表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

VRMMOを相棒と冒険する。

VRMMOを相棒と冒険する。~まずは好みで相棒作成!!~

作者: 金鳳花

短いですが、書くの楽しかったです!

 この日、世界は激震した。


 なんと、とある科学者が、世界初の電子世界への潜行ダイブ技術を発表したのだ。


 そして、世紀の発見に湧く人々に記者会見でこう言った。


『諸君、私はついに電子世界へ潜行ダイブする技術を確立した!だからお願いだ!この技術を使って、ゲームを作ってくれぇぇぇ!!!』


 魂の叫びだった。

 狂おしいほどの叫びだった。


 この後、彼が熱弁したところによると、


 彼が中学生のとき、ネット小説にハマった。

 特にVRMMOモノが大好きだったようだ。

 だが、現実世界の技術は未だその夢を実現出来ていなかった。

 彼はこう思ったそうだ。


“無いのなら、作ってしまえばいいんじゃね?”


 こうして、一人の中学生の想いが、執念が、10年以上の時をかけてこの技術を完成させた。



 VRゲームは現時点ではフルフェイス型が主流だった。

 この技術ですら世界に大注目された。


 だが、男はそれでは満足出来なかった。

 小説で見るような、ゲームの世界に入り込み、自由自在にゲームの世界を楽しみたかった。

 スポンサーには軍事や医療目的と言って開発費を湯水のように使った。

 世界中にいる同志たちと、知恵を出しあって共同開発した。

 そしてやっと、夢の技術が完成したのだ。



 世界は大騒ぎになった。

 この記者会見は世界が注目していたのだ。

 この技術のお陰で爆発的に世界の技術レベルが引き上げられた。

 軍事、医療、勿論ゲーム業界。

 特にゲーム業界は凄まじいお祭り騒ぎだった。

 次々と新作VRゲームが発表され、どんどんと素晴らしい作品が出来上がった。

 VR機も最初は富裕層しか手に入れられなかったが、凄まじい勢いで技術が向上し、制作コストが削減された。

 記者会見から数年経ったころには、一般家庭でも手が出せるくらいまでに値段が下がった。

 この結果に満足した科学者の男は、現状に狂喜乱舞し……ゲーム廃人になった。



***



「よっしゃ、やっと手にいれたぁぁぁ!!」


 私の手には待ちに待った新品のVR機と新作ゲームがある。

 貯金とボーナスをインする準備も万端だ。



 ゲームはいま世界で大流行している〈幻想世界〉というファンタジー系VRMMOだ。

 グラフィックデザインが綺麗で一目惚れした。即決で買った。後悔はしていない。

 開発陣が制作発表で“想像力の限界に挑戦した”と豪語している。

 ゲーマーの評判もいい。楽しみだ。

 楽しみでワクワクすることなんて、ここ数年無かったなと思いつつ、ゲームをスタートする。


 このゲームの魅力のひとつは、『相棒システム』といって、一番始めに自分のキャラと高性能AI付きの相棒キャラを作れることだ。


 相棒は無料で作れるものと、課金でさらに選択肢を広げることが出来る。

 つまり、理想の人物を相方に出来るのだ。


 みんな結構な割合で課金する。

 なぜなら、関係性も選択出来るのだ。

 友人、家族、兄弟、姉妹、先輩、後輩、恋人、主従、師弟、等々。

 最初に選べる関係は少ないが、共に過ごすうちに派生する。

 簡単に言うと友人から恋人になったり出来る。

 勿論全年齢対象ゲームだから、変なことは出来ないが。


 私のキャラメイクはすぐに終わらせる。

 ゆるく三つ編みにされた金髪。

 空色の瞳。

 顔は平凡……まぁ愛嬌はあるかな?って顔。鼻のところにソバカスが散っている。ソバカスって可愛くない?

 身長は現実と同じくらいで、年齢は16くらい。

 年齢は現実と同じでなくていいよ!

 名前は……シアネリアで。

 職業は戦士一択。

 私は敵を自分でボコりたい派だ。

 ……こんなものか?



「よし!ではお楽しみの相棒に行きましょうか!」


 まずここで選択肢が出る。

 無課金か課金か。


 無課金だと人型オンリー。

 課金すると人型の選択肢が増えるのと……獣型が選べる。

 つまり、モフモフだ!


 犬、猫、鳥、等々。

 獣じゃねぇだろと思うが虫も選べる。

 製作陣のすごいところは、毛皮の手触りまで選べるところだ。

 ……モフモフ好きがいたのだろうか。

 だが、とてもロマンが溢れている。素晴らしい。

 私はかなり後ろ髪が引かれつつも人型を選択。勿論課金。


 まずは性別男。

 体型……うん。細マッチョで。

 顔は細め。バランス大事。

 髪は腰まで……うわカラーバリエーション凄っ!!

 ここはファンタジーな感じの紫銀。サラツヤで。

 瞳は紫に青と銀を少し混ぜた感じで……これ何色って言うんだ?


 声も課金で選べる!

 どうする?やるか!?

 よし、ここまでくれば声もこだわるぞー!

 ……やべぇ。高すぎず低すぎない、ずっと聴いていたい声になった。超美声。


 そして最後に関係性だけど……無課金だと、最初に選べるのは『初めての相棒(赤の他人)』だけ。

 無い、無いわ!

 まぁ、一から関係を作っていくのもいいとは思う。

 たけど私は会社員。

 ゲームだけにそこまで時間はかけられない。

 課金だと友人、家族、先輩、後輩……主従。

 主従!いいね!!大好きだよ!

 く、お値段もイイ値段だ。


 だがキミに決めた!




 うわ、私神だな。

 目の前には、20歳前後の紫銀の髪に青紫の瞳をした神様と言っても信じてしまうような美貌の人がいた。


 ふわりふわりと浮いていて、完了するのを待っている。


 うーむ。これは初期装備なのが可哀想なほどだ。絶対に似合う服を見つけよう。よし、完了っと。


 ふわりと舞い降りた青年は、ゆっくりと瞬きした。



「貴女が私のご主人様マスターですね?」



 やっべ耳が天国!!!幸せ過ぎるー!!

 喋り方では敬語に設定した。

 だって敬語キャラ好きなんだよなぁ。

 私は欲望に忠実なのだ!


***


 これからこの相棒との冒険が待っている。

 青い青い空。果ての見えない大地。

 現実世界には存在しない様々なモンスター。

 きっとこの相棒となら、どんな困難でも楽しめるだろう。


「よっしゃ、行くぞー!」

「はい。ご主人様マスター


 こうして私たちの冒険は始まった。



読んで頂きありがとうございました。


私たちの冒険はこれからだ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