第2話(裏)オートカウンター?
〖敵意を感知〗
自分の視界の右下にこんな文言が急に出てくる。
あまりに突然なことでその意味を理解するのに時間がかかった。
(敵意?誰が?どこ?)
よく見るとその言葉と一緒に矢印があることに気づく。その矢印は私の真後ろを示すように〖↷〗と表示されていた。
バッと後ろを振り向く。
するとすぐそばまで青年が駆けてきていた。
しかも何か手の周りに変な渦が巻いており、速さも人並外れている。
「えぇッ なにナニ何⁉︎」
明らかに私めがけて突進しているがもちろんその原因に心あたりはない。
そもそもこの世界に今さっき来たばかりなので恨みなども買うはずがない。したがって導き出せる可能性は2つ。
一つ目はここが彼の領地や私有地などであり、不法侵入者である私を排除しようとしている可能性。
二つ目は彼が盗賊である可能性。
この二つが現段階で考えられる有力候補である。
しかしここで私が致命的なミスをしていることに気づく。
青年が襲い掛かってくる理由は大体絞れたが、肝心なその対策を考えていなった。
(私、バカだ・・・)
そんなこんなで、すでに青年と私の距離は5mとなる。
その右手はギュルギュルと半透明な渦に覆われ、明らかに当たればただで済まないことを物語っている。
(あっ・・・死んd)
そんなときであった、視界の端に新たな文章が追加されているのに気づいたのは。
〖オートカウンターを発動します〗
そこから私の身体は、私の操作を離れた。
剣なんて振ったことはおろか、触ったことすらない。しかし気づけば右手は剣を抜いていた。
ザリザリザリザリッ
激しい衝撃。
剣の腹と青年の拳がぶつかる。
再度言うが、私は何もしていないし、何も考えていない。
(これがオートカウンター・・・)
かなり強いことはこの一瞬で十分わかったし、今回のように不意に襲われても対処ができるのはかなり便利である。
あの女神さまには何から何までしてもらって感謝しかない。
そんなことを考えているうちに、剣は青年の拳を完全にいなしていた。
すると、そのまま右腕を前に押し出すようにして柄頭を前に突き出す。
その柄頭はみるみる青年の顎に吸い込まれていき、
ゴン
と、鈍い音とともに生々しい骨をうつ感触が伝わってきた。
「あっ・・・やっちゃった・・・」
鮮やかな一連の動作。その一瞬の出来事に私が入る余地はなかった。
青年の腕を覆っていた半透明の渦はブワッと霧散し、私の髪を揺らす。
そして青年はゆっくりと後ろに体をのけぞらせていき、最後には大の字に倒れて気絶した。
先ほどまでとは打って変わって、静寂が訪れる。聞こえてくるのは春の風が草を撫でる音だけ。
「・・・・・これ、・・どうしよ・・・」
白目をむいて倒れている青年を、その加害者である私はただただ見下ろすのであった。
お久しぶりです。茅岡数珠です。数珠と書いて、ズズと読みます。更新が2か月ほど空いてすみません。ちょっと年末がバタバタとしてまして、気づけばこんなにたっていたことに自分でも驚いています。決して書くのに飽きたとかではないので見捨てないでください。




