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星を渡る

作者: はやまなつお


「何で「星の王子さま」が評価されてるのか分からないな。

遭難パイロットの幻覚。この人は旅客機は操縦できない。逆噴射しそう。


これで世界的ベストセラー?子供だましなのでは・・・」


童話「星の王子さま」を読んでから眠った。


すると夢で。




「ここは王子の星か!」


ドラゴンボールの界王の星より小さい。

何も無い。月の表面のような状態。バラも雑草も無い。


王子の心の状態を示していたんだろう。

王子は、おそらく創世能力、イメージ実体化能力がある、エネルギー生物。


物語で夕焼けがあるってことは大気があった。それも作り出していた。

ここにいても見るべき事は無い。別の星に行こう。




ひょい、と光速エスパーのように飛び立つ。宇宙を移動。

何となく人の気配のある方向へ。


小さい星。直径20メートルぐらい。

軍服の男。カイゼル髭。突撃銃を向けてくる。


軍服男「手を上げろ、貴様は捕虜だ!」


「なぜそんなことを?」


「上下関係を付けるためだ!他人と会えばかならず争いになる。

その前に順位を付ける、わがはいが上だ!」


「つまり他人に対して威張りたい、上位に立ちたい?」


「そうだ!」


「あ!」と後ろを指差す。


「む?ふん、そんな手に乗るか!バカもん!」

軍服男の後ろで物音。


さすがに振り返る軍服男。「あ!」

そこにはやはり軍服を着て銃を向けている別の男がいた。


「何だ貴様は!」

ダン!ダン! 相打ちで倒れる。二人共に消えていく。


私も創世能力を持っている。軍服男にそっくりな男を作り出した。


しかし軍服男は、また実体化した。横になって眠っている。

この星は「威張りんぼ男の星」で固定化されてるらしい。


起きる前に私は飛び立った。




次の星。

ゲームに熱中している20才ぐらいの男。

レトロゲームから最新ゲームまでを個人ゲームセンターで

大音量で、ずっと行い続けている。


パーシー・ジャクソンの映画に出てきた

ラスベガスの永久カジノのような状態。


話をできる状況ではない。ゲーム遊びの星。離れる。




3つ目の星へ。

操作卓コンソールに向かう40歳ぐらいのビジネススーツの男。

「そうだ、買いだ、100億円分だ。買えるだけ買うんだ」売買指示。


私「えーと、金儲けが趣味なんですか?」


投資男「仕事をしないとお金が稼げない。効率よく稼ぐには頭を使わないと」


私「でもこの世界は望むものは実体化できるはずでは?」


「お金を稼ぐのが私の生きがいなんだ、ほっといてくれ。

私の貴重な時間を邪魔する気か?1万円払え!」


「失礼しました!」私は飛び跳ねて離れる。金儲けの星。




4つ目の星へ。


塔が10個ほど建っている。レンガ構造。

建てかけの塔で、30歳ぐらいの太ったちょび髭男が作業服で

のんびりセメントを塗ってはレンガを置いていく。


「えーとあなたは大工なんですか?」


レンガ男「ああ、そうだ。仕事が生きがいだ」


「でもここでは仕事しなくてものんびり生活できるはずでは?」


「ああ、できる。しかし生きがいがないのは、つらい」


「もうこの塔ができたら建てる場所が無い。これで終了ですか?」


「いや、どれかを壊してまた建てるよ」


「・・・・・・」


ここはワーカホリック、仕事中毒男の星。やはり話しても無駄。




5つ目の星へ向かう途中。


会うのは男ばかり。最初の王子様の星もそうだが。

これは私の心象風景のパロディなのか?


いや、違う。「威張りんぼ」という性格は私には無い。

他人を脅して、嫌な表情でヘラヘラ喜ぶ蛆虫共は、

どこにでもいて、苦しめられてきたので恨みがある。


皆殺しにしてやりたい。

ヒットラーはユダヤ人絶滅を掲げたがナンセンス。


ユダヤ人だろうがゲルマン民族だろうが悪人もいれば善人もいる。

悪人を殺す、と掲げれば全世界の賛同を得て勝利できたのでは?


世界を征服する百の方法の1つ。

誰でも賛同する大義を掲げる。信長パターン。


民間人がこの国に移住したい、という政策。

年貢を安く、商売しやすく、盗みは死罪で罪人に厳しい。つまり安全。



5つ目の星へ。


山の上の一軒家。50歳ぐらいのハンサムな男が読書している。

テレポートで望む本や漫画を手元に物品引き寄せ。


そしてテレビ番組。世界中の。その国の言語で理解できる。

映画、音楽。未来のヴァーチャルサービス。


おたくの理想の星。これは共感できる。囚われそう。

死んで意識がこの囚われ領域に行けるなら望む所。


しかし今はとりあえず全部見て回りたい。飛び立つ。




6つ目は地球。

神の視力を持って降り立つと。



10億人の「威張りんぼう」自分が大将でないと気がすまないチンピラ集団。常に争う悪人。

他人を苦しめるのが生きがい。目立ってる。


10億人のゲーム中毒者。ギャンブルなど。


10億人の金儲け追求人間。お金の亡者。操り人形。

他人を押しつぶすのをためらわない。弱肉強食の冷酷人間。


40億人の労働洗脳人間。お金の奴隷。ネクタイが首鎖。


私も含む読書中毒は・・・あれ?少ない。社会影響力ゼロ・・・。



70億人を把握。悪人が多い。今なら選別して皆殺しに。

いや、何でもできるなら。


過去へ。原爆を落とす1年前へ。開発者、計画を進める軍人、政治家、大統領に狙いを付ける。

「イレイズ(消去)!」宇宙大作戦の保安要員の持つ光線銃のように標的たちは原子分解された。


そして満州国を攻撃するロシア軍。軍人と政治家、大統領を「イレイズ!」


とりあえずの用事を済ませて。そして後は。

「地球の悪人全て消えろ、イレイズ!」

地球全体に魔法をかける。これは不特定多数に対する魔法なので効果がわかりにくい。




ここで目が覚めた。

アパートの一室。


部屋を出ると。通行人が人間の顔をしていなかった。

凶暴なネズミ、かみつきたがる狂犬、ニタニタ嫌な表情で笑う鬼ども。


神の視力が今も持続していてその人間の本性が見えているらしい。


やはりただの夢。現実に影響は与えられない・・・。


サンテグジュペリ「星の王子さま」のパロディ。

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