八話「血の中に鉄はあるんだぜ」
メアさんは彼を見つめたまま口に出す。
「やはりまだ生きてるか……」
「お嬢ちゃん、いいこと教えてやろう。血の中には鉄が入ってるんだぜ、鉄分と言う名前でな」
目の前にいる男は私たちに言う。それと同時に彼のそばで鉄の液体が一つ浮くなり、パイプの形を作成した。
「鉄学」
さらに彼の言葉でその鉄パイプは剣へと形を成していく。
「彼が何をしでかすか、分からない。だから理沙ちゃんは後ろに……」
「自分の身も守れねぇ奴が誰を守り切れる?」
私の側で血が飛び散る。彼が持っていた剣は彼女の体を突き刺していた。彼女は驚いた表情をしてぐったりしている。私が何かしなければ、と思い技名を考えようとした時だった。彼女の目は急に睨みつけてきた。なぜ私がこんな目に?みたいな表情で。その表情のままの彼女は剣を握りしめてこう言う。
「血壊」
彼の持っていた剣が砕けっちった。それと共に彼の右手が消えていた。
「痛てぇぞ。おい、女、何をした?」
「そうね……ハァハァ……血を通して壊したとでも言おうかしら」
立っている彼女は今にも倒れそうなほどふらついている。
「メアさん、自分の体を治して。あとは私がやるから」
「ありがとう、幸平……」
なぜ彼女がお父さんの名前を?気になるそれは後回し。今は目の前にいる男を何としてでも倒さなくちゃいけなかった。
だいぶ更新が遅くなってすみません。再開です。