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「「魔女」それは悪魔に取りつかれた女のことであり、それは世界の敵であり、「魔女」の出現は100年周期ということが今より1000年ほど前に証明されている。しかし、最近の研究により、悪魔に取りつかれていた女が亡くなれば新しい女にとりつくということが1つの仮説としてでてきている。この最近の研究による仮説の信憑性は非常に高い。理由としては、「魔女」になった女は、年をとらないということが証明されたからである。しかし、この証明にはまだ不可解な点が数おお「グゲェー、ゴー、グゲェー、コー」おい、私の授業中にいびきをかいているのは誰だ?」
1-F組のクラスのみんなが真剣に担任の先生である、太刀川 昴の授業を聞いている時に一人の生徒はいびきをかいていた。授業を真剣に聞いていたみんなは一斉に先生から目を反らすとともに、一番後ろにある窓際の席を見た。
「ちっ、またあいつか。」
そう言いながら、昴はその席に近づいていった。しかし、昴の足は席の目の前で止まり、席で寝ているやつの頭をめがけて大きく右腕を振り上げ、降り下ろした。
「パリンッ。ゴッツンッ。」
そんな音と共に降り下ろした拳が寝ている生徒の頭にあたった。
「いってーな!!何なんだよ!!こっちが、疲れて休憩してたのによ!!」
「ほぅ、私の授業はお前の休憩時間なんだな?」
「す、す、昴姉さん。」
昴は生徒の態度に怒りを表情に表した。一方、寝ていた生徒は自分が誰に起こされたのか今気づいたようで恐怖を表情に表していた。
「学校では、先生と呼べと言っているだろう。太刀川 黒羽。で、なんで寝ていたんだ?」
「す、すいません、昴先生。」
「私は謝れと言っているんじゃない、結界まで張って寝ていた理由を、聞いているんだ。お陰様でこのか弱い女の子である私の手に少し傷がついたじゃないか。」
「誰が、か弱い女の子だよ、もうすぐで四捨五入したら30歳のくせに、第一この結界を素手で割ることができるなんて、化け物じゃねぇか。」
「あぁ?、なんか言ったか、太刀川黒羽。速く理由を言え。」
「いえ、何もいってません。少し昨日はゲームをしておりまして、徹夜をしてしまったんです。」
「あぁー、お前の部屋の机に置いてあったあのゲームか確か名前は「ドキドキッ、義妹と秘密の勉強会」だったか?」
「やめてっ!!!エロゲーの名前を言わないでっ!!」
「あぁ、すまん、つい口が滑ってしまった。」
「絶対わざとじゃん!!」
黒羽はクラスメイトからは白い目でみられていた。
キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン。
黒羽が身体共に、精神までもを傷つけられた時に授業の終わりのチャイムが鳴った。
「ッチ、もう終わりかよ。まぁ、いい。今日の授業はここまでだ。次回は魔女対策として、作られたブレイカーについて説明する。あと、太刀川黒羽は放課後職員室に来るように。」
そう言って太刀川昴は教室から出ていった。
「ッチ、なんだよ、あのゴリラッ!人の個人情報をばらまきやがって。しかもっ!、あんな性格していながら見た目がいいからって生徒受けもいいなんて!なんて不平等な世の中なんだ!!」
太刀川 昴の容姿は170cmくらいの背丈で出るところはでており、引き締まった身体、美しい長髪。道路を歩いていたら全員振り返るほどの美人だ。
黒羽は昴が教室から出ていくのを確認してから悪口をいっていた。
「なに訳のわからないこと叫んでんのよ、今回も黒羽が全面的に悪いわよ。」
「そうだよ、黒羽が悪いよ。けど、昴さんもすごいね、あんな普通に黒羽のやってるエロゲーの名前を言えるなんて。」
黒羽は姉である昴の悪口を言っている所に二人の友達が話しかけてきた。
「お前らは俺を慰めてくれねぇのかよ。それでも親友か?百合、隼人。」
最初に声をかけてきたのは神崎 百合、 黒羽とは幼稚園からの付き合いであり、所謂幼なじみである。百合は昴先生には劣るが栗色の髪をサイドテールでまとめている、可愛い女の子だ。
百合の後に声をかけてきたのは五十嵐 隼人、こちらも黒羽とは幼稚園からの付き合いであり、幼なじみである。隼人は肩に届くか届かないか位の金髪で、美少年だ。スカートを履いたら美少女が完成する。所謂、男の娘だ。
「まぁ、お前ら見たいな人生勝ち組どもにはわかんねぇだろうな、俺見たいな底辺の住民の気持ちが。隼人、お前だけだこの俺の心を癒してくれるのは。」
そう言って、黒羽は隼人に抱きついた。
「何するのさ黒羽、僕は男だよ。抱きつくなら僕の横で頬を膨らましてる百合に抱きつけばいいじゃん。」
「なっ、急に私に話を振らないでよ隼人。第一私こんなやつに抱きつかれたくないし。」
「こっちこそ願い下げだ。まず、百合より隼人の方が女子力あるし、可愛いじゃん。」
「なによそれっ!私は花も恥じらう乙女よ!なんで男の子隼人に私が負けてるのよ!まぁ、いいわ。今はそんなことよりあんたが授業中寝てることが問題なのよっ!」
「うるせぇな、何をそんなに怒ってんだよ。俺がいつ寝てようがお前には関係ないだろ。」
「そ、それは幼なじみとしての責任よ!私は昴さんにあんたの世話を頼まれてるんだから!」
「あのゴリラめ、いらんことをしやがって。ちょっといいか百合。」
そう言って、黒羽は百合を真剣な眼差しで見つめた。
「ん?なによ?」
百合は少し頬を赤くしていた。
そして、黒羽は真剣な顔で百合に向かって言った。
「お前はもうちょい落ち着けよ、お前の胸のようにな。」
「あ、あんたねっ!今、全く関係ないことでしょ!」
百合は顔を真っ赤にしてした。
キーンコーン、カーンコーン、キーンコーン、カーンコーン
「ほら、早く席に戻れよ。チャイムが鳴ったぞ。」
「休み時間覚えてなさいよっ!!」
百合はそう言いながら席に戻っていった。
「全く、いつも仲が良いいのも困ったものだよ、顔を会わせるとすぐにケンカする。」
そう言って隼人はため息をついて自分の席に戻っていった。
「ふぁ~~、よし、寝よ。」
黒羽は幼なじみに言われたことを気にもとめずに、授業の開始前すぐにまた眠りに着いた。