file.1 託された緋玉
〜悪夢のデスゲームから1ヶ月後〜
句崇刃「春咲さん、この案件終わらせてきたぜ」
春咲「ありがとう句崇刃君、ここのところ事件が多いわね」
句崇刃「フェルヴェーレングの連中ってわけではなさそうだけどな…」
晴々「物騒な世の中になってきましたね…」
かだん「うちに攻め込んできた時には応戦するぜ!」
句崇刃「まあそうなる前に手はうつさ」
雨々「やっぱ頼もしいぜ、兄貴は」
そんな話をしていた次の瞬間…
バリィィィという音と共にガラスが割れ2人の人間が投げ込まれる
春咲「!?何が起きたの」
からん「キャアァァァ!」
句崇刃「これは…ボディガードの人…なのか?」
投げ込まれた2人の人間は黒いスーツに通信機を携さえた大きな男達だった
かだん「なんだ!?フェルヴェーレングのやつらでも喧嘩を売りにきたのか!?」
春咲「とりあえずかだんちゃんはからんちゃん達を、句崇刃君いけるわね?」
句崇刃「なんのつもりか知らないが喧嘩を売られて黙ってるわけにはいかないな」
???「キャー!!助けて下さいましー!」
大男「うるせえ!黙って誘拐されろ!」
窓から覗くと数人の男が一人の女の子を車に載せようとしている
句崇刃「おいおい白昼堂々誘拐かよ、うちにも迷惑かけやがって…」
春咲「……まったくうちの事務所にこんなことしてくれて…」
句崇刃「あ、まずいかだん!今すぐみんなを別の部屋に!!」
かだん「あ、おう!わかったぜ」
大男「へへ、これで任務は」
逃走用の車に大男が乗り込み運転しようとしたその時!
春咲「おいコラァ!人様の事務所の窓ガラス割って逃げれるとおもってるんかあ!」
大男「んあぁ!?なんだテメ!うわぁぁぁ!車が!足が!?」
ブチギレた春咲の広範囲に及ぶ凍結により車は一瞬にして機能停止に陥った
春咲「このボケ!うちの妹達に当たってケガしたらどないするつもりやったんや!おうこら!責任者出せ!」
大男「ヒィ!すみませんでした!」
大男達は女性を置いてスタスタと逃げ去った…
句崇刃「春咲さん、名織さんのとこで修行してたからかブチギレると過去の名織さんみたいになるんだよな…」
かだん「……怒らせるようなことは極力控えよう」
春咲「ふぅ……とりあえずこの子と重症の2人を安全なところに運びましょ…」
女の子は恐怖により気絶しており、ボディガードとおもわれる2人は重症人である
からん「そうはいっても事務所はもうしばらく使えませんし…」
春咲「しょうがない、名織ちゃんの事務所借りましょうか」
雨々「姉貴の事務所か!あそこなら広くて治療もできるしな!」
からん「私たちは初めて伺いますね…」
春咲「さぁ!準備できたらいくわよ!」
句崇刃「なんかこの子どっかで見たことあるんだよな…」
〜春咲達移動中〜
かだん「でその名織さん?って人の事務所は同じ探偵事務所なのか?」
句崇刃「いや、そういうわけじゃないでもきっと初見は緊張するだろうな」
からん「雨々さんが広いとおっしゃられたので名家の跡取りとかなんでしょうか?」
春咲「まあ、ある意味ではそうなのかもね…」
〜春咲一行は目的地に到着した!〜
かだん「お、おい…これって…」
からん「どうみてもヤクザの事務所じゃないですかぁ〜」
春咲「安心して、多分君達が思ってるようなところじゃないから」
句崇刃「覚悟はできたか?」
からん「ヒョエー」
春咲「句崇刃君!(怒)」
晴々「安心してください…私達もかわいがってもらってるので」
かだん「かわいがってもらっている!?!?」
春咲一行は名織組の門をくぐった…すると
組員達「お疲れ様です!春咲さん!」
春咲「お疲れ様、みんな急にこんなことになってごめんね」
組員A「そんなことないっすよ!春咲さんに会いたがってる組員は多いっすよ!」
組員B「刃坊!また一段と大きくなったな、また組手するか?」
句崇刃「久しぶりに頼もうかな、ちょっとめんどくさそうな組織を敵に回しちゃってな、自衛の質を高めたい」
女中達「句崇刃様ー❤️」
句崇刃「うぉ!?お前たち相変わらず…」
女中A「なんだが大変なことに巻き込まれたみたいですね!ぜひそのお話聞かせてください!」
女中B「良かったらサイン!サイン下さい!」
かだん「え?サインってそんなに価値あるのか?」
春咲「一応ウチcome me区の中では3位の探偵事務所って言われるぐらいだから意外と価値あるのよ、それはそれとしてやっぱりお姉ちゃん将来が心配だわ…」
からん「句崇刃さんしかいないのにすごいです」
春咲「一応他に2人いるんだけどどっちも今は別の区に出張探偵しにいってるのよ」
かだん「へぇー会うのが楽しみだな」
名織「いろいろ大変だったみたいね、春咲ちゃん」
春咲「ありがとう名織ちゃん、急な話にも関わらず」
名織「いいのよ、貴方たちが春咲ちゃんのいってた姉妹なのね!かわいいわ〜お腹空いてない?ご飯でもなんでもうちにはあるわよ!」
からん「優しいお姉さんじゃないですか」
かだん「そうみたいだな、緊張して損したぜ」
句崇刃「あれ?その傷…」
名織の左腕に線のような傷がついていた
名織「あぁ、心配かけちゃったわね。つい先日うちの区に別区のヤクザが攻めてきてねえ、今まではほとんどなかったんだけどここ最近は結構な頻度で来るようになって困ってるのよ」
