〈第7話〉『決意の一歩』
王立クロフォード学園―――学園闘技場 一般観戦席
ティファとエルザの【決闘】当日の闘技場一般観戦席では学年、学科問わず、平民出身のティファとクロフォード家長女エルザのまるで下剋上の様な【決闘】の結末を観戦するため学園中の全生徒と言っても過言ではない程の人数で観戦席が埋まっており、ティファとエルザの【決闘】を観戦している。
そんな中、観戦席の最前列で他の生徒にはない異質な雰囲気を放ち周囲から距離を置かれ、ティファとエルザの【決闘】に見入っている3人組が居る。
その3人組は現クロフォード学園において、3英傑と呼ばれている生徒であり、それぞれが教官すらも公認する2つ名を有している。
3年剣術科主席”剛剣”のレオス・エリオット。
3年魔術科次席”魔法戦術”のアシュリー・アーヴァイン。
そして、エルザの兄にあたりクロフォード家始まって以来の才児であり、現クロフォード学園最強と謳われ、入学から現在の3年生まで他者の追随を受け付けず、学園入学時から当時の在学生すらも凌駕し、短期間で最強まで登り詰めた”不動の魔法砲台”のクラウス・クロフォード。
彼はその生まれ持った魔法才能から、聖皇歴始まって以来の【剣聖】の才を期待され、クロフォード学園入学後の1年間、バートレット領の剣術名門校に特別留学し剣の修練をしていた経歴もあり、現在ラングリッサ王国において、聖皇歴始まって以来【剣聖】の称号に1番近い人物である。
そんな3人が【決闘】開始直後からのティファとエルザの攻防に、一挙手一投足を見逃さない様に2人の【決闘】を観戦する。
「いやぁ、なんていうか、剣術科が【魔法防盾】ねぇ……。まさか、エルザお嬢も剣術科が初手で【魔法防盾】を使うとは思ってなかっただろうな。それに、なんだよあの超加速。あんな身体強化魔法も使えるのか……」
今まで一言も話さずに観戦していた3人だったが、レオスが唐突に言葉を呟き、ティファが【魔法防盾】でエルザの【炎の砲撃】防ぎ、その後【紫電】【韋駄天】の超加速で剣の間合いまで接近した事に、対戦しているエルザ、闘技場で観戦していた全生徒同様に、英傑と言われる3人も意表を突いたティファの攻防に目を見張る。
「そうねぇ。あんな超加速のできる身体強化魔法なんて私も見たことないわ……。あのティファニアって子面白いわね」
アシュリーはティファから視線を外さないまま、レオスの言葉に笑みを浮かべながら反応をする。
「それにしても、なんでさっき勝負を決め切らなかったんだ?お嬢も油断してたし、十分勝つチャンスあっただろ……。そのあとなんか話してたみたいだけど……」
双剣の連撃からの更なる追撃で、隙のできたエルザの【決闘クリスタル】を十分破壊し勝利できたはずだと、見す見す勝利を逃すティファの行動がレオスには理解できなかった。
「……。”お前の戦術を教えてもらっていて、その対策で【決闘】するのは今思えばフェアじゃない”だから”敢えて自分の手の内を晒した”、まぁ要約するとこんなとこかなぁ」
「うぇ、お前この距離でも口元の動き見えるのかよ……、こわっ……」
観戦席から武舞台までの距離はかなりある。
アシュリーはそんな距離すらも感じさせない程、ティファの口元と身体の仕草を見て何を話していたかを読解できる読唇術にも長けている。
「アシュが言う様に言ってたとして、正々堂々の精神は買うとするが、それは剣術科同士とか魔術科同士の【決闘】で成り立つもんだろ?でもよぉ、今やってる【決闘】は剣術科と魔術科だ。こんな【決闘】、始めっからどう見たってアドバンテージは魔術科にある。それを他人から対策やらを教えてもらったからって言って、自分より優位に立ってる相手に対して手の内を見せて、勝ち筋捨てるような真似するってのが、どうも俺にはよくわかんねぇなぁ」
