表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/6

アパート

 小野田たち三人は熊田氏の住所であるアパートに歩いて向かっていた。

「お、あれじゃねえのか?」根元の指さすほうを見ると陰気くさい建物が見えてきて、小野田の気分は沈んでいく。宿題が終わらないまま学校に向かう中学生のような心細さである。このような感情は他人と共有したくなるものだが、右には興奮した根元が、左には呑気な神山がいるだけである。確か、と小野田は思い出す。ネットの情報によるとこのアパートは自分のワンルームと広さや家賃がほとんど同じではなかったか。

なのにこの雰囲気の違いは何なのだろう。考え事をしながら進んでいると、そのアパートから髪の毛をそり、サングラスをかけて、黒いワイシャツに花柄のネクタイを締めた男が出てきた。このアパートがまき散らす不穏な空気はこいつが原因だったのか、と小野田は合点した。


 アパートの6階につくと、根本がエレベータから飛び出し、902号室のインターホンを押した。

「小野田、俺らなんて名乗ればいいかな?」根元が小声で聞いてくる。自分で考えろ、と言いたくなるが、

「おかねトリオでいいんじゃないか?向こうもまだ覚えてるだろうし」と言った。

「おかねトリオでーす」根元が声を出すと、神山も「あのー、財布を返しににきたんですが」と言いながらポシェットからおずおずと財布をとりだしていた。


 ガチャリと音がしてドアが開くと鼻から赤い血をたらした、痛々しい熊井氏の姿があった。


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