第三神話、永劫三千世界
『創世天地/開闢神話。
第二神話、異界幻想顕現……それすらも凌駕してみせるか、救世主よ』
……まっずい。
こっちはただ吹き飛んでるだけだってのに、あっちにはダメージはないどころかまだ何か言ってやがる……!
『ついに、か。
我が神技、我が創世武装、その第三神話を見せる刻と来たか。
故あって、コレを見せるのは貴公が初めてになるが……しかしコレを拝めることを光栄に思うが良い。
我が第三神話———、
———永劫三千世界を』
「は———おい、おい、何なんだそりゃあ……!」
浮遊法で何とか体制を立て直す。———が、その魔力がどうにも足りない。
というか……そうだ、魔力がナニカに置き換えられている。
ソレを体現するかの如く、西の空に浮かぶは———明らかにこの世界のものとは思えない、蒼碧と黄昏の折り入った『異界』であった。
分かる。若干ながら説明できる。今俺も、その『異界』の空気に入り込んでいるのだから。
あの『異界』とここでは、世界の常識から何から何まで違うっ!
『我が銀河よ、来たれ。
今ここに、新たなる歴史を、新たなる史実を、新たなる世界を創り出そう。
故に———創世天地/開闢神話。
新たなる世界、新たなる天地、新たな神話。
その全てを創生するは、我がガイア・コンソール第三神話、永劫三千世界!』
は……? は……? ごめんやっぱり何も分からねえ。
何、何だよアイツ、何言ってんだよ、意味が、スケールが、分かんねえよ……!
『自己境界、自己認識、自己概念再定義。
空想宇宙超加速開始、主観時間———3兆倍に倍化』
———星ができ、文明ができ、また滅び行き、その全てが記録されてゆく。
加速の果てに世界は収束し、その先に何も残らない無のみが『在る』。
その『在る』『無』なる矛盾した存在を掴み、魔王はソレを自らの身体に取り込んでしまった。
———最高に、意味が分からない。
『———貴公よ』
「———」
『立ち向かえるか』
「っ…………はは」
あまりにもデカすぎる。もはや何が何だか分からない。
唐突に始まった宇宙は、ゆるやかに終わりを迎え、そしてすぐにその概念が取り込まれた。
今の一瞬で、世界が始まって、そして消えた?
アホか? 意味が分からない。
遊び終わったおもちゃを、いとも簡単に壊すように———さもお遊戯かの如くソレをしやがった。
立ち向かえるか、だって?
そんなの、無理に決まってる。
スケールが違う。存在の規模が違う。生命体としての格が違う。
無理に決まってるんだ。
あんなの、なんかもうどう見たって絶望だ。
何をどうすれば勝てる? そもそも俺はダメージ一つ与えられていないだろ?
何なんだよアイツ、もう既に宇宙まで取り込んでしまってるんだろ? 勝ち目は? そもそもコレは勝負なのか?
あんなことができるのなら、俺の命だって掌の上ってわけだろ?
何なんだよ、俺の先祖———だか何だか知らないけど、アレが人間なわけねえだろ。
……いや、魔族ですらないと思う。もはや神というか、神をも超越した———。
———絶望、じゃないか。
……でも。
———でも、だ。待ってる人がいる。
俺の帰りを。俺の救いを。俺の勝利を。
その全てにかけて、俺は———きっと、ここで終われはしないんだ。
「ああ———そう、だな。
万に一つも勝ち目はないかもしれない、でも…………信じてみせるさ。
俺の全て。
俺を待ってる、みんなの想い。
その全てにかけて、お前を———倒すっ!!!!」
『———ほう。言うではないか、救世主。
では…………いよいよ本気と行こう……ここまで昂らせてくれたのだからな……!
第三神話、空想宇宙を創生し、その終わりまでを記録した『無』を取り込んだまま放つ、第四神話———ガイア・コンソール、その最後にして最大の究極奥義。名を———、
第四神話———|星の鼓動、乖離せし地の理ッ!!!!』




