七話「血の中に含まれるモノ」
私たちは鉄を扱う男の後ろにいた。メアさんが「血続」と言った瞬間、体がいつの間にかここに来たという流れである。ただ体に違和感を感じる。なんというか、ここで自殺をしたくなるような嫌気が感じる。
「うっ……。この技はダメだったかな。理沙ちゃん、気を持って……」
「私はだ……」
「それはお前だろ?小娘……鉄固」
メアさんは急に悲鳴をあげる。一体何が起きたという感じで私は彼女を見る。
「血の中には含まれてるよなぁ。鉄分が。おっと、今のは指で漢字書いてないから何も起こらないよ、そっちの小娘。さぁ、一緒に聞こうぜ?彼女の苦しむ姿を」
私は何も出来ないのか?いや、私にだって能力がある。
(助けるんだ、メアさんも。母さんも)
「あなたのことが姫雷です」
「そうだろうな……ふっが!!」
鉄を扱う男にだけ稲妻が走る。さらに鉄は雷を通しやすいはず。メアさんを見ると、安らかな顔して立っていた。
「大丈夫ですか?メアさん?」
「大丈夫……ねぇ、私たち、どこかで会った?」
私は首を横に振る。
「そうだよね。何でもない。ただ何か懐かしい感覚に覚えたから」
メアさんの言葉を聞いて私もそんな感覚に覚えてきた。だが、彼女と会ったのもこんなことも今日以外ない。そんなことよりも母さんだ。
「おい、あんだけで死ぬかよ?」
鉄を扱う男は急に寝込んだ体を起こして私たちにその言葉を投げかけるのだった。