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510円

「何だ、これっぽっちかよ」悔しそうに神山が言う。小野田が中を覗くと、510円しか入っていない。あの不運の神様を背負ったような男はサラリーマンに見えたから、財布の中に紙幣が一枚も入っていない、ということは正直考えられないことだった。他には翌日のプロ野球観戦チケットと健康保険証が入っていただけだったから、ほとんど金にはならないだろう。510円と言うのは3で割り切れるから良いな、とちらっと思った。

「おっ、ロッテのチケットじゃねえか」根元が興奮した声を上げる。熱狂的な千葉ロッテのファンである根元は同じ名字の根元という選手に心酔しているようだった。

「これは、あのおじさんに返してやろうぜ」根元が急に言いだす。普段から、「ロッテファンに悪い奴はいない」と主張している根元は、ロッテファンには幸せが訪れるべきだ、と信じていた。

 「このチケットを持ってるからってロッテファンとは限らないだろ」小野田は言ったが、根本の耳には届いていないようだった。



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