入学式でのハプニング
こんにちは、四宮スノウです!
はたして、花恋は入学式に間に合うのでしょうか?
それでは、小説の世界をお楽しみください!
「あーもう!!あのエセ警部のせいで遅れそうじゃん!!」
(作者:彼は本当に警部です笑)
神楽坂花恋はぶちぎれていた。
ただでさえ入学式に遅れそうだったってのに、さらに事件に巻き込まれるわ、
ネチネチ系のくそ警部は発狂して余計に時間を使わせてくるわ。
そのせいで入学式開始まで20分をきってしまったからだ。
「もう、アレ使うしかないよね……」
今回ばっかりはしょうがない。
すっと目を閉じると、花恋は凛とした声で唱え始めた。
「酒吞童子の末裔により呼び出されし門よ、我を我が欲する場へと送りたまえ。
ーー鬼門よ、開け!!」
唱え終えた瞬間に、花恋の周りに霧が出現した。
そして霧が晴れるとーー
ーー大きな漆黒の鳥居のようなものが現れた。
「ーーいくか」
花恋は迷うことなくその鳥居の奥へ消えていった。
~舞台は変わり、国立青龍学園へ~
国立青龍学園。
人間ではない者や、大企業の御曹司や令嬢が通う超エリート学校だ。
学園の人がいない、静まり返った場所にそれは出現した。
先程の漆黒の鳥居が現れたのだ。
そこから出てきたのはやはり、神楽坂花恋だった。
「ふう、間に合った……ーーいやー、やっぱり鬼門は万能だなあ。助かった!!」
とひとりごとをつぶやく。
なんとか学園の入学式の開始に間に合った!よかったあーー!!
と心の中では大声を出して喜んでいたが。
「おっと。のんびりしてる暇はないな。せっかくここまで来ることができたのだから早くいかねばな」
花恋はくるりと踵を返し、入学式が行われる体育館と歩を進めるのだったーー。
その後ろ姿を、じっと見つめている黒髪の男がいた。
制服を着ているから多分、ここの生徒だろう。
彼は、遠くから見てもわかるくらい綺麗な顔立ちをしていた。
ーーまるで、人間ではないかのような。
~数分後~
『これより、第60回入学式を始めます。』
アナウンスがかかり、花恋は緊張した面持ちで背筋を伸ばした。
そして数十分後ーー
いや、おかしいだろ!?
花恋は、心の中で叫んでいた。
校長は「みなさん、ようこそ本校にお越しくださいました」云々しゃべり続けて話だけでも20分とかかったしさ!!
校則厳しいとかならわかるけど、日常の注意点をずっとしゃべり続けてるし!!
『それでは、本校生徒会長の、鬼龍院月也さんのお話です』
まだあるんかい!!
背の高い男子生徒がマイクの前に立った。
「……んんっ?」
なんか変な感じだな……もしかしてあの生徒会長、人間じゃない?
『みなさん、国立青龍学園へようこそお越しくださいました。私、生徒会長の鬼龍院月也と申します』
ーーゾクッと、全身に鳥肌がたった。
こいつ、まさかーー鬼か!?
しかも、この気配はーー呪天ノ鬼!?
うっそだろ……!?
「なんで、呪天ノ鬼がーー!?」
思わずつぶやく。
呪天ノ鬼は、酒吞童子、茨城童子と並んで強く、位が高い鬼だ。
ーーなんで、こんな奴が学園にーー!?
なんと、学園の生徒会長が最強の鬼だということが発覚しました!!
これから、どうなってしまうんでしょう!!
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それではまた!