レオスの言葉はティファの行動に対して、勝負を捨てている様に見え、3英傑の一角がそう思う程剣術科と魔術科の優位性は大きいものだ。
「そうねぇ、ティファニアちゃんがどんな考えでそうしたのかはわからないけど、私は別に嫌いじゃないけどなぁ~。ねぇ、クラウスはどう思う?」
隣で腕組みをして、レオスとアシュリーの会話に参加せず、視線を動かさず寡黙にティファとエルザの【決闘】から視線を外さないクラウスにアシュリーが問いかけ、レオスもクラウスの方に視線を向ける。
「……」
「やれやれ、我らが3学年トップは、可愛い妹君の【決闘】から目が離せない様だ」
アシュリーの問いかけに、無言のままの表情を変えないクラウスに対し、レオスがからかうようなことを言うが、クラウスは反応をしない。
「ハァ……。ま、あのティファニアって奴が正々堂々とやり合いたいって言うなら、こっから仕切り直してアイツ等の”本当”の【決闘】ってわけだ」
レオスは反応しないクラウスに溜息をつき視線を武舞台に戻す。
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(……。うちの手の内は見せた。アイツの言う通りあの時勝負を決めちょれば良かったとは思う……。ふっ、もし、ここから負けたら滑稽じゃな)
うちはそんなことを思い、一瞬笑みを浮かべつつ気合いを入れ直し正面のエルザを見据え、両手に握る木剣に力を入れ剣を構え再び戦闘態勢に入る。
うちが剣を構えたことを確認したエルザも杖を構え、自身の周りに魔力の光球を7つ発生させる。
お互いに構えを取ったまま、しばらくは手の読み合いをするのかとうちは思っていたが、エルザは動きの読み合いをするつもりはなかった様で、周囲の光球に炎を灯し攻撃を仕掛けてくる。
7つの光球が【炎球】に【想像】され、その内4つの【炎球】がうちに向かってくる。
うちは正面からの4つの【炎球】を左に飛び回避する。
だが、左に回避した先に、残り3つの追撃の【炎球】がすでに放たれていた。
「3発くらいなら!」
追撃の【炎球】を全て両手の木剣で薙ぎ払う。
(しまった!爆煙で視界が!!)
【炎球】を真正面から薙ぎ払った事で爆煙が生じ、一瞬視界が見えなくなってしまった。
「っ!ちっ!!」
薙ぎ払った際の爆煙が晴れ始めた時、薄れた煙越しにエルザが新たに放った【炎球】の赤い光球が現前まで迫っていた。
新たに迫りくる【炎球】に対し、うちは咄嗟に【紫電】【韋駄天】で後方へ回避する。
「くそっ!」
緊急回避のため、移動する距離を考えず咄嗟に発動させたため、後退しすぎない様に両手の木剣を武舞台の石畳に突き刺し、同時に両脚に力を入れ強制制動を掛ける。
(剣で捌き切れる程度ならとも思ったが……。爆煙で視界が塞がれて見えんようになる!そうなるくらいなら、あの【炎球】を避け続けて好機を探るしかない……か!)
エルザの攻撃を避け続けるために、脚に魔力を集中させ、常時【紫電】【韋駄天】状態を維持する。
だが、この時のうちの判断が、悪手になり後々自分自身を追い込んでいく結果になる。
(初手の【魔法防盾】とあんな超加速の身体強化魔法が使えるのは意外だったけど、所詮は剣術科!あの超加速の身体強化魔法にも欠点はあるはず!このまま【炎球】を打ち続けて追い込めば私の勝ちよ!私に手を上げた事とフェアで戦いたいとか、舐めた態度を取った事を後悔させたあげるわ!!)
