02
黒羽は夢の中で白いワンピースを着ている一人の少女に会っていた。
少女がいる場所は少女の髪の金髪に似合わず以外にも和室の部屋だった。少女は座布団の上に正座をして座わりながらお茶をのんでいた。
「まぁた、お主はくだらないことに力を使いよって。結界を張ることは必要最低限するなとあれほど言っただろうに、なんでお主はすぐに約束を破るのじゃ。」
「おっ、久し振りだなルー。おじゃまするぞ。」
ルーは口調のわりには姿はどうみても小学校高学年にしかみえない、いわゆるロリババアだ。
「なにか失礼なことを考えていたようだか、今日のところは良いわ、単刀直入に言うが、黒羽、今日の23時40分魔女が現れる。」
「お前が俺の夢にまで出て来てそれを伝えるってことはなかなかの実力者ってことだな?」
「うむ、お主の言う通りなかなかの実力を持っておる。」
「まじかよ、今俺ブレイカー持ってねぇんだけど。」
「笑わせるでない、お主はあんなガラクタなど必要ないだろうに。」
「お前な、俺を過大評価しすぎだろ。ただでさえ、前の戦いのせいで疲れてるってのに。」
「お主が言う前の戦いは普通の人間だったら生きておらんわ、疲れたですんでいるお主は妾の評価に値するということじゃ。」
「やっぱりか!前の戦いは異常だったんだなっ。お陰様でここ数日まで力を全く使えなかったぞ。」
「それは頑張っても全盛期の十分の一程度の力しか使えないお主が気を抜いて戦っていたからだろうに。まぁ、お主に分かりやすく言えば舐めプじゃな。」
「なれてない単語をわざわざ使うな、分かりやすく言わなくても普通に理解できてたわ。
ふんで、今日魔女が現れる場所はどこなんだ?」
「15番街の病院の廃墟じゃ。」
「また、わけのわからん所に現れんだな。やっぱり目的は叡智の書関係か?」
「その通り、叡智の書4ページ。」
「ましでかっ!!1桁番かよ。だから、実力者がくるんだな。確か12番街から18番街はゴーストタウン状態だから周りは気にしなくていいな。」
「暴れる気満々じゃの、結果は絶対に忘れるでないぞ。お主のそのうれしそうな顔を見ると気が気でない。」
「分かってるって、ブレイカーは昴姉さんに頼んでみるよ。」
「うむ、そうすればよい。しかし、本当にブレイカーは不用だと思うのだが。」
「いちよだいちよ。ないよりあるほうが安心できるだろ?」
「いざとなったら妾が助けてやるものを。」
「お前の力を借りたら15番街どころか、この学園までぶっ飛ばすだろ。まぁ、助けてくれんのはうれしいけどよ。お前には普段から世話になってるから、ならべくならあんまり借りを作りたくねぇと俺は思ってんだよ。」
「今さらきさまは何を言うとるのか、妾とお主は1つの体同然。黒羽がいてこそ妾がいる、妾がいてこそ黒羽がいる。そこをはきちがえてはならんぞ。」
ルーは優しい口調で子供を叱るような声で黒羽にそう言った。
「そうだな、ルーがいてこそ俺がいて、俺がいてこそルーがいる。これからも宜しくなルー。」
黒羽は少し恥ずかしかったのか、頬を掻きながらルーにそういった。
「んじゃあ、あんまり長い時間こっちにいたら向こう側で起きたとき百合に怒られる。」
「全く、せっかく二人の時間のを過ごせるかと思えばすぐにいきよって。」
「そう言うなってルー、俺とお前は一心同体なんだろ?いつでも会えるんだからそう言うなって。今日の23時40分15番街の病院の廃墟だな。なにかあったらそんときは頼むわ。」
そう言って黒羽は和室から消えた。
「今日はなにか嫌な予感がする。やはり叡智の書一桁番だからどのような魔女が現れてもおかしくない、あやつの出せる力も限られている長期戦になれば負けてもおかしくない。やはり、あやつの力の制限を解く時はそう遠くはないのだろうな。今日に限っては妾が力を貸してやろう。」
ルーは黒羽が居なくなった和室で一人ぼやいていた。