雨々「姉貴!大丈夫なのかよ…」
名織「安心して、狼藉者は私が15m上空に投げ飛ばしたから!」
句崇刃「それもう生きてないだろ…」
かだん「この人に至っては怒らせるとかいう次元じゃねえ…」
春咲「それで連れてきた方達の容体はどう?」
名織「ボディガードの2人と女の子は意識を取り戻してるわ、しかも女の子の方は私の知り合いだったわ」
春咲「そうなの?どちらにせよ話をきいたほうがよさそうね…」
室伏「おお!そなたたちがウチを助けてくれた探偵事務所の諸君か!ありがとう」
名織「みんな、紹介するわねこの子は私の親戚の室伏カァトちゃん」
春咲「名織ちゃんの親戚の子だったのね、はじめまして」
室伏「知っておりますれば、あの石郡探偵事務所の所長さんで名織さんの親友殿ですな。よろしく頼むぞ」
かだん「しっかりしてるなー、私たちとは大違いだ」
室伏「まだまだ勉強中の身であれば…それよりそこな男性よ…ウチをじっと見てなにがきになるのかのう」
句崇刃「アンタ、配信とかやってねえか?」
名織「いきなりなにをいってるのかしら…」
室伏「ほぉ?そのような趣味は誰にも話したことないのじゃが、なぜ知っておる」
室伏の目が鋭く光る…
句崇刃「ほら、これがアンタのチャンネルだろ」
そこにはカァトch/歴史解説雑談と書かれたチャンネルが映っていた
室伏「チャンネルを特定するとは、流石高評判の探偵事務所の探偵と褒めた方がいいのかのう…」
句崇刃「そんなことねえさ、俺も配信することが多いしな」
室伏「ん?そなたもしかして!?」
名織「カァトちゃん知ってるの?」
室伏「知ってるも何もウチが配信してるサイトでほぼ常に一位を独占しとる上等な情報チャンネルでよく喋ってるあの人そのものじゃないですの」
かだん「句崇刃さん、そっちの道でも有名なんだな…」
春咲「そういう意味でも結構サインねだられるのね…」
室伏「こんなところで会えるとは思ってなかったがの、まだ一度も勝ったことはないし、尊敬はしているが敵でもあるな」
句崇刃「褒め言葉も挑戦も受け取っておくよ」
名織「自己紹介も済んだことだしカァトちゃん達から話もあるみたいだからあっちの部屋で話をしましょうか」
〜御一行移動中〜
句崇刃「で?うちの事務所の前で何があったんだ?」
室伏「実はウチ海外に行かないといけんようになってしもてな…」
名織「それってもしかしてお父様のご病気のことかしら?」
室伏「そうなのじゃ!父上の雁斎の病気の容体が悪化してのう…」
かだん「苦労してんだな…」
春咲「つまりその父上様が復活されたら困る人か勢力があるってことなのかしら…」
室伏「大まかにはそういうことじゃ!私を攫って交渉に使おうとしたんじゃろ」
引岸「失礼します」
屋我利「すまんなぁ助けてもろて」
室伏を護衛していた2人が部屋に入ってくる、1人は引岸 厳斗と名乗り、もう1人は屋我利 屋と名乗った。
引岸「申し訳ない、事務所をめちゃくちゃにしてしまって…」
屋我利「うちの組から保証は出るので安心してくれぃ」
句崇刃「それでこれからどうするんだ?このまま行動してもまた襲われそうだが…」
室伏「そこでお主らに一つ仕事を頼みたいのじゃ、このウチ室伏カァトの護衛をな」
春咲「護衛…ね、一応探偵事務所なんだけどね」
引岸「実は雁斎様の邪魔をするもののなかにはフェルヴェーレングと名乗る組織もいるんです…」
句崇刃「なるほど…うちにとっても無関係な話ではないか…」
屋我利「お嬢が言ったこととはいえそちらさんの都合もある、室伏家からも応援はくるから無理にとは言わないぜぃ」
春咲「探偵事務所はしばらく使えないから暇ではあるのよね…やってみる?」
句崇刃「もしかしたら情報が拾えるかもしれねえ、俺は行ってもいいぜ」
かだん「私もいくぜ!荒事には慣れてるから戦力になると思うぜ」
からん「私もいきましょう、護衛には力を貸せませんが似力が役に立つと思います」
かだん「姉貴もくるのか!?」
からん「私だって力になりたいって思うときはあるのよ?それが今ってだけ」
春咲「じゃあ私は妹達の面倒を見るついでにパワーアップしてくるわね!手伝ってよね名織ちゃん」
名織「わかったわ、手加減はもういらないわよね?」
句崇刃「怖いよ名織さん…」
室伏「それじゃあ作戦会議、ひらこうかの」
悪夢のデスゲームから1ヶ月…それなりに平和に過ごしていた石郡探偵事務所の窓ガラスは破壊された。ブチギレ春咲によってことなきを得た(?)一行は名織のヤクザ事務所をしばらく間借りさせてもらうことになった、そこで窓ガラスが割れる原因となった事件の当事者である室伏カァトと2人の護衛から護衛の依頼を頼まれる。フェルヴェーレングも関係しているというこの事件に句崇刃と鉄菱姉妹は協力することにした!ここから室伏家とその敵対者の壮絶な逃走劇が始まる!
画竜点睛・エスケープ file.2に続く…
???「……………」
大男A「す、すいませんいきなり雪女みたいなやつに邪魔されグュアァ?」
大男Aは捻切れて死んだ
大男B「ひ、ひえええお助けヒョロエ?」
大男Bは何かに飲まれ消え去った…
???「………(不気味な笑顔で笑う)」