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番外編〜鬼のツノあるある〜

「ふわあああ…」

もう朝かあ…。


大きなあくびをしてから、寮のベッドを降りる。

実は特別クラスやAクラス以上の人は、専用の寮があって、そこで生活するんだって。


まあ、知ったときは滅茶苦茶驚いた。


…って、あれ?

なんか、視界が半分暗いぞ?

なんじゃこれ…。


「…あれっ!?」

もしかしてこれ、まくら!?


「ななななななな…!!」

何がどーなってるの!?


と、とにかく、みんなにみてもらわないとわからない…!

それに、外して貰わなきゃ、これ…。


そんなことを考えながら、生徒会室へと続く廊下を、ペタペタと歩く。


ーーがちゃ。

「おはようございます…コレとってもらっていいですか!?」

開口一番、花恋はそう言った。


「…何があった?」

「あはは、すっごいことになってる〜」


笑わないで、澪くん!!

恥ずかしいから!!


「なんだ、それ?ーーとにかく外すぞ。蓮、手伝え」

「はあっ?なんで俺が?ーーはあ、しょうがねーな…」


夢牙くんの言葉に、心底嫌そうな表情をしながらも外してくれる蓮くん。


ーーぼすっ。

まくらが床に落ちた、次の瞬間ーー


「ええええええぇぇぇええぇえええええ!?」


ーー花恋は、叫んでいた。


つ、ツノが、生えてる…!!


「花恋ちゃん、ツノ生えてない〜?」

「…ホントだな。ツノ生えてる」

「なんだそのツノ!?」


やっぱり気のせいじゃない…!!


「おい、うるさいぞ」

不機嫌そうな月也くんの声にハッとする。


あっ…。

月也くんに聞けば、何かわかるかも…!!

同じ鬼だし…!


慌てて、月也くんに話しかける。

「あ、あの、月也くん…!」

「…なんだよ?ーーって、それ…」


月也くんの視線は、わたしのツノに注がれていた。


「な、なんかツノ生えちゃいまして…。…どうすればいいかな?」

恐る恐るお伺いをたてる花恋。


「…神楽坂花恋。お前まさか、妖力の操作方法知らないのか?」

信じられない、という表情で聞いてくる月也くん。


ようりょくのそうさほうほぉ?

ナニソレオイシイノ?

妖力はかろうじてわかるけど…。


「はあ…、しょうがないし、妖力の操作方法、教えてやる」

かなり渋々といった感じだけど、そう言ってくれた月也くん。


「やり方は至って簡単だ。まずは、妖力を、つまり熱い血の流れのようなものは感じてみろ」


熱い、血の流れ…。


目を閉じて、自身の体に神経を向ける。

ーー最初は……わからなかった。


でも、だんだんと感じてくる。

熱い何かが、どくんどくんとうごめいているのを、感じられるようになる。


「この、どくどく脈打っている熱いもの、ですかね?」

首を傾げつつ聞くと、月也くんは目を丸くした。


「すごいな…。すぐに妖力を感じられるようになるやつは、そうそういないのだが…」

そ、そうなんだ…?


「まあ、いい。次は、その妖力を丹田、つまりおへそにぐぐっと集めるようにしてみろ。上手くいけば、ツノも消える」

な、なるほど…。


やってみよう。


まず、妖力を感じて…。

次に、おへそのあたりに感じた妖力をぐぐっと集める…!


ーーしゅん。


「わああ〜…。花恋ちゃんの…」

「ツノが消えた…」


「え?消えました?ツノ…」

驚きで目を見張る。


こんなに早くできるなんて…。


…ってことは、妖力制御、コレでできたってことでいいのかな…?


「こ、これでいいかな…?」

そっと尋ねると、月也くんは微笑を浮かべながら言った。


「ああ。よくできているな。それでいい。ーーただ…」

ただ?


「…お前はこういうのを持ったほうがいいだろう」

そう言いながら月也くんが差し出してきたのは、指輪だった。


わたしの髪と同じ、赤色の石がついた綺麗な指輪。

月也くんから受け取って、しげしげと眺める。


一体、何に使うんだろう…?

「これは、妖力制御をしやすくする魔道具だ。俺や夢牙、そしてお前のような妖力が巨大なやつがよく使用する」


ってことは、月也くんと夢牙くんも使ってるのか…。


「あ、ありがとう」

月也くんにお礼を言ってから、指輪をはめてみる。


指輪をはめると、なにかがすっと和らいだ気がした。


「ーーよし、これで妖力制御の話は終わりだな。俺は寝る」

月也くんは、眠たそうに目を擦りながら二度寝をしに寮へと戻っていったーー。

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