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もしも願いが叶うなら〜No pain, no life〜  作者: 月影弧夜見
第10章:激震! 勇魔最終戦争!
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終われぬ理由(わけ)



 ———立ち直った。

 この光とエネルギーの渦の中、それでも俺は立ち直った。



 そうだ、元から想いが折れれば同じだった。

 俺の全ては剣。この感情は刀身にして、煮えたぎる烈火の如く。


 俺の剣は、俺の確固たる想いがあってこそのものなのだから。


『耐え……きったか』


「ああ、耐えてみせたさ。

 ……どれもこれも、全部俺の仲間達のおかげだ。


 お前のおかげで再確認したよ。俺は、俺と共に歩んでくれる仲間がいてこそだって」



『……そうか。

 余が捨てたものを以て立ち向かわんとするか、今代救世主よ』



 捨てた……もの?

 魔王が捨てた、だって? 仲間、家族、友人———それ以外にもいるはずだろ、共に歩む者が。



 ……いや、待て。

 そもそもコイツ———なんで俺たちに戦いをふっかけた?


 なぜに全世界に宣戦布告をした? それこそ、自殺宣言もいいところだろうに。






 ———そういう、ことか。

 自殺宣言———言葉に違わず、やはりそう言う意味ということなのか。



「なあ、魔王。

 …………お前、一体何のために戦っているんだ?」


『何のため、とは?』


「そのままの意味だよ。


 俺は———そうだ、俺の帰りを待っている仲間のために戦っている。


 救世主の使命がどうとか、昔の自分の贖罪がどうとか……そんな英雄的なことを考えているわけなんか、微塵もない。


 でも……やっぱり分からない。お前が何のために戦っているのか、何のためにここにいるのか。


 お前の譲れないものは、何なのか。それを聞いておきたい。


 ———お前を斬り捨てる、その前に」



 そう言うと、魔王はどこか小馬鹿にしたような薄ら笑みを浮かべた。


『ふ———はは、ふふははははは!!!!

 酔狂、酔狂! 実に面白いじゃないか、救世主!


 今までの余を見て、貴公は気付くことはなかったと!』


 ———馬鹿なのか、そんな簡単なものもわからないのか、と嘲る高笑いが響く。


「……分からない。だから、教えてほしいんだ」


 まだ気付かないのか、と煽りを入れているのか。


 ……気付くわけねえだろ、なんたってお前は言ってないんだからな、お前の大切な———、







 いや、本当にそうなのか?

 本当に、お前にはないと言うのか?


 俺の先祖なのに? 世界を救う使命を、その(神技)に秘めて生まれた、救世主だってのに?




「———ない、ってのか?


 まさかお前には……何も———」



『は……ははははは! ようやく……ようやく気付くか救世主よ!


 そう、そうさ、もはや余には何もない! 1000年前、娘を失った時より、もはや何も無くなった!




 ……だが、今更その事実に気付いてどうする?


 同情でも浴びせるか? 『救いたい』などと言う、身勝手にして不可能な理想論でも振りかざすつもりか?』


「………………いいや」


『ほう?』






「俺が知りたかった理由はな、その想いも決意も何もかもを知り、理解し、そして全てを斬るためだ。


 俺にはある。譲れないものも、絶対に失いたくないものだって。


 だから、お前にだってソレはあるんだろうと思っていた。どうせ、意地と信念のぶつかり合いになるって、俺はそう踏んでいた」


『……』


「だからこそ、斬り伏せるならその想いごと、だ。そう考えていたんだよ、俺は。





 ———でも、それが()()ってんなら、話は違う。


 






 何もない、空っぽのお前なんぞに。








 俺は。負けない」


『言うではないか、救世主…………っっ!!』


 今の言葉が、火を点けた。

 俺の心にも、魔王の心にも。



 でも、これで一切合切、全てが決まる。

 互いの心に火は点いた。あとは、燃え残ったカスまでを全て燃やし尽くすのみ。


 この魂、この心、この命、この体。

 その全てが……俺の剣だ。

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