file.2 其の道の辿り着く果て
引岸「とりあえず作戦会議をする上で私達の似力について話しておきましょう」
屋我利「もしかしたら何か役に立つかもしれねえからなぁ」
句崇刃「確かにな、聞いておこう」
引岸「まずは私の似力から、私のは斬座上といってこのような武人の霊体を呼び出すことができます」
そう言った後背後に武士のような出立の霊が現れる
かだん「おぉ、カッコイイぜ」
引岸「ありがとうございます。こいつで攻撃したりするのが基本になります」
屋我利「次は俺だなぁ、俺の似力は土層崩って言うんだ。能力はまあ基本的には土を崩して攻撃したり道を作ったりするんだが今回はあんまり使えんかものぉ…」
からん「まあ目的地は空港ですもんね…」
室伏「そして最後はウチじゃな!ウチの似力は加算龍なのじゃ!ちょっと難しい似力だから今から詳しく説明するのじゃ!」
〜加算龍の能力説明〜
室伏が手で持ったものに対して10秒毎にそのものに対する事象一つに対してカウントを1加算することができる
例:ボールを手で持って10秒後に数を一つ増やしたり、大きさを2倍にすることができる。
事象はカウントができて加算が可能であるものであれば制限はない
例:個数、大きさ、温度など 日付や時間などは加算できない
数値化されている概念に限り、千や万などの単位を使い加算をすることができる
例:100℃のお湯を10秒後に200℃にすることは可能
触れないものでもそれが入っている容器などに触っていれば加算判定である
室伏「まあ細かいことはあるがこんな感じじゃの」
句崇刃「……成程、よく狙われるわけだ」
かだん「どういうことだ?」
句崇刃「たとえば犯罪組織が室伏を監禁して一万円を握りしめさせれば10秒ごとに1万円稼ぐことができる、そうなれば手をつけられなくなるのも秒読みだ」
引岸「そうなんです…そういう手のものが結構ひっきりなしにくることも…」
室伏「まあ、助けてはもらっておるのじゃ。それよりそなたらの似力について興味があるのじゃが話してはくれるかの?」
かだん「アタシは持ってないぜ、でも一応食ってくために鍛治師として仕事してたから護衛の防具とかで力になれると思うぜ」
からん「私の似力は星屑通信っていいます。私と範囲内の他の1人の間でテレパシーで会話などすることができるのでかなりお役に立てるかと」
句崇刃「俺の似力はコイツだな」
雨桜「コイツって何様呼ばわりだにゃん」
室伏「おぉ!?この女の子、見たことがあるのじゃ。そちの配信に出てるのう」
句崇刃「まあネットの情報とか配信を通じて情報を得たり、場合によっては相手のネット環境に潜り込んでってこともできるが後者はあんまりしないな」
室伏「なぜじゃ?」
句崇刃「単純にいうとメモリー不足に陥りやすいんだよ、データロイドだから行動全てにデータ通信を使ってるしな」
屋我利「これで作戦会議前に話すことは全てかねぇ」
引岸「とりあえず目標としては空港から安全に見送りができるようにするのが最終目標なので、それまでの過程の作戦や必要なものを考えたりしましょうか…」
〜句崇刃達会議&準備中〜
かだん「いざという時の防具はこんなもんで大丈夫そうか?」
室伏「おぉ、すごいのぅこんなことになってなかったら雇いたいくらいじゃ」
かだん「ハハハ…姉御が怖い顔して飛んできそうだ…」
屋我利「ほぉう、確かにこっちからも会話できるなぁ、すごいことだ」
