file.final 悪意と影殺の決戦場
前回のあらすじ
事件が起きた現場へ向かう途中、おかしな様子の室伏と会う。そして事件現場で会った夜鬼嶋さんと共に複数の証言を集める。途中grannyに妨害されるも怪しい人物や証言が集まる中、かだんの一言で句崇刃が事件解決への発想を得ることになる。果たして夜鬼嶋と一芝居打つことで犯人を見つけ出すことはできるのか?
???「誰も俺の本当の似力について知ることはできねえ…知ったところで忘れさせることもできるしな。だから後はこの流れのまま事件解決すればいい、アイツらも気付いてないだろうしな…」
句崇刃「つまりアンタは似力を使って解錠をして犯行に及んだんだ」
絡目「だから確かにドアに指紋がついてたのは認めるよ!でも人一人いないっていったじゃないか」
夜鬼嶋「人一人いないっていう貴方の証言は周りの人の証言と一致しません、その発言とやらも嘘と考えてもいいでしょう」
絡目「グゥァァァ!?」
句崇刃「つまりアンタがトイレ清掃中の虚城さんを後ろから返り血がつかないように刺して掃除用具の入ったカートの中に証拠隠滅して犯行に及んだんだ!」
絡目「クソッ…ここまでかね」
かだん「よっしゃ!これで事件解決だぜ」
からん「あとは室伏さんを無事に送り届ければ依頼達成ですね」
引岸「一時はどうなることやらと思いましたが」
室伏「うむ!天晴れじゃ!流石探偵じゃの」
???「フン…終わったと思って油断しおって、もう既に間合いじゃ」
死ねぃ!夜鬼嶋刃慣!!
夜鬼嶋「何!?あ、貴方…は…」
???「フン…他愛もな…何!?」
しかし謎の人物が襲った夜鬼嶋の姿はそこには無い…
夜鬼嶋「何処を見ているのですか?」
???は困惑していた、当然のことである。その手に確かに獲物を切った感覚があるのだから
夜鬼嶋「私の使う鬼層の体は見破ることはできませんでしたか、それもそのはず貴方は似力を使えば正体がバレますからね」
句崇刃「やはりそっちから狙ってきたか、くらいな。鬼波拳!」
???「グハァァ!」
句崇刃「さぁ、茶番は終わりにして本当に事件解決させてもらおうか!」
なぁ! 屋我利 屋さんよ!
室伏「な……」
引岸「何をやっているんです?句崇刃さん!」
かだん「嘘だろ?そんなわけ」
からん「………」
屋我利「な、何言ってるんでい?冗談もほどほどに…」
句崇刃「探偵が事件に対して冗談言うわけないだろ、相応の理由がある」
夜鬼嶋「句崇刃君、事件の全貌を話してあげてください」
句崇刃「そもそも屋我利さん、アンタの似力は土層崩なんかじゃない、それは本当の能力一部に過ぎない。本当の似力はその崩すことそのものだ」
かだん「崩す…あっもしかして!?」
句崇刃「そう、この事件はこの似力でかなり撹乱されている、それは空港から始まって事件が終わってからもだ」
引岸「納得のいく説明を貰えるんでしょうね?」
句崇刃「今から事件の全容を話す、まずは空港に着いてから俺たちは3組に分かれた、その時屋我利さんとかだんは一緒にフェルヴェーレングを尋問していたがその時既に空気を崩して蜃気楼のような状態を作ることでその場にいるように錯覚させていたんだ」
かだん「確かにアタシは尋問の方に気を取られてたし、見張りは任せてた感じではあったけど…」
句崇刃「そしてこっちの組に今度は空気を別の要領で崩すことで音が鳴らないようにして室伏に近づき、似力を使って正気を崩して失わせることで事件の撹乱のために動かしたんだ」
引岸「私達は指定の位置についた後すぐに私のからんさんは準備をしに行ったのでその後ということでしょうか」
