可能性として考えられること
「〜んーと、この首輪が花恋ちゃんの力で燃やされたとして…。どうして、蓮はあんなふうになったんだろ〜?」
澪くんの言葉にみんなが顔を見合わせ、同時に首を捻る。
口を、いやクチバシを挟んだのはーー
『ボクは、この首輪のせいだと思うけどな〜』
ーー(自称)謎生物の、モモイロだった。
「はあっ?んなわけねーだろ…つーか、お前、誰だよ!?」
今さらに取り乱す夢牙くんに、苦笑いする花恋。
『ん〜?ボク、モモイロだよ〜?』
そう言いながら、モモイロはこてんと首を傾げてみせる。
説明になってない。
花恋は心の中で「もうちょっとちゃんと説明してあげて」とモモイロに訴える。
案の定。
「いや、お前は、花恋のなんなのかを聞いてるんだが!?」
やはり理解できていなかったようだ。
しかも夢牙くんの声は裏返りすぎて、1オクターブほど高くなっていた。
『あ〜、そういうことか〜!』
ようやく納得した表情になるモモイロ。
そこに、
「「空気読め(読んで)!!」」
異口同音の鋭いツッコミが入った。
『んーと、ボクは花恋のお母さんが開発した超高性能AI端末なんだ〜。本体は、地球の周りを回る静止衛星に搭載されたスーパーコンピューターだよ〜。ちなみに、花恋のお母さんは、ロボット工学博士、情報学博士、理学博士とかの学位持ってるんだよ〜』
実は花恋の母親は、ロボット工学博士を筆頭に、さまざまな学位を所有する天才科学者なのである。
「うええ…。凄まじいな、花恋の母親…」
「…凄いな」
「すっごい実績〜…」
「……」
全員、ドン引き。
「まあ、それは置いといて…。なんでモモイロは、首輪が原因だと思うの?」
花恋がモモイロに問う。
『なんていえばいいのかな〜。なんていうか、闇のモノを感じるっていうか〜…』
う〜ん、と首を捻りながら答えるモモイロに、
「「闇のモノぉ?」」
花恋を除いた全員、怪訝な顔。
「んー、じゃあ、ルナに調べてもらおっか。そうすれば確実だしね」
花恋は、腕に巻かれた白と水色の時計を指差した。
「「ルナぁ!?」」
またまた、怪訝な顔をする一同。
「ルナ、っていうのはモモイロと同じく母さんが開発した超高性能AI端末。モモイロはいろんなことを満遍なくできるタイプだけど、ルナは解析とか、ハッキングに特化したタイプなんだ」
ぴょこんと立てた人差し指をメトロノームのように振りながら説明する花恋。
「お、おお…。ナルホド…」
「…花恋の母親が怖いな」
「蓮に同意だよ〜。知識のバケモノというかさぁ…」
「……」
みんなは一斉に顔を青くした。
月也くんは、流石に青くはならなかったけどなんだか顔色が悪くなったようである。
「なんかみんな顔色が悪いみたいだけど……まあ、いいや。ーー聞こえる?ルナ」
みんなが何を思っているか察していない花恋は、ルナの名を呼ぶ。
ーーピコンっ♪
何かの起動音ののち…
『何か御用でしょうか。ーーご主人様』
あの時の、凛とした機械音声が流れた。




