河童
東京都内のある高校。夏休みも終わりに近づき、生徒たちは新学期の準備に追われていた。学校の古いプールは何年も使われていないが、近年の改修工事で再び使われることになった。
新しいプールが完成し、生徒たちは初めてのプール授業に胸を踊らせていた。だが、ひとつの噂が広まっていた。それは、「プールには河童がいる。見つけた者は帰ってこれない」というものだった。
プール授業の日、生徒たちは水の中に何か奇妙なものを感じた。水中で引っ張られるような感覚、そして誰かの視線。最初は気のせいだと思っていたが、クラスメイトの一人、直也が突然姿を消した。
直也の失踪は学校中の話題となった。直也は学校一の人気者でみんなからとても慕われている。赤に近い髪色がオシャレで女子からも人気が高かった。
警察も調査に乗り出したが、手がかりは見つからなかった。直也の親友、リナは真相を突き止めるために一人で調査を始めた。彼女は学校の古い記録室で、河童に関する伝説を見つけた。
伝説によれば、河童は人間を水中に引きずり込んで、その魂を奪うという。彼女は直也がプールの底に囚われているのではないか思い、夜中にこっそり学校に忍び込んだ。
リナはプールサイドへ向かうと河童を見つけた。小柄で青い体、鋭い爪、そして大きな口、そして頭には皿が乗っており、その周りは赤茶色の毛が生えている。リナは恐怖に震えながらも、直也を救うために立ち向かった。河童はリナに襲いかかろうとしたが、彼女は冷静だった。
(河童の弱点はお皿だったはず…)リナは武器の代わりとして持ってきたモップを振り回し見事河童の皿を叩き割った。河童は悲鳴をあげてみるみるうちに砂に変化してしまった。
翌朝、リナは意識を失ってプールサイドで発見された。リナの腕には河童のつけた爪痕が確かに残っていた。プールの水は再び静かで透明になり、もう河童の姿は見えなかった。
残念なのは直也のことだった。リナは河童を倒せば直也が戻ってくると思っていた。しかし直也は帰ってこなかった。プールサイドでは数本の赤に近い綺麗な髪が風に舞っていた。