句崇刃「あぁ、タイミング的にはトイレに行きたいと言うよりも前だろうな、不自然な行動とは感じれなかったから正気を崩すと一種の洗脳状態のような感じにできるのかもしれない…」
室伏「ん?ウチがトイレに?そうなのか?」
句崇刃「まあバレたら困るし本人には伝えてなかったけどな。そしてそのあとは実際の犯行だ、絡目と合流してまずは犯行現場の外の壁を崩して壊したんだ」
からん「これも事件の撹乱のためでしょうか?」
句崇刃「あぁ、壁を崩して犯行に及んだと勘違いさせるためだな、実際この音を聴いた人がいるからその話をこっちが聞いて勘違いするのを狙ったんだろう」
宴倉「なんだか悪いことしちまったみてえだな」
句崇刃「まあ、しょうがないさ。そして絡目と少しだけ時間を分けてトイレに入り鍵を開けさせて犯行に及んだんだ」
屋我利「待てや!俺は男やぞ、女子トイレに入ろうとすれば怪しまれるやろがァ!」
句崇刃「それも空気の崩しで誤魔化せるだろ、自分自身ができるなら他の人間だってできるはずさ、目撃証言も遠目で見たくらいのものだしな」
潤芽冰「確かに私が室伏って子がトイレに入るのを見たのはその絡目って人の後だったけどそいつがそうだっていうのかい?」
句崇刃「俺はそう踏んでいる、その後に屋我利は虚城の体を掴み血液を崩したんだ、当然暴れただろうがそれでも次第に体が動かなくなるだろう、結果的に心筋梗塞のような状態になり死んでしまったんだ」
夜鬼嶋「だから刺されているのに体からあまり血が出ていなかったのか」
句崇刃「そして最後に絡目さんにナイフを刺させてさらに事件を隠蔽させようと命令して自分は元の場所に戻るだけだ、これば俺の考える事件の全貌だ」
屋我利「おいおい!舐めちゃいけねえぜ坊主よ!今の話は俺がその似力を使えるって前提じゃねえか、そんな証拠どこにあるんだよ!」
引岸「そうですよ…流石に証拠も無しに疑うのは…」
そこで句崇刃はある一枚の写真を取り出した
引岸「な!?これは…」
それは屋我利が室伏に迫ろうとしている写真だった
屋我利「な、な、な、なんですかこれはぁ!」
句崇刃「俺の服の襟に忍ばせといた小型カメラだ、職業柄背後から襲われたりしかねんし今はフェルヴェーレングと対立してるから用心のためにつけてたんだがまさかこんなとんでもないものが取れるとはな」
屋我利「こ、こんな偽物の…」
句崇刃「一応言っておくがこの空港内のPCがある部屋にはどこにも立ち入ってないしこの写真を現像したのもそこの警察官だ、手を加えたりなんてしてねえぜ?」
屋我利「グヌヌヌヌ…」
句崇刃「これだけじゃねえ、この空港はよく麻薬が運び込まれたり、事件が絶えないそうだ。だからこの空港のカメラは少し特殊でな」
かだん「何が特殊なんだ?」
句崇刃「カメラにサーモグラフィがついてるんだ、あとは言わなくてもわかるよな?」
屋我利「クソがぁ…」
室伏「こっこれは…」
カメラに映るおかしな空気の層と室伏の姿はあるがそのサーモグラフィの影が明らかにおかしくなっている
句崇刃「これで分かっただろ、こいつは何食わぬ顔で室伏に近づきあまつさえ犯行に利用しようとするこの事件の犯人だ!」
引岸「そんな、あんな話で騙して潜伏していたと…?」
句崇刃「何?」
室伏「こやつはある組織に追われ孫や子が始末される中命からがらにうちにきたという話を聞いたお父様が雇った男だと聞いておる…」
夜鬼嶋「残念ですが…その話は嘘のようのですよ」
室伏「えっ…」
