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念願の再開と災厄の悪魔

ゲートの先は

白で統一された部屋

剣や宝石、装飾品、なにかの骨

いろいろなものが飾ってあり

宝物庫のようになっていた。


『私はお茶のご用意をしてきますので

しばらくお待ちください。』


フォルネウスに促されソファに座る


また日の光が入っているように見えるが

外は見えない。

ここはどこなのだろう。

地下なのか地上なのか、

それとも異空間なのか、

魔法が存在しているこの状況なら

まったくおかしくない。


『おまたせ、よく転生してこれたね

ゆいです。こっちでもこれからずっと一緒になれて嬉しい』


笑い方も仕草を前のままで安心する。

ずっと会いたかった。

抱きしめたかった。

そして、手を引いて抱きしめた。


『ゆいちゃん会いたかった。』


転生前よりさらに開いた身長差に少し驚きつつ、すこし泣きそうになる。


『そうだ、私の名前…いや…この城の主人を倒した時に魔王の名も奪った。ルシフェルが正しい。でも、めんどくさいから姫って呼ばせてる』


やっぱり魔王。

しかもルシフェルを倒すって

いったいどうやって…


『ゆうくんにも新しい名前が必要だけど

どうしようか、つけたい名前ある?そのへんの悪魔とかの名前が欲しかったら殺すけど』


平然と言ってのける彼女に動揺しつつ

この世界の仕組みすらわからないが


『いつもの名前でいいよ、さくらとかで

この世界の仕組みわからないから教えてほしいなぁ…』


頭にはてなを浮かべた彼女も

俺の言いたいことがわかったのか

魔法でスクリーンを出していた。


『ざっと説明するね、この世界の仕組みとして、自分のスキルを上げるにはレベリングかそういうスキルを得て敵を殺して奪う2種類があって、私は後者


魔物とか人間とかなんでも殺してきてここまで上がってきた感じで、

運良く召喚で良い子と巡り会えて、

さくらちゃんがなかなか来ないからストレス発散にいろいろしてたら魔王倒せちゃったんだよねぇ。』


映像にはここまでの経緯が簡単にまとめられていた。黙って見ている限り俺には向いてない方法で、ここまできたのだと。

ふつうに島を消し炭にしてるし


俺はそのレベルの上げ方はできない。

だってそれはどのくらい命を

奪ってきたのか。


にこにこしている彼女は

多分もう人間を殺すことになんの感情もない

彼女にとってここはゲームの世界なんだ


『まぁ、そもそも召喚スキルでベリアルが来てくれて楽々スキル回収できたからね

ねぇ?ベリアル』


彼女の陰から胸元の開いたシャツを着た

悪魔が出てきた。

悪魔らしくニタニタと笑う男は

彼女の肩を抱いた、

これは俺の女だと言わんばかりに。


『あぁ、前の主人には飽き飽きしててね、

ゆいは俺の新しい主人に相応しいと思って

召喚に応じたのさ、

まぁ前任のルシファーより

ゆいのほうが魔王らしくて好きだぜ』


苛立ちを感じたが

俺にはこいつに抗える能力をもっていない


『ベリアル、姫さま、お戯れの時間はほどほどににしてください。もう口を聞くことすらできていないのですから、休ませたらいかがでしょう?』


フォルネウスが口を挟む。

すこし目の色を変えた彼女はカップを置くと

俺の手をとった。


『まぁ、疲れてるのも無理はないよね、情報量が多いもの。したいこととかやりたいことがあったらすぐに私に言ってね、フォルにこの世界のこととか知識は聞いて、わたしはこれから遊んでくるから』


指をパチンと鳴らすと彼女とベリアルは部屋を出て行った。


遊ぶとは何をしてくるのだろうか。

さっきの映像からして

あまり考えたくない。


『さくら様、お部屋にお戻りになりますか?それとも城内を案内いたしましょうか?

お聞きになりたいことがあればなんなりと』


表情をまったく変えず淡々と喋る悪魔

彼女はどうしてこの悪魔を俺の世話係にしたのか。監視の意味もあるのだろうけど。

なんにせよ、わからないことだらけだ。


『順番に色々教えてもらえるとありがたいんだけど、まだ混乱しているから部屋で休んでもいいかな』


かしこまりました。とゲートを開けフォルネウスは消えた。


俺は今の状況から判断できること

必要な情報

まず、彼女は魔王でたくさんの種族を集めて国を作っている。

となりの悪魔には嫌な予感がする。

スキル上げをするには奪うか地道に集めるか

自分のスキルはまだない。


『難しいな。』


この場所から抜け出して

自分のスキルをあげる。

このままじゃ俺は殺されかねない

そんなことさせないようにするだろうけど

彼女に守られないと生きていけないなんて

そんな窮屈な生活なんてごめんだ。

男としてもそうだし、

まして、旦那として妻を守れなくてどうする


一旦寝ることにした俺は

ベッドの布団を頭からかぶった。

にこにこ楽しそうに笑う彼女は

なにも変わっていない。

悪魔にたぶらかされたんだろうか


俺は眠りについた。

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