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やんちゃんのお昼休み。

終礼も終わって、お弁当箱を持ってゆう君の教室へ。


ゆう君の居る教室で、待ちに待ったゆう君との会話。

…だけど、残念ながら人が居ないところに来ないとお話が出来ません。


人気者のゆう君は、蟻に集られているお菓子のよう。


蟻、邪魔。排除…だめ!ゆう君に怒られちゃう。


しょんぼりしながら蟻がひけるのを待つのは、彼女の余裕っていうもの。


結局、10分間ずっとぼんやりすることになった。





「雛?ごめんね」


「…私、排除…しなかった。エライ?」


ちょっとだけ甘えてみる。


「うん、エライ、エライ。」


撫でられて、頬が緩む。


「さて。屋上行こっか」

私の荷物をさっと持って、歩いていくゆう君。


…だいすき。








「今日は、授業どうだった?」


会話は、大方私から。

ちょっとだけ寂しいけど、ゆう君は照れ屋なだけだもん。


「うーん…特に変わったことは無いかな」


残念だけど、私がゆう君の一部始終を見れるのは、一緒に居る時とゆう君が部屋に居る時だけ。

本当に変わったことが無いか、非常に気になります。


でも、ちょっと進歩した私は、一時間ずつ聞くことを止めて一番楽しかった授業を聞くことにしています。


「今日、一番楽しかった授業は?」



ちょっと、間。

マイペースなゆう君なので、ちょっとしか気になりません。



「…生物、かな

 岸部先生が、授業投げ出して失恋話をしてた」


「そっかぁ…体育じゃないんだね、ちょっとびっくり」


…いや、岸部先生に嫉妬なんか、あんまりして無いんだからね?


「うーん…今日はそんなでも無かったかなぁ。

 高田も俺も、バドミントンは苦手なんだよね」


またまたぁ、謙遜しちゃって←


「それに、女子と合同じゃないからさ」


…どっちの意味?


「それは…女が周りに少ないってこと?それとも…」


呟くように言っても、ちゃんと聞き取ってくれるゆう君が大好き。


「ううん、雛を見る回数が格段に少ないってこと」


…そういえば、ゆう君の照れた顔って見たこと無いなぁ…


「どうしたの、雛?

 また不安になっちゃった?」


ああ、優しいゆう君。

嬉しいなぁ。嬉しいけど…怒った顔も、独り占めしたい。


「…今は、不安じゃなくて、

 …残念、かなぁ。」


濁した意味、分かってくれてるかな?

ホントは私も、束縛し過ぎるのは駄目だって、知ってるんだけど…


ゆう君は、分かってるのか分かってないのか、判別出来ないように言うの。


「雛、不安は水だよ」


ゆう君の口癖。

その水がどうなるのか、ゆう君の口から聞いたことは無いけど…


「…うん、そうだね。

 …ご飯、食べよっか」



隣に居てくれるゆう君を、もうちょっと信じようって思ったのは、これで何回目だろう。


結果私がヤンデレなのは、ヤンデレじゃないゆう君よりも相手を信じてないってことなんだよなぁ…



「…ごめんね、ゆう君」



ゆう君は微笑んで、私の頭を撫でてくれた。

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