エルザは【炎球】を放つ度、光球を発生させそれを【炎球】へと【想像】し攻撃の手を緩めず、ティファの超加速の弱点を探っていく。
ここからティファとエルザの攻防が加速していく。
⚔⚔
「いやぁ~、ちょこまかちょこまかとよく避けるねぇ~。お嬢に打たせ続けて魔力切れでも狙ってんのかね」
打ち払える程度ならと、3発の【炎球】を薙ぎ払ったが、爆煙で視界が塞がれたことで、ティファはエルザの攻撃を全て避け続けるという判断をし、ティファがエルザの攻撃を避け続ける事数分、レオスがエルザの攻撃を避け続ける目的を考える。
「それは無理よ。エルザお嬢ちゃんはあの歳で魔力量はクラウスとあまり変わらないのよ?使っている魔法も魔力消費の少ない初級のボール系、そんなエルザお嬢ちゃんの魔力を枯渇させるなんて無理よ無~理。ティファニアちゃんには頑張ってほしいけど、エルザお嬢ちゃんを負かすのはだめそうかなぁ~」
レオスの考えを聞いたアシュリーは笑いながら無理だと否定する。
「……。あの独自で考えて、習得したであろう超加速の身体強化魔法は中々に意表を突いていたが、如何せん魔力制御がお粗末すぎるな……」
今まで会話に加わらず黙ってティファとエルザの【決闘】を観ていたクラウスが、唐突に言葉を発する。
「それはしょうがないわよ。魔力制御は『魔法基礎学』で魔力循環の次のステップだし、魔術科以外で魔力循環自体できる生徒なんて、私は見たことがないなぁ。魔力循環までは出来る様になったけど、魔力制御までは間に合わなかったってとこじゃない?そう思ったらよく扱えてる方よ。クラウスは1年間バートレット領の剣術科に行ってたんでしょ?あの子みたいな生徒って居なかったの?」
腕組みをし無表情でティファとエルザの攻防から視線を向けたままのクラウスに、アシュリーが質問をする。
「……。記憶に無いな。学園の剣術科にしても王国の騎士にしても基本的に魔法が使えない者ばかり、たとえ魔力が有り魔法が使えたとしても、まず思いつくのが攻撃魔法の習得だ。身体強化魔法という考えには至らないだろう。一般的に前衛に立つ者に身体強化を施すのは魔術師の役目だが……。そもそも身体強化魔法自体が廃れつつあるしな……」
クラウスは表情を変えないままアシュリーの質問に答える。
「何で身体強化が廃れてるんだ?」
レオスがクラウスとアシュリーの顔を交互に見ながら疑問に思ったことを投げかける。
「身体強化をしたところで魔法をかけた前衛が、急に強化された肉体に振り回されて使い物にならないのよ。だから最近の魔術科でも身体強化魔法については深く教えたりしないわ。強化、強化って言うけど、結局のところ使いこなせなかったらそれは無意味でしょ?実際、過去の戦場でも身体強化魔法を掛けられた騎士が力を使いこなせずに自滅してた事ってよくあったみたいよ」
「でもよぉ、そんなもん普段からの訓練とかに組み込んで身体強化に慣らしてしまえばいいんじゃねぇの?」
疑問の答えを返してくるアシュリーにレオスが再び質問をする。
「無理だな。身体強化魔法を施す前衛の鍛えてきた肉体、戦技に”個人差”があるように、魔力を供給する魔術師にも身体強化魔法での”魔力供給”に個人差が出る。そう言った理由から受ける側、施す側にブレが生じ、前衛と魔術師間の身体強化魔法は難しいのではないかと考え直されている……。あの生徒も自身の身体強化使いこなせてはいない様だしな……」