からん「むしろ人にそういうことをしてきた側の人間で、その話も自分が襲ったある家族の話をそのまま転用してるだけみたいですよ」
屋我利「な、何を根拠に」
被害者「あ、お前に家族を殺されたんだ!お前は笑っていたから覚えていないだろうけどな!」
屋我利「な、なんでお前が」
からん「私の能力、お忘れですか?あなたが怪しいと句崇刃さんに聞いた時に星屑通信の能力範囲を貴方のことが引っかかるように使ってみたところこの空港がよく人が集まることもあって1人、貴方に害なされた人が見つかりましたよ」
そのからんの目は何一つ笑ってはいなかった
かだん「…やっぱ姉貴を怒らすと怖えぜ…」
句崇刃「アンタが犯人だとは当然最初から思っちゃいなかった、だけど俺は探偵だぜ?タバコを崩したボロ一つで疑うことは容易かった。そして証拠を残すことに頓着しないアンタの行動は全てバレないという圧倒的な自信によるものだ。悪いが今全てがバレた以上言い逃れももうできないぜ?」
屋我利「うぅぅ…ウァァァァ!!」
屋我利が袖に隠した小刀を突き立てようとするが…
夜鬼嶋「甘い」
夜鬼嶋がその腕ごと小刀を叩き落とす
屋我利「ウワァァァア!?!?!?」
夜鬼嶋「あなたが殺した虚城さんを見ました、貴方に苦しめられ死ぬ間際まで今日誕生日の娘のことを考えていました。そんな人を苦しめ殺すなどと」
赦しません!! 万死鬼酷殺
夜鬼嶋が放つ一撃が屋我利を行動不能にする
引岸「………すみません、助かりました句崇刃さん…」
室伏「今度お父様にはもっと護衛を選別するように伝えねばな、もしくは…」
かだん「でもこれで事件は解決ってことなんだよな!」
からん「今回は私も役に立ててよかったです…」
句崇刃「これであとは室伏達を送り届けるだけだな」
屋我利「ウゥゥゥ…」
夜鬼嶋「まだ何かしようというのですか?」
屋我利「……………す」
屋我利が奇妙なことをぼそっと呟いた次の瞬間
屋我利「私は至高の為尽くす!」
そう言ったあと口に隠した特殊な激毒で体中から血を大量に流して死んだ
句崇刃「クソッ、自滅か!?いやなんだこの血は?黒い?」
屋我利が死んだ点を中心に黒い影のようなものが周りにへばりつく……
からん「なんでしょうかこれは…」
かだん「うえ…服についちまった…」
夜鬼嶋「これは…さっき発言を見るに警戒した方が良さそうです…」
句崇刃「なんにせよまだ厄介ごとは終わっていないようだな…ん?」
その時かだんについた黒い物体の中から鋭利な形をした黒いものが出てくる…
句崇刃「あぶねえかだん!グッ!」
からん「句崇刃さん!!」
夜鬼嶋「クッ!これは!?」
句崇刃「室伏は!?」
室伏「う、ウチは大丈夫じゃ…じゃが引岸が!!」
皆が振り返ると引岸が血だらけで倒れている、斬座上がある程度受けきったようだが2人分の攻撃を捌いたため受けきれなかった攻撃で大きくダメージを受けてしまっていた…
句崇刃「まずいな…とりあえずからんは室伏を連れて下がってくれ…夜鬼嶋さんとかだんは俺と一緒にアレをなんとかするぞ」
黒い物体の中から不気味な男(?)が出てくる
絡目「あぁ………嗚呼あああ!あの方は影の追葬様!?」
夜鬼嶋「ふむ…聞いたことのない名ですね」
絡目「フェルヴェーレング幹部の中でも謎が多いお方でこの影質と呼ばれるところからしか出てこないが、その代わり凄まじいスピードで行動するぐらいのことしか知らないわ…」
その時影の追葬が絡目の方に向き直る
絡目「ヒィ!おっおっおっお助けください…お願いヒュオ?ショアヒリヒョヒョフォア?」
