1/42
やんちゃんの朝。
朝起きてすぐ、ケータイを開く。
待ち受けに指定された、愛しのあなた。
これだけだと足りないので、本物に会うために支度をする。
朝ご飯を軽く済ませ、制服に早着替え。
歯を磨き、顔を洗い、髪をとかす。
その間ずっと、ケータイとは別の、あなたを動画で見続ける。
あ、ちょっと寝癖。
早く会いたい。
鞄の中には、今日の授業の支度と、世界で私だけが持っているお守り。
中身は、あなたの髪の毛と爪と、あなたが鼻をかんだティッシュ。
二重の箱にいれて、鞄の絶対潰れないところに入れたら準備完了!
あなたから、あなたの家の住所は聞いたことが無いけど、毎日行くあなたの家に。
道中は、勿論あなたのことを考えてはにかむ。
ここまでは、他のヤンデレさんと同じようなことをしていることは、私も知っていること。
ただ、一つだけ、大きく違うことがある。
インターホンを鳴らす。
あなたの返事、高鳴る私の心臓。
そして、出てくるあなたが一言。
「おはよ、雛」
そう、私の前に立つ、”待ち受けの人”は、私の彼氏、ゆう君なのです!