中幕 ある神の反省
中幕 ある神の反省
エセル君が彼の出自を知って、どんな反応をするのかが楽しみだった。
はずなんだけど。
どうして私まで打ちのめされた気分になるんだい?
理解できないよ。
退屈しのぎのつもりでちょっかいかけただけなのに。
すっかりエセル君の調子に染まっちゃったな。
あんなただの馬鹿でお人好しで間抜けな人間に。
剣を捨ててまで私を助けに来たときなんか、ほとほと呆れたよ。
さらに、過去をやり直しているということも忘れていたようだし。
あぁ、もう、驚きの連続さ。
でも。
困ったな。
エセル君を泣かせたくないなぁ。
けどなぁ、このまま黙っているのも騙している気がするし。
何がって?
うん、まぁ、隠し事が少々あってね。というか、誤魔化していることが。
他の神族にお願いしちゃおうかなぁ。
たとえば、ヴァリア―ム風に言えば、時空の神フェルテーアか。冥王神ルゥトか。
何だって?
フェルテーアは、別の大陸にいっているし、ルゥトは忙しくて構ってられないだって!
まったく。何て仲間意識のない奴らだ。
私を怒らせたらどうなるか知らないわけでもないだろうに。
またまた何だって?
一人の人間を特別視するのは止めろだってぇ?
ふん。
一人じゃないもん。二人だもん。