絡目は四肢を引きちぎられそれら全てが影質の中に引き摺り込まれ異様な音とともに消えた
かだん「………人が…あんなふうに」
夜鬼嶋「皆さん!!早く一般客の避難を!!アレは私が対処します!!」
句崇刃「一般客は警察に任せておけば大丈夫だろう…基本はこの影質からしか出てこないらしいから離れれば身の安全は保証できるはず…」
かだん「なんとか剥がせたけどこれからどうするよ、聞いた話じゃ人間には思えねえぜ」
夜鬼嶋「そうでしょうね、アレから読める心が一つとありません。そういう似力を持つ妖怪の類と考えていいでしょう」
夜鬼嶋がふとみんなの方に向きなおったそのとき…
夜鬼嶋「句崇刃君!!」
句崇刃がさっきかだんを庇った右腕の傷から黒い物体が句崇刃の首を切りつける…
句崇刃「ガハッ……なんで………」
からん「句崇刃さん!!」
室伏「あっ…あっあああ」
夜鬼嶋「刃ちゃん!!!」
影の追葬(嫌らしい笑みを浮かべこちらの様子を伺う顔)
かだん「う…ああああ!!」
からん「駄目ッ!かだん」
句崇刃への攻撃が自分のせいであると焦り攻撃をしかけるが…
影の追葬(余裕の顔で高速移動しかだんに攻撃する)
かだん「グッ…ガハッ!」
からん「かだん!!」
夜鬼嶋「マズイ!!このままじゃさっきの彼女みたいに…」
しかし影の追葬はかだんを影質が出した触手に跳ね飛ばされるだけだった
からん「なんでかだんにはアレをしないの…影…いきなり現れる…まさか!!」
夜鬼嶋「何か知っているのですか?」
からん「この奇妙な影のようなもの、春咲さんが言ってた仇のことなんじゃないでしょうか?」
夜鬼嶋「あの事件の犯人ということでしょうか…」
からん「だから関係者である私達にはなんらかの理由で危害は加えても殺すような真似はしてこないと考えています」
夜鬼嶋「どちらにせよ私が対応するしかなさそうですね」
〜それから戦闘が行われるが…〜
夜鬼嶋「斬鬼斬!」
影の追葬(斬られはするものの即座に別の影質から姿を現す)
夜鬼嶋「斬っても効果は薄いですか…ぐっ…!?」
複数の影質から槍が放たれ、避けきれなかったものが刺さる!
からん「マズイです!夜鬼嶋さんは攻撃をくらいすぎてしまうと…」
夜鬼嶋「このままではジリ貧で負けてしまいますね…」
影の追葬(突如室伏の方に向いて思案するような行動をとった後ニヤついた顔のような感じで攻撃する)
夜鬼嶋「……!気づかれた!?マズイ!」
咄嗟に室伏を守るがその状態で自分に向けられた攻撃を防ぐことは…
夜鬼嶋「グッ…うう…このままでは…」
室伏「ウチが狙われたせいで…」
からん「このままじゃほんとに全員やられて…」
影の追葬(つまらなさそうな顔で夜鬼嶋に更なる攻撃を仕掛ける)
からん「だ!駄目!」
身代わりになるからん
夜鬼嶋「ダメ…です、私に…向かう攻撃には…」
室伏「だ…誰か助けて」
助 け て!
カァン!!
からん「!?!?」
室伏「あっ…ああ(泣)」
夜鬼嶋「……信じてましたよ」
句 崇 刃さん!!
句崇刃「すまねえ…夜鬼嶋さん、負担かけちまったな」
夜鬼嶋「いいのよ刃ちゃん〜!」
句崇刃「…それだけ元気そうなら後ろで見ててくれ」
室伏「にしても一体何が…」
句崇刃「俺にもよくわかんねえが多分前言ってた鬼由来のなんかかもな、気絶してる間そういう声が聞こえたし。まあ詳しいことは師範代にでも後できくさ…それより」
影の追葬(すこし止まったが、すぐに無数の攻撃を句崇刃に向ける)
しかしその攻撃は
句崇刃「そらっ!今の俺には効かねえぜ!」
飛んできた影の攻撃を全て掴み大きく回転させて引きちぎる!