アシュリーにされた質問をクラウスが代わりに答える。
「そうか?よく避けてるじゃねぇか」
クラウスの言葉にレオスが短く反論を返す。
「あの超加速をした後の足元、よく見てみなさいよ」
「足元?」
アシュリーに言われ、レオスは武舞台で【炎球】を避け続けているティファの足元に視線を向ける。
「ん~……、なんか妙に脚に力入れてるな……。無理矢理減速してる……のか?」
【韋駄天】で【炎球】を回避した後、無理に減速していることに気付く。
「そ、魔力制御ができない100%の身体強化しかできないから、ああやって回避した後に無理矢理減速しているのね。エルザお嬢ちゃんも馬鹿じゃないから、そこをもう見抜いて減速している隙を狙って【炎球】を放ってる。それに超加速した後にあんな力任せの急制動を続けてたら、いずれあの子の脚に限界が来るわ……」
レオスの気付きにアシュリーが、このままではティファの脚が限界を迎えると、ティファの置かれている状況を詳しく解説する。
「ま、脚に限界が来なくても、武舞台の場外まであと少ししかないし……。避けれなくなるのが先か、避け続けて場外まで追い出されるのが先か……。残念だけど、どちらにしてもティファニアちゃんの負けは濃厚かな」
【決闘】において勝利条件に【決闘クリスタル】の破壊があるが、これの他に【決闘】範囲である武舞台から出てしまう場外、意識不明による【決闘】継続不能と判断された場合の3条件がある。
「ふ~ん……、アシュがそう言うなら、結局この【決闘】は魔術科のエルザ嬢ちゃんの勝ち……か……」
少しでも同じ剣術科の勝利を期待していたレオスは、アシュリーの言葉にティファの勝ち筋がないことに残念そうな表情を浮かべる。
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「くっそ!!」
(さすがにもう【韋駄天】で避けた後に減速しちょることを見抜いて、その隙を狙ってきちょるな……!)
これまでの攻防で、うちの訓練着には【炎球】が数発掠めた跡が多数見受けられた。
そして、うちの脳内にはもう1つの懸念点が思い浮かぶ。
うちは一瞬だけ視線を武舞台の端までの距離を確認する。
(結構追い込まれてしもうたな……。どうにかして前に出る隙を見つけんと!)
徐々に武舞台の端まで追い込まれ、焦りから額に汗が浮かび、それが頬を伝って地面に落ちる。
(あと……、もう1つシンシアが言うちょった魔法戦技にも気を付けちょかんとな……)
うちは【決闘】3日前にエルザの対策をシンシアに聞いている中で、もしかしたら一番警戒しなければならないかもしれないというものがあった。
「しまっ!!」
この【決闘】の勝ち筋を見据える事に集中している間に、武舞台のあと1歩退けば場外負け、という位置まで追い込まれてしまっ状態で、追い打ちの【炎球】が迫っていた。
(どうする!もう後ろには逃げ場が……!!)
うちは焦りながら視線を左右、上下に動かし少しでも回避できる場所を探す。
(逃げ……場……?ふざけるな!どんな状況であっても負けることを考えるな、勝つことだけを考えて真っ向から!真正面から立ち向かえ!!)
うちはいつの間にか逃げ場を探し始め、いつの間にかマイナス思考になっていた自分自身に気付き、その思考を叱咤し、改めて気合を入れ直し遠くに居るエルザを真正面から見据える。
(よし!時間は思ったより時間はかかったけど、やっと武舞台の端まで追いやったわ!)
