表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もしも願いが叶うなら〜No pain, no life〜  作者: 月影弧夜見
第10章:激震! 勇魔最終戦争!
66/88

激震オリュンポス

◆◇◆◇◆◇◆◇

********


 一方その頃。

 浮かび上がり、空島となった王都唯一の鍛冶屋では、ある作業が行われていた。

 センと、その祖父であるスザクと、王都きっての鍛治職人、クイルによる共同作業。



 その作業とは、『アルビオン・プロテクト・アーマー』の概念修復、及び最終決戦用調整であった。

 センの祖父であるスザクは、アーマー自体のガワの修復、及び塗装。


 クイルとセンはそれぞれ、魔力回路、付与概念修復に明け暮れていた。



 純白にして、白銀の鎧は完成しつつあり。『神威』なる白だけの概念武装に合った仕組みはできつつあり。


 白にとって、最善の魔力回路建造方式、隠蔽された概念の奥底、隠された概念武装でもある『エクスカリバー』の修復完了も、間近に迫っていた———。







◆◇◆◇◆◇◆◇



 そしてその頃、トランスフィールド。いくつもの小さな諸国から成り立つ東大陸最悪の戦争地帯。


 東大陸中央に眠る、伝説に語り継がれた『ムゲンエナジー』を求めて、数百年戦争続きの地帯だったが、この時は違った。


 それは、先に攻めてきた魔王軍の来襲により、その諸国のほとんどが手を結んだ、という点にあった。


 事実、白たちがカーネイジと争っている際にも、彼らはすでに力を合わせ魔王軍を撃退していた。


 そんな彼らは、人界軍の襲来に驚きはしたが、その中にいる人間を見ればすぐさま打ち解けてくれた。

 ……『火薬草原』などという最悪の異名が、まるでなかったかのように。









◆◇◆◇◆◇◆◇



 帝都オリュンポス。

『機神』なる、人とは一線を画した本物の『神』の住まう都にして、東大陸に1つ浮かぶ浮遊神殿要塞。


 その地下深くにて———。



()()()は、動き出したか」


 暗い、配線に塗れた部屋にて、男……いや、カミの一柱は呟く。



「アフロディーテ、オリュンポスの高度を上げよ。あの魔槍は、こちらにとっても厄介な物だ」


『しかし……一発目の着弾は免れないかと……』


「構わん。転移術式に失敗し数多く被弾するよりは多少良い。そのまま高度を上げよ」


『承知いたしました』



 この出来事には、あろうことか『カミ』すらも騒然としていた。

 なぜなら、星を貫く魔槍が、神殿要塞都市山オリュンポスに11基も降り注ぐのだから。


 ここをピンポイントに狙った、11基もの星を砕く魔槍。それほどまでに、魔王はこの帝都オリュンポス———および、そこに住まう『カミ』を危険視していたのだ。




 しかし例の魔槍、創世天地/開闢神話(ガイア・コンソール)と言えば、あの、アテナ・()()()を一撃で堕としてみせた魔槍。


 どれだけ強固な魔力障壁、神力障壁であろうが、その魔槍の前には同じく無力に等しい。


「我々すら凌駕しつつある術式とは……貴様ほど出鱈目な者が他にも存在するとはな、()()()()()()()よ」



「今は、()()()()()()()()()、でございます、主神よ」



 主人———オリュンポスを統べる全知全能とも言える、雷の機神ゼウス。

 そのゼウスがここまで秘密を共有するその男の名は、カイン・セイバー。


 しかしその偽りの名は…………かの魔王軍幹部、『ダークナイト』であった。


 ———そう、ヤツは生きていた。どころか、あろうことかオリュンポス側に付いていた。


「捨てたのではなかったか、その名は」


「いいや、昔の名はあまり忘れないものでして、特に、2()()()()()()()は」


「エターナルは順調か」


「……主神よ、今はそれどころではないのでは?」


「そうだな、まずは()()()を殺す事に集中するとしよう」



 地が震える地響き。

 西の空には、既に地獄の赤模様が広がっていた。


「黄昏時は……終わりを告げる……か」





 そして王都にて、白たちは———。


◇◆◇◆◇◆◇◆

********






 ……トランスフィールドの人たちの受け入れは、順調に進んでいた。

 あっちの人たちは『サイドツー』なる妙な人型の大きな機械を連れてきてはいるが、そんなの()には関係ない。



「直上に超巨大魔力反応確認、間違いなく、ガイア・コンソールです……! どうか指示を、マスター」


「指示を……つったって、また転移すればいいだけじゃ」



「既知座標に転移するか、ランダム転移のどちらかです。お選びを」

「既知座標で。前の王都の場所へ」

「承諾。座標認識、改竄……」



 景色は目まぐるしく変わる。

 ……消し炭にされてあの世に送られるよりマシだが。



「…………ハッ、衝撃に備えてください、マスター! 転移する数秒前、こちらにも一基落ちていたよ…………うです……!」



 窓から覗き見えた外の光景は凄まじいものであった。

 墜落したと思われる光の断裂層に吸い込まれてゆく全ての物質。


 風と共に、全てが揺られ落ちてゆく。

 まるで地上にぽっかり、何もない虚無の穴が空いたかのような凄まじい光景。


 魔族のものであるが、まさに神の芸当。

 天罰、と言われても差し支えのない威力であった事は当然だろう。


 へこみ切った地面より噴き出す赤い液体。

 ……おそらくマグマ、というやつなのだろうが、まるでこの星自体が血を流しているかのような壮大さだった。





「マスター、私の残存魔力量はもうすぐに尽きます……後はアルビオンアーマーの完成を急ぐのみ……魔王軍の残党にご注意を……」


「あ、ありがとうコック。お前は十分よく戦った。後は俺が……」


「ありがたきお言葉です、マスター。私は少し休ませていただきます」


 墜落する飛行都市。

 しかし幸いにもその衝撃は少なかったが、場の全てのものに衝撃が走ったのは、次の兄さんの一言だった。









「…………来る。もう1基、あの魔槍が」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