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空戦活劇 スカイスライサーズ  作者: 楽土 毅
第2章 犇めく海
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第28話 三騎当千

 前を行くガノン、ユールの背を追いかけながら、ジャスミンは考えていた。

 もうガノンにあのときと同じ思いはさせはしまい、と。


 前方からやってくる五騎のガルダ乗り。一人一殺でも足りない。それにこの五騎の後ろからもさらに後続がやってくる恐れがある。この戦闘に無駄な時間をかけてはいられなかった。


「私が一人で二騎墜とす。お前らは二人で三騎墜とせ」


「ん」


 ユールの指示に対し、ジャスミンは気のない返事で答えたが、命令には違わなかった。交錯する寸前に散開し、まずガノンが敵の先頭のガルダ乗りの胸を小銃で打ち抜くと、45度角で宙返りして次は敵の最後尾ガルダ乗りの背後をとり、その腹を二発目がえぐった。


 あまりの手際に驚いたのは敵のほうだ。呆気にとられる残りの敵機をユールが一気に切り捨てていく。

 これ私いらなくね? と思いながらジャスミンは海に落ちていく敵を半眼で眺めていた。


「お前なぁ、自分で命令しといて一人で三騎もやってんじゃねぇよ」


「すまない。思ったよりも敵が弱かったんだ」


 再び一列に戻りつつユールが答えた。ジャスミンは睨むようにして、


「で、どうすんだ。まだ進むのか。船からは結構離れちまったが」


「難しいな」


 ユールはしかめ面で続ける。


「今のは我々をおびき出すためにあえて弱い五人を先行させたのかもしれない。しかし、本陣を叩かないとキリがないのは確かだ。特に前方は航路確保のために敵は排除する必要がある」


 さすが場慣れしているだけあって、考えるべき点はすでに洗い出せているらしい。しかし、結論を出すのは難しいだろう。敵の戦力がどれほどなのかもわからない状況なのだから仕方あるまい。


 迷っている時間はなかった。ユールが口を開く。


「本陣を叩こう」


「了解です」


 ガノンは冷静な声で答え、スイミーに速度を上げさせた。背後のアムール号がみるみる小さくなっていき、やがて闇に没した。


 退路は立たれた。もう進むしかない。

 一体どれくらい飛び続けただろうか。やがてガノンが、「見つけました」


 前方に三隻の船が見えた。いずれもアムール号より一回り大きい。予想以上の戦力差だが、恐れはなかった。むしろ今のうちに叩けてよかったと思ったくらいだ。


 向こうもこちらの存在に気づいたのか、先頭の真ん中の船から何騎ものガルダ乗りが飛び立ち始めた。応戦する構えだ。


「ガノンは左の船、ジャスミンは右の船だ。真ん中は私がやる」


 一人で一隻という命令に誰も異を唱えなかった。少なくともジャスミンには的確な判断だと思えた。


「ん、りょかい」


 ジャスミンは言われたとおり右の船に向かっていく。


 これだけの規模の船なら一人で潰した経験はある。問題はその船にどれだけのガルダ乗りが乗っているかだ。


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