1/3
空白の世界
空白の時間。空白の場所。空白の世界。みんなは経験したことがあるだろうか。自分以外に、人も、犬も、猫も、家の家具も、この地球も、そして色でさえ、本当に何も無い時間、場所、世界。 ただ孤独で、絶望しかなくて、そして嘘みたいに理不尽なこの世界。夢、希望、理想。すべてがそこにいるだけでそれらは空白へと飲み込まれていく。そんな、世界。
僕はその世界に、現実の方で僕が寝ている間だけ、ずっとそこに存在する。薄汚く、でもはっきりと。
何もかもが空白で埋め尽くされた、「空白の世界」で。