03
結局、黒羽は昼休みになるまでずっといびきをかきながら机の上で突っ伏していた。
しかし、タイミングのいいことに昼休みになると同時に黒羽は起きたのだった。
「よぉうし!昼休みになったな!今日は天気がいいから屋上に行くか!行くぞ隼人!」
「ほんとうにあんたは起きるタイミングがいいわね。絶対わざと昼休みのタイミングにあわせて起きてるでしょ。」
「はぁー?百合、お前は何を言ってんだよ?そんなことできるわけねぇだろうが少しは考えろよ。」
「へぇー、あんた私にけんか売ってんの?いいわよ!そのけんかかってやるわよ!」
「上等じゃねぇか。やってやるよ。でもよぉー、いいのか百合?」
「な、なによ?」
「百合、お前さ俺の本気を出したとこ見たことねぇだろ?」
「ふんっ、笑わせないでよ。自分専用のブレイカーさえ、まともに出せないあんたに勝ち目なんて最初からないわよ。」
「百合、お前俺が太刀川家の男だってこと忘れてねぇか?」
「そ、それがどうしたってのよ?ブレイカー使える私の方が圧倒的に有利よ。」
「そうか、お前の言いたいはよくわかった。お前の言い分をまとめるとブレイカーを出せば俺なんか余裕で倒せるってことだな?」
「そうよ。問題ある?」
「はぁー、これだから百合はいつまでたっても一対一で俺に負けんだよ、ルールは簡単なルールでいいな?」
「なんでもいいわよ。どうせ私が勝つんだから。」
「んじゃあ、このコインが落ちたら勝負開始な、ふんで、相手に一撃でも攻撃を当てたらあてたやつの勝ちだ。」
そう言って黒羽はコインを親指で弾き、手を開いてとった。
「えぇ、それでいいわよ。」
「よし、それじゃあ、始め!」
そう言って黒羽はコインを親指で弾くと思わせてそのままコインを握りしめ地面に叩きつけた。
「な、なにしてんのよ!ブレイカー!てんかっ「俺はこのコインが落ちたら開始なって、言っただろう?つまり、この勝負はお前が受けた時点でお前の負けはきまってたんだよっ!」」
百合がブレイカーを展開する前に黒羽は百合の懐に入りこみ、百合のスカートを両手を使いおもっきりめくりあげた。
「バサッ」
そんな音と共に百合の健康的な太ももとと黒色のパンツが見えた。
「「「「「おぉー!!!!」」」」 「キャー!」
クラスの男子からは大きな歓声が聞こえ、百合からは悲鳴が聞こえた。
「神崎百合、戦闘不能よって、勝者、太刀川黒羽!」
黒羽は自分でそんなことを言ってはしゃいでいた。
「百合、お前顔に似合わず大胆な下着を着けてんだな。俺はびっくりしたぞ。いや、すまない百合お前ももう高校生だもんなちょっぴり冒険したい年頃だよな。けど一つ、一つだけアドバイスをさせてくれ、百合、お前は黒色より白色の方が似合うぞ!」
黒羽は百合に向かってサムズアップをした。
「よぉうし!隼人!今日はいい天気だから屋上に行って飯を食おうぜ!」
黒羽は言いたいことだけ言って教室を出ていこうとした。
「ま、待ちなさいよっ!まだ、勝負はついてないわよ!」
「まだやるってのかよ。パンツ見られた癖によくやるな。」
「パンツ見られたのはあんたのせいでしょ!!」
「あらぁ、みなさん聞きましたか花も恥じらう乙女がパンツだなんて言いましたわよ、なんてはしたない。」
「なっ!!」
百合は自分が言った言葉を思い出したのか顔を真っ赤にした。
「今度こそ、戦闘不能だな。いくぞ、隼人、」
「えぇと、黒羽、百合は置いていくの?」
隼人は百合の方を心配そうに見て黒羽にそう聞いた。
「あんな、状態だし無理だろ。てか、はやく行かないと俺が殺される。」
「そんなにビビるなら最初からあんなことしなかったらいいのに。」
(今の黒羽の動きは異常だ。この僕でもギリギリ見えるかどうかだった。クラスのみんなはきっとこの黒羽の異常なスピードに気づいてないだろうけど。さすがは太刀川家って言えばそれで終わりなんだけど、やっぱりなにか黒羽の動きはおかしい気がする。)
「おーい!隼人!屋上に行かねぇーのかー?さき行ってるからなー!」
隼人の思考は黒羽の声で書き消された。
(まぁ、僕の知識じゃ、なにもわからないんだけどね。また、家に帰って調べておこう。)
隼人は肩をすくめてため息をついた。
「まってよ!今行くよ!」
「…………………………………………………。」
黒羽たちがでていったあとの、教室は沈黙が続いていた。
沈黙を破ったのはクラスの委員長の北野絵理だった。黒髪を密編みのして眼鏡をかけている。THE委員長だ。しかし、常にほわほわしている、所謂、天然娘だ。
「太刀川君は太刀川家の名前の通りやっぱり強いんだね。百合ちゃんになんの手出しもさせないんだもん。」
「そ、そうだよな、さすが太刀川だな!」
「百合もすごかったよ!!」
「ほ、ほんとうだよ。神崎もすごかったぜ。」
委員長の言葉に続きクラスの男子や女子も少しでも百合を励まそうと言葉を発した。
「すごいって、私の何がすごかったのよ?」
「…………………………。」
「何よ!!その沈黙はっ!!。絵理ちゃん!」
「は、はいっ!」
「私の何がすごかったかみんなの代わりに代弁して。」