影の追葬(!?すぐに出した攻撃を引っ込め様子を見出した)
室伏「まるで鬼が影を踏み行動を抑止しているような…」
夜鬼嶋「大きく効いているようではありませんが対抗できなかった時よりは!」
からん「これなら…」
室伏「いや…このままじゃこっちのジリ貧なことには変わらなさそうじゃ…」
句崇刃「そうだな…アイツは人間じゃない、スタミナの概念がない以上決め手がないと…」
室伏「………もしかしてこの手なら」
夜鬼嶋「何か思いついたようですね?」
からん「やってみましょうか」
〜そして30分後〜
夜鬼嶋「不動の斬鬼!」
句崇刃「鬼凱拳!」
からん「(3時の方向に2本、6時に1本、11時の方に3本です)」
句崇刃「おうよ!ありがとな」
夜鬼嶋「にしてもさっきのように崩しやすいところから攻めなくなりましたね…」
句崇刃「よっぽど影を触られたのが嫌だったらしい…こっちしか見えてねえな」
室伏「準備ができたのじゃ!」
句崇刃「よし…からん頼むぞ」
からん「はい…(3…2…1…今です)」
この掛け声を伝えられた句崇刃と心を読んでいる夜鬼嶋そしてからん本人が同時に目を閉じる
影の追葬(どういう意図かわからないがチャンスだと思い攻撃を集中させる)
室伏「引っかかったの!くらうのじゃ!うちの加算龍で超強力になった
特注の懐中電灯じゃ!」
〜遡って空港への出発前〜
室伏「これは?」
かだん「アタシが作った特製の懐中電灯だ!」
室伏「どういう風に使うのじゃ?」
かだん「これ、目に当たっても目を痛めずに自由を奪えるんだ!だから困った時に使うといい」
室伏「なるほどのぅ…まあ使う機会はないじゃろうがありがたくもらっておくのじゃ」
〜そして現在〜
室伏「これで!終わりなのじゃ!」
効果が大きく増幅した光を受けた影の追葬を照らす!
影の追葬「ゥゥゥゥ…アガ…アアアア」
流石の強力な影だとしても超強力な光の前についに姿を消すこととなる…
句崇刃「終わったか…」
夜鬼嶋「一時はどうなることかと思いましたがこれで本当に事件解決ですね」
からん「かだん、大丈夫?」
かだん「ハッ!あっああ気絶してただけで大事には…って句崇刃さん!大丈夫だったのか?」
句崇刃「まあな、それも含め見送ったら事務所に戻って詳しい話を聞こう」
〜そしてバタバタから更に3時間〜
室伏「じゃ!いってくるのじゃ」
かだん「元気でなー!」
室伏「そうじゃ、お主一応言っておこうかの」
句崇刃「ん?」
室伏「確かに有用な力じゃがなんだか危険な気も少し感じられるのじゃ、気をつけい」
句崇刃「そうだな…人を超えた力であることは確かだし気をつけとくよ」
室伏「じゃ!今しばらくの別れなのじゃ」
そうして室伏は大手を振って飛行機に乗り込み旅立っていった
〜引岸は重体なので大きい病院に運ばれました〜
そして皆は帰路につき…
〜名織事務所〜
名織「みんな大丈夫だった?心配したのよ」
夜鬼嶋「お久しぶりです、名織お嬢」
名織「あら!夜鬼嶋さん!お久しぶりね!」
春咲「句崇刃君、かだんちゃんにからんちゃん…お疲れ様」
句崇刃「あぁ…いろいろあったけどとりあえず無事(?)に帰ってきたよ。春咲さんも大分強くなったみたいだな」
春咲「えぇ、師範代にも久しぶりに稽古つけて貰ってね」
句崇刃「そういやその師範代と話がしたいんだが今どこにいるかわかるか春咲さん?」
信館「いわれなくとも儂は既にここにいるぞ」
句崇刃「おわっ!お久しぶりです師範代…」
夜鬼嶋「私もお久しぶりです…師範代」
信館「フン…にしてものう…」
句崇刃(やっべーなんかめっちゃ見てくる……俺なんかしたっけ…)
信館「ハッハッハッ!まさかあの小僧が鬼魂体の発現に至るとはな!流石儂の弟子」
名織 信館師範代は他の区では畏怖の対象であり、一騎当千のヤクザと言われており数々の武勇伝がある…実際ほとんどは嘘ではないのだが…
信館「にしてもそんなものが発現するくらい危険な現場に飛び込んどるんか…まったく」
夜鬼嶋「そういってあげないでください…彼がいなければ今頃私も…」
信館「まったくお前さんは小僧にだけは甘いのぉ…想いは伝えたんか」
夜鬼嶋「わー!!わーわーー!わーーーーー!!!!!」
