭け金の半分はトキヤ本人にも入る(大抵は美味い棒)。
(そろそろコンポタ味飽きたんだけど →とっきゅんはそんなことよりみゃーちゃんにアプローチしてきなよ→ …………。)そんなわけでゲームとは違い友人もそれなりに居て、楽しそうで何より。
女子はちょっと苦手。見た目にキャーキャーされるから。
運動は嫌いではないが部活には入らない(集団行動は苦手なので)。勉強は努力の人なのでそれなりに出来る。
基本的には〝受け〟なので状況に流されやすいところがある。
普段、美弥がいない時の叶野家家事担当。料理は勉強中。
(→ 橘家母「これからのオトコノコは家事がちゃんとできないとオンナノコに振り向いてもらえないのよ~」→トキヤ「美弥、洗濯物取り込んどいたから。あと掃除は今日の朝済ませてある」→美弥「あ、うん、ありがとう……(あれ、私手伝いに来る意味あるのかな?)」)
両親の悲劇については、ゲームではトラウマレベルだったが、本作では周りの影響で笑って思い出話を聞けるぐらいになっている。美弥のおかげ。
それが良いことだったのか、崩壊の始まりなのかは誰も知らない。
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橘 弥白 (たちばな やしろ)
攻略対象キャラ。難易度は普通。中学三年生なので学校では会えない。選択肢さえ間違えなければすんなりルートに入れる。会うまでが大変。
昔からトキヤに恋心を抱く後輩ポジション。弥白相手だとトキヤは攻め。
メガネ着用。こげ茶ストレートの髪、柔和な顔立ち。ちょっと引っ込み思案な性格。トキヤを素直に慕う子犬。癒し。
……のはずなのだが、美弥の影響からか割と腹黒。
自他共に認めるシスコン。気付かないのは姉のみ。ただし恋愛感情はない。いまいち無防備な姉の周りを警戒してくれる忠犬。その関係でトキヤを一方的に敵視していたが、大人になるにつれトキヤの不憫さに笑……ではなく同情し協力者となる。
姉との関係は別としてトキヤは好きである。けれど小さい頃からトキヤの思いを知っているので、恋愛感情にはならなかった。
成績は常に上位。運動は苦手。音楽が好き。高校に入ったら吹奏楽部に入る予定。
ルートに入ると叶野家との固執、橘家の両親とのイベントがある。
橘家 母・父
母はいつもにこにこの美人さん。父は無口で影が薄いが、やるときゃやるお父さん。
実は政略結婚だったが、結婚後に穏やかな愛を育んだ。
母はよいとこのお嬢さまなのだが、世間知らずを自覚しているので勉強の為にレジ打ちのパートをしている。いつもにこにこ笑っているので職場の人間関係はいいらしい。お嬢様育ちなのにすごく料理上手。どうやら父のため猛特訓したらしい。得意料理は煮物。
父は普段おしごとなので非常に影が薄い。橘家の子会社勤務、課長、システムエンジニア。実力でのし上がったため仕事は出来る人。部下も慕ってくれている。
トキヤは良いコに育ってくれてほっとしているが、娘に対する想いは複雑。お嬢さんを僕にくださいイベントでは一発殴ってやろうと誓っている。
ゲームでは弥白ルートで登場、和成ルートでもちらっと出てくる。
なお実家とは疎遠になっている。叶野家の葬式でいいかげん嫌気がさしたらしく、母の実家の方が仲が良い。行事には渋々参加している。
叶野 和成 (かのう かずなり)
攻略対象キャラ。難易度は難しい。家族愛からいかに恋愛面で意識してもらえるかがカギ。
叶野トキヤを引き取った義理父。育てた人。ゲームでは若干距離あり、本作では距離なし。忙しい最中、自分の生活を投げてトキヤの教育に当てた男気のある人。教育方針は「基本放任、でも責任は取る」。料理はあんまり美味しくない。
小規模のデザイン事務所を経営している。自身も有名 (になりつつある) デザイナー。イラストや本の表紙等はもちろん、自身はインテリアやレイアウト等の空間デザインが得意。
喋り方、普段の態度は調子のいいおっさんだが、思慮深く落ち着いて優しい面と、仕事は容赦のない面もある。デザイナーだからかセンスがよい。だがたまに凡人には分からないセンスを発揮する。英語がペラペラだが、家族のため滅多に海外出張はしない。
隠れ漫画好き。デザイン事務所にはジョジョの全巻が揃えられている(職権乱用)。
運動不足解消にジム通いを続ける日々。
(→ 美弥(幼)「和成さんってかっこいいね!」→トキヤ(幼)「か、和成さんだって歳を取ったらお腹てっぷりになるよ!」→美弥(幼)「えーそんな和成さんはきらーい」→和成「Σ(゜Д゜)」)
橘家父とは酒を飲みかわし、将棋を指す仲。つまりそれなりに仲が良い。
トキヤの恋路は昔から知っていて、ほのぼの見守る。
ルートに入ると実家との固執、叶野トキヤの両親とのエピソードがある。
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同級生
トキヤたちと同じ高校にちゃっかり進学してるクラスメイト。実は攻略対象者。難易度は易しい。
髪を染めてツンツン立てたりとか見た目はチャラい。そしてモデルできそうなくらいかっこいい。オンナノコ好き。人気者でムードメーカー。でも場の空気はちゃんと読む。意外なことにバスケ部期待のエース。とっきゅん入部してくんないかなー。
中学時代からの知り合いで、孤立しがちだったトキヤをしつこく構い倒し、トキヤの心を開いてくれた人。高校でも友達のできない(笑うとこ)トキヤを構い倒して、周りに溶け込めるようにしてくれた功労者。良い奴。
叶野トトを始めたのはこいつ。なんだかんだお膳立てしてあげようと頑張っている(→ だってオレ高校一年の終わりぐらいって賭けてんだもん! とっきゅんには頑張ってもらわないと!)