思惑通りにティファを追い詰めることができたエルザは笑みを浮かべる。
「対等な状況で【決闘】がしたいとか、甘いことを言っているからこう言うことになるのよ!この【決闘】私の勝ちよ!!」
エルザは7つの【炎球】を即座に【創造】し、武舞台の端まで追い詰めたティファに対し、止めの【炎球】を逃げ場を塞ぐ様に四方八方にすべて放つ。
【魔法防盾】で防御する可能性も考え追撃のため新たな【炎球】を【創造】し、ティファの様子を窺う。
回避しても負け、【魔法防盾】を使用しても【炎球】の連射による力技で魔力を削り切るつもりでいた。
だが、ティファはエルザと観戦していた生徒達が思ってもいない反応をする。
エルザは【炎球】が着弾する瞬間、ティファは回避、防御の選択肢を捨て超加速で自身へと前進してくる。
「なっ!噓でしょ!?」
【韋駄天】の超加速で前進してくるティファの後方に撃ち放った【炎球】が、武舞台の床に着弾し爆煙を上げる。
「このっ!」
エルザはティファのリアクションに狼狽えつつ、自分の思い描いた展開にならない事に、苦々しい表情を浮かべ、すでに【創造】していた追撃のために準備していた【炎球】を前進してくるティファを止めるべくすべての【炎球】を撃ち放つ。
「なんなのよこの子は!恐怖心とか躊躇いとかないの!?」
追撃の【炎球】にすら回避する素振りを見せず、一直線に自分の方へ向かってくるティファに驚愕する。
うちは向かってくる7つの【炎球】を目前に、一瞬だけ自身の決意した事に躊躇するが、意を決し両脚に魔力を全集中して、『決意の一歩』を踏み出す。
【韋駄天】で加速し前進した瞬間、うちに迫ってきていた7つの【炎球】が、うちの元居た場所に着弾し爆煙を上げる。
(よしっ!)
後方での爆発音を聞き【炎球】が武舞台の石畳に着弾したことを確認し、うちはそのままの速度でエルザへ一直線に向かって行く。
うちのアクションに慌てたエルザが追撃の【炎球】を全て放ってくる。
うちは迫りくる【炎球】軌道を冷静に見極め、【韋駄天】の速度を落とさないまま左右の最小限ステップに加え、前後へのステップも加えて回避していく。
この時、うち自身は気付いていなかったが、相対するエルザとこの【決闘】を観戦している生徒達には不可思議な現象が見えていた様だ。
(なんで!どうして当たらないのよ!!)
エルザ自身、向かってくるティファに直撃させる弾道で炎球】を連続で放っている。
だが、この時のエルザには狙いを定められないものが見えていた。
(ど、どういう事……?あの子が2人?いやそれ以上に見える!?)
エルザは今まで見たことのないティファが2人以上に分身して見える現象に戸惑いを見せる。
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「ね、ねぇ……、これ私だけなのか……な?ティファが2人?それ以上に見える時もあるんだけど……」
ミリアが目の前で起きていることに、サポーター席で一緒に観戦しているファーガス、エリノア、ヴィオラに尋ねる。
「い、いや……。俺にも見えてるよ……」
ファーガスの反応に残りの2人も首を縦に振り同調する。
「……。なぁなぁ俺、目が悪くなった……か?ティファニアって嬢ちゃんが分裂して見えんだけど……」
レオスが目を擦りながら、クラウスとアシュリーに自身の今見ている状況がおかしいのかと2人に伺う。
「いいえ……、私にも……というか、多分この【決闘】を観戦している生徒全員にも見えてるはず……よ」
アシュリーの言葉でレオスは、周りを見渡し他の生徒達もザワザワと騒がしくなっているのに気付く。
「……なるほど、先程までの超加速からの無理矢理な急制動での回避を止め、最小限のステップで回避する事によって残像が生まれている様だな」
「はぁ!?残像ってあんなにはっきり見えるもんなのか!?」
ティファの分身して見える現象をクラウスが自身の見解を語り、それを聞いたレオスは驚きの表情を浮かべる。
「残像がはっきり見えるのは、魔力循環で体外へ微量に放出されている魔力でよりはっきり見えるのね……」
アシュリーがクラウスの見解に、自分の意見を付け足しクラウスの見解の補足をする。
(この【決闘】……、攻め方を間違えればエルザの……)
エルザ優勢の【決闘】に妹の絶対なる勝利に安心して観戦していたが、ティファの剣術科と魔術科の攻防の定石を無視したような攻めに対し、エルザの焦っている様な状況にクラウスの表情が険しくなる。