通学路にて 3
こんにちは、四宮スノウです!
前回はちょっとざまぁ回でしたね…さてさて、今回は…?
それでは、小説の世界をお楽しみください!
「あーいうのは出ないようにしないと…」
男を引きずりながら急ぎ足で歩いて、最寄りの警察署についた。
「すいませーん」
のんきに受付の人の女性に声をかけると、受付の女性は目を丸くした。
なんで目を丸くする必要がある。と心の中で突っ込む。
「あ、あの…その引きずっている男性は一体…?」
と受付の女性はあぜん、いや、なかば怯えている?表情でわたしに聞いてきた。
いやまあ、そういう反応になるわな。
だって、華奢な少女が大の大人を、いや顎に大きな青あざをつくった大の大人を引きずっているんだものな。
そりゃそうだ。うん。
「えーと、女の子2人に襲い掛かろうとしてた男です。多分、指名手配されてた鴻上真司だと思うんですけど。」
花恋は説明した。
だが。
「え、お一人で大の男を…!?」
余計に混乱させたようだ。
やばいやばい…そりゃあ混乱するわな!!
「え、えぇっと実はわたし空手やってて…!黒帯なんですけど、とっさに動いたら倒せちゃいました…」
慌てて言い訳をすると、受付の女性は納得してくれた。
「では、確認してまいりますので少しお待ち下さい。」
お、遅れちゃう!!
「できるだけ早くお願いします…!今日入学式なので…。」
「ああ、そう言えば今四月ですもんね。わかりました!」
そう言って女性は微笑むと、奥に入っていった。
〜数十分後〜
暇だったので小説を読みながら待っていると、コツコツと足音が聞こえてきた。
「君が鴻上真司を捕まえた方かな?」
声をかけられたので顔を上げる。
そこには、黒髪に青の眼を持った長身の男がいた。
「…そうですが」
花恋はそう答える。
警部らしき男は片眉を上げた。多分、わたしの淡白な反応が気に食わなかったのだろう。
仕方なかろう。こんな反応くらいしかバリエーションがないのだから。
「もう少しいい反応をしたらどうかね?」
言うと思った。案の定である。
「こんな反応くらいしかバリエーションがないので」
と淡々と述べる。
警部らしき男は盛大に、嫌味ったらしくため息をついた。
「先程の女性に対しての対応とは全く違うね、君?」
そりゃそうであろう。
こちとらよく知りもしない人間にごちゃごちゃ質問されて堪忍袋の尾が切れそうなのだから。
この男も、これ以上問うても無駄だと理解したらしい。
「…まずは自己紹介からだね。私は警部の神狩修司だ。君は?」
諦めて名乗り、わたしにも名前を聞いてきた。
「神楽坂花恋、13歳。中学2年生です」
名前を教えてもらったからとて警戒を解くつもりは全くもってない。
「ふむ、花恋君ね。さて、これから聴取を行うのだが…」
「待ってください」
花恋は修司警部が喋るのを遮った。
「何かね?」
警部が不愉快そうに花恋に尋ねた。
「帰っていいですか?」
修司警部、ために溜めて〜の。
「君はふざけてるのかなぁ!?」
警部、憤慨。
「ふざけてないです。それより、年上に見えるようにする喋り方、やめていただけます?」
「はああああああああぁぁぁぁ!?」
警部、大憤慨。
「君はああああ!!!オレにいいいいいい!!指図するのかなああああああ!!!?」
警部はさっきまでの言葉遣いをかなぐり捨てているのに気づいているのかどうか。
「一般市民の君があああああああぁぁぁぁぁ!!!!???」
うるさい。こんな奴が警部なのか?
思わずつぶやく。
「よく警察署の中でこんな大声出せるな、この人…ほんとに警部?」
ぼそっとつぶやいたつもりなのに警部はキッとわたしを睨み、また獣が雄叫びするかのように叫んだ。
「君いいいいいいい!!!全部、全部聞こえてるからねえええええ!!!!?
オレが警部に見えないのかなあああああああ!!!???」
「マジでうるさいです、神狩修司警部。警察署で雄叫びを上げないでください」
いい加減、相手にするのも面倒になってきた。
「はあ……。ここに何があったのか書いたものを置いておきます。
何かご不明な点がありましたらそこの紙に書いてある番号にご連絡ください。
それでは、わたしは帰りますので」
花恋はぎゃんぎゃんうるさい警部をほって、学校へと急ぐのだったーー。
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それではまた!