このように怖い行動を取ることはあるが別に怖いわけではない、むしろヤクザにしては人格ができている方だ。そもそも警察と協力してる時点で一般的なヤクザとしては活動しておらず公認の自警団に近い
まあ、一言で言えば好々爺で元気なおじいちゃんだ。まあこの体格で怖い行動取られたらやっぱ怖いんだけどな
句崇刃「それで、師範代から話を聞いてもいいか?」
信館「ええぞ!今稽古終わって暇だしな」
夜鬼嶋「私も気になるので聞きましょう」
春咲「かだんちゃんとからんちゃんは疲れてるでしょうし私と一緒にいましょ」
からん「私春咲さんに伝えなきゃいけないことが…」句崇刃
春咲「なにかしら?」
〜そして師範代の部屋〜
句崇刃「それでこの能力は一体なんなんだ?」
信館「まあ結論からいうとお前の元の似力のようなものじゃ」
句崇刃「えっ、じゃあ雨桜は…」
信館「そう…小僧の似力でもなんでもないぞい」
夜鬼嶋「でもあの雨桜さんは一体…?」
信館「あぁ…儂がつけた特殊なデータロイドに近い電子生命体じゃ」
句崇刃「それはどういう…」
信館「儂の嫁が生前に自分の若い頃のうつしみとして作ってたんだが…儂には特に何も言ってくれなくてのぉ…」
句崇刃「えぇぇぇ!?!?雨桜って師範代の嫁さんの若い頃なのかよ!?」
夜鬼嶋「名織 彼方さんですね……私は少し会ったことがあります」
信館「ちなみに雨桜は彼方の旧姓らしいぞ」
句崇刃「はえ〜奇妙なこともあるもんだな、それでその鬼魂体ってのはどういう能力なんだ」
信館「人間に魂があるように鬼にも魂がある、小僧はその鬼の魂すらも自分の力としてつかうことができる」
夜鬼嶋「聞いてもよくわかりませんね…」
信館「例えば致命傷を負うような傷でも回復が早くなったり、単純に力が強くなったり、概念のようなものに触れるようになったり…まあ他にも鬼の原理が通用することであれば大体できるぞ」
句崇刃「はえー便利、でも便利なだけじゃなさそうだけど?」
夜鬼嶋「どういうことでしょうか」
句崇刃「室伏が去り際にいったことが気になってな」
信館「ほぉ、あの小娘も能力の片鱗を感じ取ったのか」
句崇刃「やっぱりなんかマズイことあるのか?」
信館「能力を使いすぎると鬼の魂の方に引っ張られてしまうのがあってな、色々デメリットがあるが一番なのは正気を失うことじゃろう。そういうのもあって幼いお前にはできるだけ使わせないようにしてたんじゃ、まあ今ならある程度大丈夫だろう」
句崇刃「なるほど、それなら無闇矢鱈に乱用はできねえな」
信館「ま、それはおいおい儂との手合わせで探り出せばよいわい」
句崇刃「そうだな…よろしくお願いします師範代」
信館「その礼儀正しさ…アイツにも見習わせてやりたかったわい…」
夜鬼嶋「ん…今何か?」
かな「お話、終わりましたか?お爺様」
信館「あぁ…今日は泊まって行くだろう?仕事完遂祝いに豪勢にいこう」
その時信館の着物の中から缶ビールの空き缶が転がり落ちる
かな「え…お爺様?」
信館「あっ、やっべ」
夜鬼嶋「あれ?師範代肝臓を悪くしたから酒はやめたんじゃなかったですっけ…」
かな「お爺様??(右手を信館の着物に伸ばす)」
信館「あっちょっま弟子達!助けて!」
句崇刃「流石にかなさんと戦いたかねえよ…自業自得だ師範代」
夜鬼嶋「私は今日の仕事の始末書なり仕事があるので帰りますね、師範代は可愛い孫のこと怒らせちゃいけませんよ?」
信館「薄情者ー!アッ!」
かなが信館の着物をバケモノみたいな握力で握りながら引きずっていく
かな「全く何度も何度も目を盗んで飲んで…これは一回強烈な説教が必要ですね?」
お じ い さ ま?
こうした仕事を終えた句崇刃達は一夜を明かしたのだった…
第三部 画竜点睛・エスケープ
〜fin〜
???「それが…私誰かに尾けられてるんです…」
???「私は何も後悔してないわ、だから貴方ももっと頼っていいのよ」
???「それはデッドリーカンフル!?駄目!!」
come me DS インシデント
第四部 coming soon……
第四部、タイトルはまだ決まってないけど内容はアイドルもののようなものです
乞うご期待!