からん「……少し恥ずかしいです」
引岸「いきなりこんなことに巻き込んでなんですが戦闘になりそうになっても大丈夫でしょうか…」
句崇刃「かだんと俺は大丈夫だろう、からんは似力のことも考えてアンタと組ませたほうが良さそうだ、頼めるか?」
引岸「おまかせを、そうそう簡単に倒れる訳にはいきませんよ、さっきは不甲斐ないところをお見せしましたけど…」
〜そして作戦会議が終了して〜
句崇刃「とりあえず空港まではこの山のルートを使っていくのが一番良さそうだな」
室伏「遠回りにはなるが考えがあってのことじゃな?」
句崇刃「あぁ、山道なら追跡する方法は限られる、しかも道が細いから無茶な運転は他の車との事故に陥りやすい」
引岸「でも山道だとぶつかられて落とされる可能性がありません?」
句崇刃「それについては車用の防護盾をかだんに作ってもらった、そうとうな衝撃でもなければまず無傷だ、逆に相手の車が走行不能になる。名織さんで確認した」
室伏「おお!あの馬鹿力で試したなら安心じゃのう」
名織「カァトちゃん?」
名織が室伏にアームロックをかける
室伏「ギャアア!ギブギブ岐阜!」
屋我利「なにやってるんでぃお嬢…」
句崇刃「そして肝心の空港での配置だがとりあえずかだんと屋我利さん、からんと引岸さん、そして俺が近くで周りを見張る感じにしようかとおもっている」
屋我利「ま、特に問題はなさそうだがねぃ」
句崇刃「敵が正確に情報を持っているとは思えないがもしからんのことを知っているなら相手方の作戦中に襲われる可能性もある、逆にそうならなければ離れていて何かあったとしてもそっちにすぐに集合することができる。だから引岸さんに頼むことにした」
引岸「よろしくおねがいします、からんさん」
からん「よ、よろしくお願いします…」
かだん「こっちの組はなんか意図があるのか?」
句崇刃「いやこっちにある、というより屋我利さんの似力が空港だと使いにくいからだ」
屋我利「確かにコンクリートなどでできた建造物ではむやみやたらに使えないんじゃ…」
句崇刃「逆に山道であればかなり強い、だから山道を通るんだ」
かだん「なるほどなぁ、探偵みたいだ…」
句崇刃「探偵だよ(怒)」
げ ん こ つ
かだん「いたァ!」
句崇刃「あとは普通に俺の方が強いから俺がつくだけってことだ」
かだん「そうなのか?」
句崇刃「そりゃ、ここで修行してたしな…あの爺さんにも稽古つけてもらってたし」
室伏「爺さんとはもしかしてここの当主の?」
句崇刃「そう、信館師範だよ」
ここ名織事務所の組長は名織 信館。かなさんのお爺ちゃんである
句崇刃「ま、だから護衛についてはそんなに心配しないでくれ、とりあえずもう行こう」
屋我利「もういくんでぃ?」
句崇刃「相手方に情報を与える前に出し抜く方が早そうだ」
かだん「室伏サン、これ…」
室伏「これは…?」
〜そして皆が特殊車に乗り込んだ後〜
春咲「句崇刃君!これ」
句崇刃「これは?」
春咲「お守りよ…無事帰ってきてね、その間にうんと強くなっておくから!」
句崇刃「あぁ、行ってくる」
〜句崇刃達は空港目指して山道へ〜
邪魔者達「室伏のとこのものだな、覚悟!」
からん「ヒャア!」
句崇刃「屋我利さん!」
屋我利「おうよ!拍土脚!」
技によって山の地盤が崩れ、追手の陣形が崩れる
邪魔者「覚悟!」
引岸「させません!」
武者の刀により攻撃を防ぐ!
