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空白の夢の中で  作者: NATUME
2/3

現実

朝7時。携帯のアラームが無機質な僕の部屋に鳴り響いた。

僕はベッドの上で必死に携帯を手探りで探し、アラーム解除ボタンを押した。


はぁ……

いつものように、現実世界に戻ってきた。

夢の中では、意識があるだけで体が起きているわけではないので、寝起きは普通の人と同じく眠い。だからいつもベッドから起き上がるのには10分ほど要する。それから洗面台に顔を洗いに行き、トイレを済ませてから台所のトースターでパンを焼く。焼きあがるまで着替えて、焼きあがったらジャムを塗っておいしくいただく。毎朝、何百回と繰り返してきたいつもの動作。

 なにも特別なことなどない、いつもの朝。これが僕の人生を大きく変える一日の朝だった。





いつものように僕は、京都の豊かな自然の風景を横目にしながら、学校までの遠くもなく近くもない道のりを、少し遅めのペースで歩いていた。最近はとても紅葉が綺麗で、眺めていたら自然と足取りは遅くなる。山の木々達が一つ一つ違う色を出し、それが見事に一つの集合体となって「紅葉」という景色が生まれる。日本人の感性の豊かさも、もしかしたら「十人十色」という言葉がとてもしっくりと来るこの紅葉が育んだものなのかもしれない。そして、そこから色々な芸術が生まれる。僕には芸術はよく分からないけれど。



そのまま10分くらい歩くと、僕の通っている山科高校の正門が見えてきた。今日もここでの一日が始まる。僕はそう心の中で呟き、古臭いその門をくぐった。周りがいつもよりは少し騒がしいなとは感じたけれど、特に気に留めず僕は自分の教室へと向かう。

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