親友その1が昼休みに思うこと。
四限目のチャイム。これは、僕ら学生にとっては一時解放の合図。
あ、村山さんが走ってくる音がする。
そして、扉が開く音。
振り向かなくても、周りの奴らの噂話で分かるやんちゃん、流石!
少し離れたところに立つハルカを見ると、既に女の群れ(やんちゃん曰わく、集る蟻)が。
おいおい、いくら何でも、チャイムから2分も経たずに群れる女って…
まあ、確かに、
①ハルカは(僕の次に)イケメソ+絡みやすい奴である。
②ハルカは授業と授業の合間は勉強している。
③②の状況以外で村山さんの非介入を望めるのは、昼休みくらいである。
以上の理由より、集ることは分からなくはないが…
人の彼氏に、そんなに群れるか?普通。
とかなんとか思っていると、ハルカは群れから脱出したらしく、村山さんと仲良く退出。
ちょっw村山さん鼻歌ってww
僕もお昼にしようと弁当を取り出す。
1人で弁当は寂しいので、ちらっと隣を見る。
倉本さん…は、お友達とお食事中でした…
となると…
「榊原!一緒に飯食おーぜ」
村山さんのクラスの、僕の友達。
こう見えても、僕の顔は結構広い。
「いいけど…
高田、お前クラスでまたボッチになったのか?」
真顔止めろしww
「ちげーよw
親友が親友に取られたの!」
窓側の、榊原の机に近い壁に、もたれながら座る。
中学が同じ榊原を親友と呼ばないのは高田君のヒ・ミ・ツ←
「…そういえば、さぁ。
お前、村山さんと仲良かったよな?」
躊躇いながら言い出す榊原。
このパターンは、もしや…
「何?村山さんのケー番とか知らねーよ?」
先手を打ってみると、案の定、残念そう。
「あーお前もダメかぁ…
ってか、ケー番とか古すぎwwメアドだろww」
「うるせーしww
何?榊原、村山さんに恋でもしちゃった系?」
「いや、ちょっと気になるくらいで…」
口ごもるなよww
男にされてもキモいだけだよ榊原ww
「おま、ハルカに勝てるって思ってんのか?w」
探りを入れてみる。
「そんなんじゃねーけど…考えてみろよ。あんなパーフェクト美人、これから先会える確率も少ねぇぞ?
スタイルは抜群、成績は学年でトップクラス、美人で一途でちょっとミステリアス!ラブコメのヒロインかっつーの!」
夢見がちだろお前ww
さっきから僕の笑いが止まらねーよww
「ま、間違っては、いない、な」
「何そんなにおかしいんだよ!
じゃあお前、村山さんに全く気が長いのか?そりゃ男として終わってるぞ?」
やめろよ榊原~僕ちんガラスのハートなんだからw
「無くはないよ?
でも、村山さんは、僕には無理かなー」
「ハッ、確かに、チキンの高田君には釣り合わないかなー?」
「なんとでも言え!
前の彼女に『キス下手すぎ』って振られたお前に言われても説得力無いわw」
「おまっ、それを言うなら、
デカい声で『やっぱり顔より声だよな、お兄ちゃんって彼女に呼ばれてぇ』って言って好きだった佐藤さんに引かれたお前よりはマシだ!」
「残念!僕はそこは未だに譲れないポイントだと胸を張って言えるぜw」
「あぁーこいつそんな奴だったぁー!」
榊原との優雅な(笑)昼休みも終わりが来てしまう。
言い合いに一旦終止符を打ち、教室に戻る。
廊下で、別れを惜しむ(またかよw)2人の親友を軽く冷やかし、席に着いたところで、冷や汗。
やべっ、次の数学、当てられてたっ…!
周りの秀才に手を借りて、友達って良いね!って再確認した高田でした。