引岸「大丈夫ですか?」
からん「は、はい!あっ」
からんが伏兵を見つけると
からん(句崇刃さん…6時の方向に3人隠れてます)
句崇刃「ありがとよ!くらいな!」
隠れている3人に向かって句崇刃が攻撃する
句崇刃「鬼連蹴り!」
かだん「はぇーやっぱ強いんだなぁ」
ちなみに運転はかだんがしている
句崇刃「運転させてるけど免許とか大丈夫なんだろうか…」
かだん「あぁ、試験に受かって取ってるから安心してくれよ」
句崇刃「鍛治師の試験に運転免許必要なのか…?」
かだん「…いや?フォークリフトの時だけど」
句崇刃「いったい何個仕事してきたんだ…」
かだん「まぁ生きるために必死だったからな、できることならなんでも言ってくれていいんだぜ」
句崇刃「今度ご飯作りでも頼むか…」
〜そして空港前〜
フェルヴェーレングの尖兵「きたな室伏家、そして句崇刃達よ」
句崇刃「俺のことを知ってるってことは組織絡みか、話を聞きたいから生け捕りにしたいが」
先兵「くらえい!」
槍をふるうが…
句崇刃「遅いぜ…廻鬼廻!」
尖兵の1人を掴み周りの尖兵たちに次々にぶつける!
尖兵「ぐぁ…」
かだん「なんかこんなこと言うのなんだけどあの事務所出の武闘派みんな野蛮じゃねえか?」
室伏「まぁ、あそこは先祖が鬼だからのぅ…なんならあそこかはるか昔の鬼ヶ島の跡地とも言われとるし…」
引岸「まともに戦いたくはないですね…」
〜空港到着〜
句崇刃「とりあえずかだんはあいつらから聞ける情報あったら聞いてくれ」
かだん「あぁ!なにがなんでも吐かせるぜ!」
句崇刃「………屋我利さんは入口の方で不審な人物がいないか見張ってくれ」
屋我利「まかされたぜぇ」
句崇刃「引岸さんはからんといっしょ手続きを頼む」
引岸「はい、いってきます」
からん「句崇刃さんも気をつけて…」
句崇刃「室伏はここで俺と待機だ」
室伏「その…トイレに行きたいんじゃけど…」
句崇刃「わかった、入口に立って待ってるから何かあったら大声を出してくれ」
室伏「わかったのじゃ」
〜各々行動中〜
引岸「チケットなど諸々取れました、出発できますよ」
屋我利「こっちも怪しいのは通らなかったぜぇ」
かだん「尖兵からちょっとは情報は得れたけどその前にトイレ行ってきていいか?」
句崇刃「まあこのままあとは見送るだけだからいいぞ」
そうして飛行機を待っていたのだが
アナウンス「非常事態により飛行機の運行を中止します!中止します!」
句崇刃「な、なんだ!?」
かだん(あ、姉貴!大変だ!殺人事件だ!)
からん(なんですって!?)
からん「みなさん大変です!空港内で殺人事件だってかだんから」
屋我利「なんだってぇ!?」
句崇刃「クソ…邪魔するためにそこまでやるのかよ…」
引岸「とりあえずいきましょう、かだんさんも心配だ」
護衛の任務の作戦会議で皆の能力などの会話をして親睦を深めた…相手方に情報を与えないためにも即断即決で空港に向かう、山道での追手を返り討ちにして空港前のフェルヴェーレングも倒して情報を得る。空港で準備を整えついにお見送りのタイミングになったところで殺人事件が起こる!一体誰が犯人なのか!?そしてここまでして邪魔をしようとする組織の悪意を掻い潜ることはできるのか!?
画竜点睛・エスケープ file.3に続く…
ハイエンミュラー「…まったく、そんなもの見てなにが楽しいのかな」
???「………(笑顔)」
ハイエンミュラー「まあ深くは言及しないけどさ、ちゃんと始末してきてよ?一応君はボクと同じ地位を得ている組織の中核なんだからさ…」
???「…………(不貞腐れた顔)」
ハイエンミュラー「にしてもあの雪女は君の宿敵だし、あの男に至ってはまさかこの組織の…」
???「…………(ニタァと笑いながら何処に消える)」
ハイエンミュラー「………ハァ、同僚がこんなんだと気が滅入るどころか狂っちゃうよ」




