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終着、東京駅

「ハイパーこまち」は、定刻よりも遥かに早く、東京駅のホームに滑り込んだ。


 ホームには、竹警部を先頭にした捜査員が待ち構えていた。頭取の指示で、列車内での自白映像は既に警察に送られていたのだ。


 山城は、抵抗することなく、捜査員によって連行された。


「総裁。ご苦労様でした。そして、ありがとうございました」


 頭取は、総裁の肩に手を置き、深く感謝の意を表した。


「これで、カオルくんの無実も完全に証明され、北急の危機は去りました。そして、2000万円の保釈金も、近いうちに裁判所から戻ってくるはずよ」


 総裁は、安堵と達成感で胸がいっぱいになった。


「これも全て、頭取のお知恵と、ワタクシの信頼する鉄研水雷戦隊の結束の賜物であります!」


 総裁は、その場にいた御波、詩音、ツバメ、華子、そしてカオルに向かって、大きく敬礼した。




 その数時間後。北急電鉄の臨時株主総会が、東京品川のホテルで開催された。


 会場には、グローバルワークキャピタルの弁護士である東郷徹郎、そして越山銀行頭取の山崎、つつじHDの重役はもちろん、他にも多くの個人株主が詰めかけていた。


 そして、北浜共立銀行頭取、山本理華が登壇する。


「株主の皆様。この度、北急電鉄を巡る一連の事件の真相が明らかになりました。今回のTOBは、北急電鉄が持つ日本の未来の技術、EHR-400Xを不正に略取するための、悪質な犯罪行為であったと断言いたします」


 頭取は、山城の自白と、越山銀行がホワイトナイトとなったことを報告した。東郷は、顔を蒼白にしている。


 そして、頭取は、北急電鉄の未来について、熱く語り始めた。


「確かに、北急電鉄の周遊列車事業は非効率かもしれません。しかし、それは効率という名の鎖に縛られた現代社会において、人々に自由な時間と夢を提供する、唯一無二の価値です。鉄道は、単なる移動手段ではない。地域と地域、人と人との心を繋ぐ、生きた動脈なのです」


「EHR-400Xも、単なる高速鉄道ではない。それは、北急電鉄が持つ技術への情熱と、未来への挑戦の象徴です。私たちは、この挑戦を続けることで、日本の鉄道の歴史を塗り替え、社会に貢献します」


 頭取の熱弁は、株主の心を揺さぶった。利益だけを追求するグローバルワークキャピタルの主張は、犯罪行為と夢を失った技術顧問の裏切りによって、その力を完全に失っていた。


 総会は、頭取の主張を全面的に支持する形で終結し、グローバルワークキャピタルのTOBは、事実上の失敗に終わった。


 北急電鉄は、山本理華頭取という最高のホワイトナイトと、エビコー鉄研水雷戦隊の絆によって、救われたのだ。


 

「これでようやく揺れないベッドで眠れる……」

 総裁は息を吐いた。

「いくら豪華列車ばかりとはいえ、ここまで連続するとね」

 御波もうなづく。


 そこに華子がやってきた。

「JR東日本さんが、今回のすばらしい働きに至極感服したので、みんなをトランスイート四季島の今夜からのツアーに招待するってー! キャンセルが出たのでそれで北海道東北2泊3日!」


 総裁と御波は、震えて言った。


「ごめん、すごくうれしいけど、今夜は、無理」

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