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空戦活劇 スカイスライサーズ  作者: 楽土 毅
第2章 犇めく海
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第20話 スパルタ指導

 ジャスミンたち鳥竜騎士団一同にドリアーナを加えて、船――船名アムール号――はグラナダ島を出港した。これから船は、残りの騎士団員たちの乗るヴィルキス号と合流するべく、サンミニストへと向かう。


 その到着までに、ジャスミン隊の連携を固めておくことは急務とされた。

 とは言っても、四人での連携など今日明日で固められるものではない。仕方ないのでとりあえず、比較的汎用性の高い二人ペアを二つ作る形での空戦隊形を採用した。


 ペアの構成は、ジャスミン&ティータ、ガノン&ノックの組み合わせだ。


「いいか、基本的にティータは私の後ろ、ノックはガノンの後ろに張り付くようにして食らいついてこい。とりあえず最初はそれだけでいい。敵を倒そうなんて考えるな。まずは空戦てのがどんなものなのかを知る必要がある。銃の使い方を覚えるのはそれからだ」


 船の三階にあるガルダ待機室にて。ジャスミンは、ジャスミン班の班員であるガノン、ティータ、ノックの三人を集め、そう切り出した。


「う、後ろにつくってのは、どのくらい近くですか?」


 ティータの質問にジャスミンが答える。


「できるだけ近くだ。三メートル以上間を開けんな。仮にその約束を破ってお前らが死の危機にさらされても、そんときゃ知らねぇ。自己責任だ」


「う、マジですかぁ……」


 早くも顔を青ざめさせているティータとノックの顔を見て、ジャスミンはその反応を楽しむかのようにニッと笑った。


「そう難しいことじゃねぇよ。それに、逆にそれさえ守れば命は保障してやるって言ってんだ」


「そ、それは大変心強いでござりまするでそうろう」


「お前の喋り方むかつくから少し黙ってろ」


 ノックに向かって無碍もなく言い放ち、ジャスミンは続ける。


「じゃあ今から実際にやるぞ。スピード上げたり下げたりの緩急機動、旋回とか宙返りとかも加えていくから全力でついてこい」


「はい!」


 ティータが元気よく返事するなか、ノックは食いしばるように口を真一文字に閉じている。「おい返事しろよ、その口は飾りか?」とジャスミンが睨みをきかすと、「えぇ⁉ は、はいでござりまする!」とノックは慌てて返事する。


 ジャスミンはカタパルトで待機するラッキーの背に乗り、ゴーグルをはめた。ゴーグルは視界が狭まるので戦闘時にはあまり使わないが(人によっては使う人もいる)、ゴミや水滴が目に入ったりしないので、ただ飛ぶだけなら重宝する。


 ジャスミンは天井から垂れ下がるロープを引いた。するとラッキーの乗る丸太がガコン、という音の後に爆発的に加速してラッキーを海上に勢いよく射出する。


「すげぇこと考える人がいるもんだな」


 自分では千年生きても生み出せないであろう技術を体感し、ジャスミンは感嘆の声をもらした。


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