親しい人間は独特なあだ名呼びをする。(ちなみにみゃーちゃんはともかく、とっきゅん呼びは周りの人間に浸透していない様子。良かったね、とっきゅん)
同級生(女)
美弥のクラスメイト。この人もちゃっかり同高校に進学(家から近かったんだもの!)
やっぱり中学時代からの同級生。ゲームではクラスメイトCあたりの位置づけ。
美弥よりもさっぱりした姉御肌。気紛れで猫っぽい。取捨選択をはっきりできる。白黒はっきりなヒトなのでうっかりすると敵も多くなりそうだが、美弥がうまい具合にカバーしている。口調とは裏腹に美弥を大事にしている。
高校では新聞部に入部。写真を撮りつつネタを求めて校内をうろうろ。美弥の貴重な情報源となる。(先輩のこと物知りだね! →アンタも新聞部でしょうが!)
トキヤとは顔見知り程度、あんまり親しく話したことはない。かっこいいなとは思っているが弥白のほうが好みのタイプ。
実は腐女子。美弥ときゃっきゃする。メガネ萌えなのでやっぱり弥白くんいいわー。
生徒会長(神凪 尊:かんなぎ みこと)
本作では登場しなかったが、ゲームのメインキャラ。
高校二年生、トキヤの先輩。桜の木の下でトキヤと出会い、彼に惹かれていく。
成績は学年上位、容姿端麗、スポーツ万能、家は財閥というチートキャラ。性格は俺様、強引、天上天下唯我独尊。俺様が楽しいこと大好き。面白そうなことは首を突っ込む。天は二物を与えないというけど絶対性格のほうを与えなかった。
だが人のことはちゃんと見ていて、誰かの為に動くことを躊躇しない。だからこそ人に慕われるのかもしれない。
実は人の目を見ると心が分かるという異質を持つ。心が読めるというわけではなく、考えていることをぼんやり感じることが出来る程度らしい。それでも他人に呑まれることなく強くあろうとする、精神的にも〝強い〟人間。
今のところ一番の恋のライバルかもしれない。誰のって、トキヤにとって。
先生
同じく本作では登場しなかったが、高校の教師。担当は英語。
攻略キャラの一人、美弥がファンの人。難易度は難しい。
イギリス人と日本人のハーフ。ぬぼーっとした外見と性格をしている。寝ることが趣味。ぼんやり、ほにゃらん、なごみ系。ちょっとドジっこが入っている。
年若く整った外見なので女子生徒に人気。冗談も通じるので男子にも嫌われていない。
一応先生なのでキリッてするとこはキリッてする。
歴史も好きらしく戦国時代のことになると話が止まらないという一面を持つ。
実は和成と同級生で高校のOB。学生時代はホストかよと突っ込まれるぐらいモテてたらしい。今でも時々酒を飲みかわしつつ愚痴を言いあう仲。
女性らしい人が苦手。化粧の匂いが駄目らしい。
ちなみにジョジョは第四部が好き。
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『re:once again』
「お前、綺麗な心をしてるんだな」
両親を亡くし、親戚からも迫害され心に傷を負った少年、叶野トキヤ。見るものすべてが灰色だった彼は、高校の入学式、桜の木の下で一人の男子学生と出会う。
顔を合わせるなりそう言い放った彼は、他人の心が分かるのだと言い、にやりと笑った。
「この世界が灰色だ? 笑わせる。それなら俺が、お前の世界に色をつけてやるよ――――」
孤独な少年は、加速する世界の中で何色を見つけるのだろう?
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どちらかといえば恋愛色よりも青春の日々を描く描写の方が強い作品。泣きゲー。
本編の他、本編後のストーリーを描いたファンディスク、番外編のドラマCDが発売されている。
さて、原作とは違いだいぶ心の傷が癒されている叶野トキヤは、どのような物語を演じるのだろうか。
これにて、ひとまずおしまいです。
もし続きを書くとしたら短編連作形式になるのだろうな、と思います。このメモでも分かる通り、ネタだけはポンポンポンポン思いつく人たちなので。
誤字脱字、気になる点、リクエスト等ありましたら教えて頂ければ助かります。
予想外の評価、お気に入り登録を頂きましてとても嬉しかったです。
ここまで読んで頂きまして、ありがとうございました!