「え、えぇーと。下着?」
「グフッ!!」
その委員長の言葉が百合の心に止めをさした。
「そんなんだー、やっぱりみんな見ちゃったんだー、どうしよう、もうお嫁に行けないよー。絵理ちゃんーー、どうしよー。」
そう言って百合は委員長に抱きついた。
「だ、大丈夫だよっ!太刀川君はそんなことで百合ちゃんのこと嫌いにならないよ!」
「なっ!!だ、誰があんなやつのことなんてっ!!」
「え、ご、ごめん違ったかな?、私てっきり太刀川君に下着見られたことに落ち込んでるのかと思ったよ。」
「ち、違うわよっ!黒羽に下着見られたことなんて全然気にしてないんだから。だ、第一あいつがスカートをめくったんだから。そ、そうよあいつが全部悪いのよ。よしっ!黒羽を殺ろう。」
「だ、ダメだよっ。百合ちゃん。落ち着いて、そ、そうだ!百合ちゃん太刀川君が誉めてたよっ!」
「黒羽が?なにを?」
「百合ちゃんの下着!似合ってるって!」
「ほ、ほんとに?!よかったー、こんな大胆な下着見られたら黒羽に軽蔑されちゃうのかと思っちゃったよー。」
「だ、大丈夫。似合ってるって言ってたから。」
「うんっ!それなら大丈夫だねっ!それじゃあ、黒羽たちとお弁当食べてくるよ。」
「うん!太刀川君たちは屋上に行くって言ってたよ。」
「了解!ありがとう絵理ちゃん!それじぁ行ってくるよ!」
そう言って、百合は教室を出て廊下を走って行った。
「あの二人あんなに仲いいのになんで付合わないんだろう?」
絵理はそんなことを教室で呟いていた。
「「「「「ふぅー。」」」」
クラスメイトは一連の流れに疲れたのか一斉にため息をついた。
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屋上で黒羽と隼人はベンチに座ってパンを食べていた。
「やっぱり、天気の良い日は屋上に限るな!そう思わないか隼人!」
「黒羽、今日の黒羽はやたらと元気だね?元気がいいのはいいけど百合をあんまりからかったらダメだよ?」
「わかってるよ。俺もちょっとからかい過ぎたと思ってるよ。」
「わかってるならよし。」
そう言って、隼人ははにかんだ。
「なぁ、隼人。」
「ん?なに?」
「お前ほんとに男か?」
「当たり前じゃんなにいってんの?」
「そうだよなー、残念。」
「なにが残念なのさ。それより、黒羽はなんで百合と付合わないの?百合の好意には気づいてるでしょ?」
「おいおい、隼人。急にどうしたんだよ、百合は俺のことなんか好きじゃねぇよ。仮に俺のことが好きでもその好意は受け入れられない。」
「どうしてさ?お似合いだと思うけどなー。」
「百合はちゃんとした人間と付き合うべきだ、俺はちゃんとした人間じゃないから。」
「黒羽はちゃんとしてるよ。普段ふざけ過ぎているだけで。」
「そういうことじゃなおんだけどな。とにかく俺は百合と付合わない。以上だ。」
黒羽がそう言った直後階段に続くドアの方から何かを落とした音がした。
「黒羽ー、隼人ー。」
百合が屋上に入ってきた。
「ひぃっ、百合っ!」
黒羽はさっきの出来事に対して百合はすごく怒っていると思っていたので百合の姿を見た瞬間的変な声がでた。
「なによ黒羽。私を見てなに怯えてんのよ。」
「えぇっと、百合さん?あなたはさっきの出来事を許してくださったのですか?」
「さっきの出来事?そんなことより、一緒にご飯食べようよ。」
そう言って百合は弁当箱を広げた。
「実は今日ちょっと作りすぎたから黒羽と隼人の分のおかずもあるんだよ。」
「おっ!さすが百合っ!俺パンだけで足りる気がしなかったんだよ。」
「ありがとう。百合僕もちょっと物足りなかったんだよ。」
「それはよかった。どんどん食べてね。」
「「いただきます。」」
黒羽と隼人は百合の作ってくれた弁当をたべていった。
「それにしても、百合。お前は心が廣くなったんだな。さっきの出来事を水に流してくれるなんて。」
「黒羽、その話題はもう触れない方がいいよ。」
隼人の言葉も無駄になり。
「さっきの出来事?」
「どうしたんだよ百合、さっき俺がお前のスカートをめくったことだよ。」
「っっっ!!!!、ブレイカー!展開!!私ったらなんで忘れてたんだろう、屋上に来て一緒にご飯を食べるんじゃなくて、黒羽を殺るんだった!」
百合は自分専用のブレイカーであるハンマーをだした。そのハンマーは鋼色で百合の体と同じ位の大きさだ。
「百合さん?どうかされてのですか?そんな物騒な物はしまって下さいな。そんなの当たったら私めは死んでしまいますよ。」
「うん!痛いのは一瞬だから安心してね。」
「なにその満面の笑み!怖いよ!怖すぎる!助けて!隼人、助けて!」
「今回も黒羽が悪いんだから自分で責任をとらないとダメだよ。」
「んなっ、隼人の裏切り者ー!」
「まちなさいよっ!早く私のブレイカーの下敷きになりなさいっ!」
そう言って、百合は屋上に何個ものクレーターを作っていった。
「や、やめろ、百合。屋上にクレーターを作るなっ!昴姉さんに俺が怒られるからっ!お願いだからもうやめれー!!!」
そうして、時間は過ぎていった。