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魔王と謁見
『姫の機嫌をあまり損ねないよう、ご注意下さいませ。』
フォルネウスに言われて
ゲートをくぐる。
なんだか視線が痛い。
たくさんの魔物たちが俺を見ている。
王座には黒いドレスを見にまとった
少女が座っている。
黒い長髪に赤い瞳、
俺と同じ紋様が手に浮かび上がっている。
玉座に続くレッドカーペットの周りには
悪魔や精霊やエルフ、
さっきの竜族3人、
フォルネウスは立っているがほかの者たちは膝をついている。
そのなかを歩いていく。
玉座にふてぶてと座り、ひじをかける
その姿は女王と呼ぶにふさわしい
身体がこの人に逆らってはいけない
怖い、ひしひしとプレッシャーが刺さる
進みたくないと
大好きな彼女なはずなのに
足が止まりそうになる
やっと目の前にたどり着くと
なぜか身体が勝手に跪いた。
『さすが我が番、思ったより早い到着だった。服も似合っておるし、メイド長に褒美をやろう。フォル、我が間に通すがよい
我は後から行く。』
彼女は立ち上がり、
メイド長の所へ行き何かを手渡していた。
『行きますよ』
俺はまたフォルネウスに手を引かれ
ゲートをくぐった。