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もしも願いが叶うなら〜No pain, no life〜  作者: 月影弧夜見
第10章:激震! 勇魔最終戦争!
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魔王、降臨

『久々に、人の面を拝んだものだな。

 ———いや、つい前にも見たものは見たな。



 ……しかし、いや…………ここまで来てみせるとはな、勇者———いや、




 救世主(セイバー)よ』


 紫の鎧に身を包んだ、騎士王の如き男は、その重い腰を玉座より上げる。

 同時に、その鎧の背中部分が抜け落ち、鎧に接着されていたマントも床に散乱する。


 ———見つめられている。見定められている。

 この命、この魂そのものを。


『魔王———いや、真名……()()()()()()()


 魔族の王として、またかつての救世主(セイバー)として、貴公に決闘を申し込む』 


 アベル……セイバー?!

 ちょっと待った、セイバー……だって……?


「まさか、お前……!」


『そう、余と貴公には、同じ血が流れている。

 正確に言うならばそう、余は貴公の———遠い先祖よ』



 おい、おいおいいやいや待てよ、おかしいだろ?! 何で俺の先祖がここにいて……つかなんで生きてんだよ、寿命はどうした寿命は!


『———真名を名乗れ、異邦の救世主よ。


 なに、概念法術を警戒しているのならば、その心配はせずともよい。貴公の概念を操ろうにも、その術式を作るのには3日かかる』



 ……いやいやいやいや、視点がヤバいよ。俺はそんなもん微塵も警戒してない、どころかただ名乗るのを忘れていただけだっていうのに、急に術式の話なんか始めやがったよ……!



 ———コレがアレか、神域とまで呼ばれた魔術師の視点ってわけか。……きっとその考え方から、何から何までサナやコックと違う。



「真名、アレン・セイバー。今はそう…………



 白、と名乗らせてもらう」



 勝てるのか、俺。

 こんな……もう既に化け物と分かった相手に。



『そうか。今はそのような名、か。



 ……来るが良い。言っておくが、余の前には『オールマイティ』は通じんぞ』


「そうか、ご忠告……ありがとうってとこだっ!」



 ヤツからは動かない。ならば、俺から乗るしかねえ!

 いつまでも動かないわけにはいかない、仕掛けてみせる……!


 ———だが、一撃目は回避される。その攻撃をマトモに喰らうわけがない。

 故に考えるのは、常に二手三手先。


「ふっ———!」


 刀を振り下ろした瞬間、そこに魔王の姿はなく。

 しかしその一瞬、俺は胎動する魔力の波を読み分ける。

 どこに来るかは、分かっている。しかし———、



「んっ!」


 体を右に逸らした瞬間、俺の左を閃光が貫いた。

 マトモに食らえば、体は消し飛んでいた。







 ———はずだったが、俺の体を守ってくれたのは、アルビオンアーマー。

 こんな早くに、使い物にならなくなってしまった。


「ちっ……くしょうっ!」


 魔王がその右腕に持っていた武器———ソレは槍。

 その槍より出でた聖なる光が、俺の体を焼き尽くさんと迫っていたのだ。


「っぶねぇっ!」


 その光を避けた瞬間、既に体は攻撃体制へ移っていた。

 捉えるは、その体。

 見えている。が、見られている。



 ———いや、むしろ先に———俺の行く先を、既に目で追っている?!


「まず———、」


 反射的に爆発魔術を使用し、その場から距離を置き飛び上がる。

 瞬間、俺のいた場所をまたさらに閃光が過ぎ去った。


 閃光っつーか、ありゃビームだ。槍からビームなんぞが出てやがる、しかも常に!


「デタラメすぎんだろ……っあ」



 ———だが、誤算だった。

 そうだそうじゃないか、飛び上がれば姿勢制御はおろか、マトモに落下位置を変えることもできない。


 故に…………格好の的だ。

 




 ———だがしかし。こちらを既に見つめていた魔王の眼は、笑っていた。

『まだできるだろ』、そう言わんばかりの期待の眼差しが。



『———その、程度か』



 答えてみせるさ。




「そんなわけ……ねぇだろおおおおおおっ!!!!」

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